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【連載小説】犬と猫⑥

 二人で遅めの昼食をとり、まったりしていると眠いのか心愛がうとうとしていることに気づいた。

「心愛?眠いの?ちょっと待って」

 心愛の頭を軽く撫でてから後部座席を倒し、寝転べるようにした。

「心愛……横になったら?ブランケットもあるし。」
「うん……」

 僕はトランク側に座ると心愛は奥で横になった。そっと僕に 擦り寄って来て膝を枕にして眠り始めた。心愛の髪を優しく撫でると気持ちいいのか膝にスリスリしてくる。まだ帰るまで時間がある。心愛が起きるまで小説を読みながら待つことにした。小説に集中出来るわけもなく膝にどうしても意識がいってしまう。途中で心愛のカメラが目に入り手を伸ばした。カメラを心愛に向けてみると一枚の絵のようだった。そっとシャッターを押した。

<海で遊んで、お腹いっぱいになったら寝るって子どもかよ。>

 そんなこと思いながら時間がすぎていくのを待った。気がついたらもう夕焼けが綺麗な時間になっていた。そっと心愛を揺すって起こす。

「 心愛……夕焼けが綺麗だよ?」

 軽く伸びると起きてきた。するとトランク側から飛び降りてまた新たに伸びをして 振り返った。

 「雪那!見て!綺麗だよ!」

 振り返った心愛の姿にドキっとした夕焼けに照らされてとても綺麗だった。海風で髪がなびくのを抑えてる姿はとても大人っぽくみえた。心愛に誘われるまま、車から降りて隣に立つ。隣に立つと本当に心愛の小ささに改めて気づく。心愛はこの小さな身体でどれだけの苦労をして来たのだろ。これからは、僕が少しは助けられるだろうか?そんなことを思いながら夕焼けを眺めていた。

「心愛……そろそろ戻ろうか?夕飯も、どこかで食べるでしょ?」
「そうだね。でも寝てたからそこまでお腹空いてないかも。」
「だよな。美味しいラーメンとかどうかな?サービスエリアにおすすめのラーメンがあるんだよ。どう?」
「いいね!行こ!」

 トランクを閉めて、車のドアを開けて心愛を車に乗せてシートベルトの高さを調整をする。シートベルトの高さが高く心愛の首に当たってたことが気になっていた。シートベルトを手で来る時はずっと押さえていた。

「ありがと。シートベルトって調整出来るんだね?」
「そうだよ」

 と答えながら運転席に座る。

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