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小説

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#文学

ラーメンの消失

「私の専攻は時空歴史学です」 そう自己紹介した時の話し相手の反応ほど嫌なものもない。 「は…

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冬の日の夢

#1ページ創作 番外 南極大陸が世界覇権を握った結果、あらゆる空調は常に最低温度に設定さ…

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占いのない世界

 星占いを信じるような人間は嫌いだ。  でも、星占いを信じる彼女のことは好きだった。  明…

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電話

 誰かに電話をするつもりだった。  けれど何をどう間違えたのか、自分の携帯電話番号にかけ…

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Determination, Void, and Love(前)

 長い長い間、深くて暗い海の底に沈んでいたかのようだった。その水底から、あぶくを撒き散ら…

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二色の丸薬

#彼女と宇宙とぼくの話  三つの月がかわりばんこに顔を見せる砂漠の星を歩いている時のこと…

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自我持つ薄桃色のもこもこ

#彼女と宇宙とぼくの話  アンドロメダ銀河の果てに、リブラ星というつまらない田舎星がある。連星の太陽の周りをきっちり48地球時間で公転している忙しない惑星で、つまり一年は2地球日に相当する。盆と正月だけでできたおめでたい星と言えなくもない。そんな太古の、古代の、寂れかけ化石文化を知っているものがいるのかはわからないけれど。  人口は約10人から13人。これは警備員の勤務状態によって変動する。永住者は8人だったが、僕の生まれた時に7人に減った。これはまた後で話そう。星々の運

日暮れの校舎で会えたなら(2/n)

 一本のベルトコンベアを想像してみてほしい。だだっ広い空間に延々と伸びる一本のベルトコン…

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日暮れの校舎で会えたなら(1/n)

 秋の日は釣瓶落としって言うだろう。今日はまさにそれだった。まだ7月なのにさ。絶対時計は1…

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海賊船ニューコメン

#地球保護協会  バーミヤンの大石像は完全に跡形も無くなっていて、かつてそれがあったこと…

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うさぎさんと私

#地球保護協会  私はあなたとは違う。  その呪いの言葉は幾百回、幾千回と神崎希の中で繰り…

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アルファ・ケンタウリより、愛を込めて

 20世紀のはじめ、薄氷に閉ざされたロシアの大地に宇宙人が降り立ったことを知っているだろう…

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