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BATTLE ARENA 4th 決勝ラウンドレポート(デュエプレ8弾)

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

普段は環境考察やカード解説の記事を書いています。

今回は2021/4/18に行われたBATTLE ARENA 4thの決勝戦の様子をテキストカバレージとして記していきます。

カバレージとは何か?という説明についてはデュエル・マスターズ公式サイトの下記の文章を引用します。

主に全国大会やグランプリなどの競技イベントを取材した記事のこと。上位入賞を目指す選手たちの情熱や超絶テクニック、そして1戦に込められたドラマを感じ取ることができるだろう。デュエマで強くなりたいなら要チェックだ!

では以下、ちょっとお堅めの書き方でいきますがよろしくお願いします。


決勝までの歩み

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そもそも、この決勝トーナメントは大きな意外性を孕んだものであった。

8弾環境屈指のデッキパワーを誇る『ヘブンズ・ゲート』、それに対抗可能で特に玄人が信頼を寄せる『グレートメカオー』、それらに五分以上で戦える『除去コントロール』の姿が影も形もなかったからだ。

そして、その代わりとして晴れ舞台に立つ権利勝ち取ったのは、直近で能力の調整が入った『ドリームメイト』、8弾環境最後の発明『闇自然速攻』、もはや過去の栄光と思われた『光自然ダイヤモンド・ブリザード』、形を変えて新たな理不尽を武器とした『カチュア』、王者に対抗するために研究された兵器『水単テクノロジー』、そしてシード枠として加わった3rdチャンピオンの操る『クリスタル・ツヴァイランサー』という面々であった。

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上位の48.3%のデッキタイプの顔が一件たりとも見られない決勝トーナメントを、一体誰が想像できたであろうか。

次ぐ人気を誇った『ドリームメイト』ですら、順当に考えれば1名が決勝進出を果たしたかどうか、といった割合である。

ここに7.1%の『カチュア』から1名、5.7%の『闇自然速攻』から2名、3.7%の『水単テクノロジー』から1名、その他に分類される『光自然ダイヤモンド・ブリザード』が1名加わる結果となった。

”大会は何が起こるかわからない”という解説・松浦氏のコメントは、ありふれた言葉でありながら、予期せぬものに遭遇した体験のスケールを最も端的に表すものだと感じられる。

”このゲームはまだまだ熱く、面白い”と、6000人を超える人間が年齢も地理も関係なく、想いを共有したのではないだろうか。

そして、その異質揃いの面々から決勝戦に勝ち上がったのは『水単テクノロジー』のゆーた/Nova選手と『クリスタル・ツヴァイランサー』の前回大会優勝者・そーすやきそば選手であった。

共に水文明軸、「クリスタル・ツヴァイランサー」を扱うデッキでありながら、正反対と言えるような特性を持つデッキ同士の対決だ。

最高にクールで熱い、青い炎のぶつかり合いが始まった。


第1試合

そもそものデッキ相性で語ると、ゆーた/Nova選手の操る『水単テクノロジー』はそーすやきそば選手の握る『クリスタル・ツヴァイランサー』に対して、圧倒的不利と言って差し支えない。

実力の拮抗した者同士が戦った場合、試行回数が多いほど『水単テクノロジー』が黒星を積み上げていくのは火を見るより明らかである。

そしてこの決勝ラウンドはすべての勝負がBO3(2本先取制)であり、よりその相性差が結果に反映されやすいルールであった。

挑戦者ゆーた/Nova選手にとっては最後にして最大の試練であったが、逆境はそれのみに留まってはくれない。

緊張と盛り上がりのピークで迎えた第1試合。

そーすやきそば選手がドローソースこそないものの、この対面で重要な低コストクリーチャーと切り札の「クリスタル・ツヴァイランサー」を引けている一方、ゆーた/Nova選手の手札にはなんと3枚の「アクア・サーファー」が引き寄せられていたのである。

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『水単テクノロジー』は基本的に「スパイラル・スライダー」と「アクア・サーファー」の計8枚のシールド・トリガーを採用したデッキだ。

「スパイラル・スライダー」が2コストで手札から使用することが容易く、むしろ序盤に引きたいカードであるのに対し、「アクア・サーファー」はこの対面で最も引きたくないカードの一枚である。

それを初手に3枚抱えてしまったゆーた/Nova選手の苦悶の表情は、多くの視聴者も共有したことだろう。

2ターン目にもう1枚の「アクア・スクリュー」を引いたゆーた/Nova選手は、2枚目の「アクア・サーファー」をマナチャージし、「アクア・スクリュー」を召喚する。

自身のデッキにも入った「クリスタル・ツヴァイランサー」を出すための下準備だ。

それに対するそーすやきそば選手は、待望のドローソース「アクア・ハルカス」を引き、「アクア・トリックスター」を召喚して理想に近い動きを見せる。

だが、ゆーた/Nova選手への試練はここで終わってくれない。

続く3ターン目。

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ゆーた/Nova選手のドローは、なんと、またしても「アクア・サーファー」であった。

そう、ここまでの7枚のドローで、ゆーた/Nova選手はデッキの「アクア・サーファー」を引き切ってしまったのである。

相手の「クリスタル・ツヴァイランサー」に次ぐ三本目の槍である切り札は、呪文のシールド・トリガー「スパイラル・スライダー」を封殺する「超神星マーキュリー・ギガブリザード」だ。

もしもその早期着地を許すことになれば、そこに見える勝利の目は針の穴よりも小さなものとなってしまう…

不要札を引いたというダメージ以上に、「アクア・サーファー」の品切れは相手に決してもたらしたくない情報という意味で重いものであった。

しかし、他にマナゾーンに送れるカードはなく、速攻に近い速さで攻めて来る相手に手を止めている隙はない。

さすがに頭を抱えるゆーた/Nova選手だが、「アクア・サーファー」を置いて2体目の「アクア・スクリュー」をバトルゾーンに送り出すのであった。

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返す3ターン目のそーすやきそば選手は順調に「アクア・ハルカス」をプレイし、次ターンには「ツヴァイランサー」が容易に着地する状態でゆーた/Nova選手に圧を掛けていく。

こんなにも苦しい展開が、なぜこの大一番でやってくるのか。

しかも、4ターン目に入ったゆーた/Nova選手のドローはまたしても今引きたくない「インビンシブル・テクノロジー」と来た。

デッキ名を冠する切り札を仕方なくマナゾーンに送りこみ、そーすやきそば選手に運命の4ターン目を譲った。

だが、重く、苦しい4ターンを乗り越えたゆーた/Nova選手に、ようやく微かな光が差し込む。

この4ターン目でそーすやきそば選手が引いたのは、ゆーた/Nova選手の因縁「アクア・サーファー」だったのだ。

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手札に「アクア・トリックスター」を持っていたそーすやきそば選手は、ここでデッキに豊富に存在する1コスト・2コストのクリーチャーを1枚引ければよかった。

2体展開し、「クリスタル・ツヴァイランサー」を着地できれば有利は盤石となるはずだった。

ところが、ここで「アクア・サーファー」を引いたがために、このターンにできることは「アクア・トリックスター」を出すのみとなってしまった。

そーすやきそば選手は仕方なく「アクア・トリックスター」を召喚し、次ターンに備える。

と思われたその時、そーすやきそば選手の「アクア・ハルカス」は魂の一撃でシールドを1枚ブレイクした。

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運命の分かれ目はこの「アクア・ハルカス」の攻撃であったか。

それとも攻撃したシールドが一番左端であったことか。

ブレイクされたシールド「アクア・ガード」がゆーた/Nova選手の手札に入り、5ターン目「アクア・ハルカス」をドローしたことによって、そーすやきそば選手は「クリスタル・ツヴァイランサー」の着地を許す結果となってしまう。

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自身の切り札であるはずの二本の槍が、「アクア・ハルカス」を貫く。

加えて、ゆーた/Nova選手の手札にはこのターンに引いた「電脳海王ネオングライド」と、「アクア・スクリュー」の効果によって舞い込んだ「インビンシブル・テクノロジー」が光り輝いていた。

猛攻の末にそーすやきそば選手は「超神星マーキュリー・ギガブリザード」を着地させて「インビンシブル・テクノロジー」を封じるものの、ブレイクによって増えたゆーた/Nova選手の手札からの展開は止まらない。

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1枚の「アクア・サーファー」をシールド・トリガーで引くことに成功するが、防ぐことはできず、敗北を喫することになった。

敗因は、やはり4ターン目の攻撃だろう。

解説のはんじょう氏も語る通り、冷静に考えればそーすやきそば選手の4ターン目の「アクア・ハルカス」の攻撃は止まるべきものであった。

4ターン目ノーアクションだった『水単テクノロジー』側は、次ターンにせいぜい1体のバウンスしか行えず、その場合でもそーすやきそば選手は返すターンで2コスト以下のクリーチャーを引ければ「ツヴァイランサー」を着地させることができたからだ。

もちろん、「超神星マーキュリー・ギガブリザード」を立ててより安全に、確実に攻めていく方法だって取れた。

だが、である。

自身のYoutube動画でも振り返っている通り、そーすやきそば選手にとってもこの大舞台まで『水単テクノロジー』がのし上がってきたことは意外なことであった。

それは3.7%の使用率が証明している大いに同意できることで、だからこそ今この場にいる対面・ゆーた/Nova選手はよほどの手練れに違いないのだ。

仮に相手にご立派な作戦がなかったとしても、自身のここ3回のドローは「ホーリー・スパーク」「ホーリー・スパーク」「アクア・サーファー」だ。

自分の運気は確実に雲行きが怪しい。

もしこの下がり調子で次も3コスト以下のクリーチャーを引けなければ…

仮に引けたとしても、まだ1枚も見えていない「スパイラル・スライダー」や4枚目の「アクア・サーファー」をシールド・トリガーでめくってしまったら…

ふと気づけば、ゆーた/Nova選手は先のターンで何もしていない。

召喚できるリキッド・ピープルを引いていればバトルゾーンに出していたはずだ。

まさかブラフなわけはないし、そう都合よくあの2枚の手札に「クリスタル・ツヴァイランサー」がいて、ブレイクしたシールドと次のドローで2体のリキッド・ピープルが揃うはずがない…

前のターン切り札であるはずの「インビンシブル・テクノロジー」を迷わず埋めたということは、あのうちの1枚は「インビンシブル・テクノロジー」なのではないか…

そうであれば、ここは「アクア・スクリュー」で倒されない「アクア・ハルカス」で1枚ブレイクすることで、次ターン「クリスタル・ツヴァイランサー」を着地させた時に1枚シールド・トリガーを当ててしまっても勝てる。

今この攻撃で「スパイラル・スライダー」をトリガーされても次ターン2コスト以下を引ければリカバーできるし、まさか4枚目の「アクア・サーファー」が来ることも早々ない。

ならば、今ここで攻撃をしておくのが最も安全なのではないだろうか…

そのような思考が彼にこの攻撃を勧めたのだろうか。

もちろん、彼のこのプレイが英断となった未来もきっとあり得たはずだった。

だが、結果はこの選択が敗北につながることとなってしまった。

こうして宴のあとで冷静に見つめ直してみると、前回王者でありつつ、有利対面と自他共に認めるそーすやきそば選手のプレッシャーがひしひしと、感じ取り切れないほどに重く伝わってくる。

4ターン目の運命の選択から、この闘いのテーブルにつく彼の時間が永遠のものとなってしまったことは想像に難くない。


第2試合

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波乱の幕開けとなった1試合目を終え、ゆーた/Nova選手が王手をかけた第2試合はそーすやきそば選手の先手で始まる。

先手のために手札の余裕こそないものの、「クリスタル・ツヴァイランサー」と低コストで構成された初手は理想に近い。

対するゆーた/Nova選手も先ほどの「アクア・サーファー」3枚の初手からすれば天国のような手札を迎えることができた。

だが、その安堵は一瞬にして瓦解する。

2ターン目に「アクア・スクリュー」を展開するそーすやきそば選手に対して、ゆーた/Nova選手の1ターン目、2ターン目のドローはまたしても「アクア・サーファー」であったからだ。

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先の試合では3ターン目に引き切った「アクア・サーファー」を、またしても2ターン目までに3枚引いてしまった。

2試合を合算して80枚の山から14枚のカードを引いた時、8枚中7枚の「アクア・サーファー」を引く確率は如何ほどだろうか?

まだ1枚残されているとはいえ、首を垂れるゆーた/Nova選手の気持ちが画面越しに痛いほど伝わる。

「スパイラル・スライダー」で「アクア・スクリュー」をバウンスするものの、なぜかこれがやがて来る絶望への遅延にしか感じられてこない。

一方でそーすやきそば選手はベストのタイミングでドローソースである「アクア・ハルフォート」を引き込み、バトルゾーンに送り込む。

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効果でさらに「アクア・ハルフォート」が手札に加わり、またしても理想に近い展開だ。

ゆーた/Nova選手は返しの3ターン目、2枚目の「スパイラル・スライダー」を使用して”その時”を先延ばしせざるを得ない。

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だが、これでもう次に使える延命手段はなくなってしまった。

そーすやきそば選手の展開は止まらず、再び「アクア・ハルフォート」が、続くターンに「アクア・ハルカス」と「アクア・スクリュー」が投下されてしまう。

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「電脳海王ネオングライド」に繋ぐための”「ブレイン・チャージャー」を撃てていれば…”というはんじょう氏のコメントが「キング・アトランティス」よりも重い。

始動する5ターン目、ゆーた/Nova選手は「スパイラル・チャージャー」をプレイして「インビンシブル・テクノロジー」の一歩手前6マナまで到達するものの、そーすやきそば選手の勢いは止められない。

2体のリキッド・ピープルが着水し、4本の槍が決勝の武舞台に突き刺さる。

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すでに3枚の「アクア・サーファー」と2枚の「スパイラル・スライダー」を見ているゆーた/Nova選手には逆転の目はほとんど見えない。

仮に残りの3枚のシールド・トリガーがすべて来たとしても、この戦況を返すことは不可能だ。

1枚のシールド・トリガーを引くこともできず、”これが王者の意地だ”と見せつけんばかりの一勝を、そーすやきそば選手がもぎ取った。


第3試合

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ここまですべて2-0で決して来たこの決勝ラウンド。

最初にして最後の3試合目を迎えたのが、この決勝戦であった。

初手は互いに悪くなく、あと1,2枚のキーカードを引ければ理想形と言えるような状態である。

先の2戦で引きに苦しめられたゆーた/Nova選手も、この大舞台中の大舞台でようやく安心できる手札だ。

一歩先を行ったのは、後攻のそーすやきそば選手だった。

2コストのリキッド・ピープル最強格の「アクア・スクリュー」を後攻2ターン目に引き、すかさず場に送りこむ。

先行3ターン目のゆーた/Nova選手は対抗して「アクア・ハルカス」をぶつけるも、4ターン目の理想札である「ブレイン・チャージャー」を引いてくることはできない。

そーすやきそば選手は初手から抱えた「アクア・ハルカス」を場に追加し、またしても4ターン目の2本の槍をちらつかせる。

ゆーた/Nova選手からは窺い知れないものの、「アクア・ハルカス」が引き寄せたのは2枚目の「クリスタル・ツヴァイランサー」だった。

この早期にして「クリスタル・ツヴァイランサー」2体が場に出てしまえば、『水単テクノロジー』はひとたまりもない。

バトルゾーンの緊張は最高潮に達する。

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その緊張を、ゆーた/Nova選手はようやく振り向かせた勝利の女神を味方につけて振り払う。

4ターン目に渇望したあの「ブレイン・チャージャー」を引いたのだ。

だが、ここまで散々と見放してきた女神を、彼は易々と信じない。

いや、より信じるべきは12戦にわたる予選と2戦の決勝ラウンドを勝ち抜いてきた、自身のその手である。

一瞬の逡巡を越えた後、力強く”己の道”「スパイラル・スライダー」を詠唱した。

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そして、この選択がそーすやきそば選手に一瞬の幻想を見せる。

”4ターン目に「ブレイン・チャージャー」を引いていたら、使わないわけがない”という思考はいたって真っすぐで正当だ。

ならば、「電脳海王ネオングライド」が次のターンに着地することはなければ、「インビンシブル・テクノロジー」の詠唱までにも幾ばくかの余裕がある…

そんな一瞬の悪魔の気配が、そーすやきそば選手に最大リソース確保手段の殿堂入りカード「ストリーミング・ビジョン」の使用を選択させてしまう。

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ゆーた/Nova選手の幸運は決して辛抱の末に恩寵として与えられたものではない。

か細い手綱を丁寧に、慈しむように手繰り寄せた結果の、今この場に居るがために得られた来るべきディスティニードローだ。

決別の5ターン目、さらなる「スパイラル・スライダー」を引き込み、「ブレイン・チャージャー」と合わせてフルにマナを使用しながら、次の「インビンシブル・テクノロジー」へと栄光への架橋を築く。

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バトルゾーンを空にされたそーすやきそば選手がこの5ターン目で事態を好転させるには、3枚の「アクア・ガード」と2コスト以下のクリーチャーを展開して無理やり「クリスタル・ツヴァイランサー」を押し付けるほかない。

だが、当然ここまでに1枚も出していない「アクア・ガード」が急に3枚も降って湧くはずがない。

手札からこぼれるように場に落ちた「アクア・ハルカス」と「アクア・スクリュー」は、次ターンゆーた/Nova選手によって無事に唱えられた「インビンシブル・テクノロジー」からの「電脳海王ネオングライド」によって泡沫の如く場から消えた。

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6ターン目を迎えたそーすやきそば選手が欲しいカードは変わらず「アクア・ガード」だ。

2枚、3枚とは言わずとも、1枚あれば3体展開を行いつつブロッカーでまだ延命の果ての勝利を望むことができる。

だが、山札から駆け付けたのは「アクア・ハルフォート」だった。

彼に選べることは、2コストを3体展開するか、「アクア・ハルフォート」の効果で「アクア・ガード」をドローすることに賭けるしかない。

この絶望的状況で天運に託すことは難しく、2体の「アクア・スクリュー」と1体の「アクア・トリックスター」が最後の戦場に立った。

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ついに迎えた、『水単テクノロジー』の独壇場となる8ターン目。

ゆーた/Nova選手の手札は潤沢で、SRの強力な切り札たちが光り輝く。

彼にはもう勝利のプランが見えていたのだろう。

迷わず「アクア・サーファー」をマナゾーンに送りこむと、2体の「アクア・スクリュー」と「アクア・ガード」を展開した。

そして場に4体以上のリキッド・ピープルが揃ったことで、再び「クリスタル・ツヴァイランサー」の雄叫びが、あたかもそーすやきそば選手への挑戦状のように鳴り響く。

”2本の槍、受け止め切れるかなあ!!”

その声に呼応する2体の「アクア・スクリュー」がもたらすのは、奇しくもそーすやきそば選手が求めた「アクア・ガード」2枚であった。

残る使用マナ3マナに対して、バトルゾーンには5体のリキッド・ピープル、手札には2枚の「アクア・ガード」と「超神星マーキュリー・ギガブリザード」。

彼の手は、最後まで一瞬たりとも迷うことはない。

続けて「アクア・ガード」を展開すると、さらなる「クリスタル・ツヴァイランサー」を突き刺し、極めつけのシンパシー効果によって1コストとなった「超神星マーキュリー・ギガブリザード」が降臨した。

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ブロッカーのいないそーすやきそば選手に残された最後の希望は、5枚のシールドから先に「アクア・サーファー」をめくって「超神星マーキュリー・ギガブリザード」をバウンスし、その後で「ホーリー・スパーク」のカウンターパンチを喰らわせる道のみだ。

”それは神様だ”

ゆーた/Nova選手の怒涛の反撃を、思わず飾らない言葉で表現するはんじょう氏のコメントは、果たしてそーすやきそば選手にも当てはまるか。

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勝利の女神は、最後の最後にゆーた/Nova選手に微笑む。

偶然にも先に割られたシールドから「ホーリー・スパーク」が、後に割られたシールドから「アクア・サーファー」が出現する結果となったからだ。

そーすやきそば選手はしっかりと、最後の希望を掴みかけていた。

女神は確かにその後ろ髪を、手の届く範囲に見せていたのだ。

だが、その姿を捉えることができたのは、女神と抱擁することができたのはゆーた/Nova選手だった。


”もともとは嫌いでした”

『水単テクノロジー』についてそう語るゆーた/Nova選手が、チームの勧めによってこのデッキを手に取り、修練の果てに約2900名の頂点に立った。

Nova Finasは知る人ぞ知る、『水単テクノロジー』の愛好家が多く集まった、ユーザー大会で多数の成果を出す強豪チームだ。

"本当に好きなデッキとなりました"

"Novaが最強です"

デッキへの愛と仲間への感謝を語るゆーた/Nova選手の快挙は、決してこのゲームが閉塞した個人の戦いのみではないことを物語っている。

輝かしい栄光は、科学技術と人間の共存するところに収まった。


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