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元商社マンが創り出す、次世代型ソーシャルビジネス【COOインタビュー】

株式会社クラダシは、社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム「KURADASHI」を運営している会社です。世界の社会課題としても挙げられる”フードロス”を解決すべく事業を展開しています。

今回の記事では、クラダシを支えるメンバー紹介企画の第二弾として、事業提携からプロダクト開発まで幅広く管掌している取締役の河村をご紹介します。大手総合商社から旅行系ベンチャー企業の経験を経て、一体なぜ社会貢献型ビジネスを手掛けるクラダシへ入社を決めたのか。インタビューを通してお届けいたします。

ーまずはじめに、これまでのご経歴について教えてください
両親が台湾出身で、父の兄弟も母の兄弟もみんな貿易関係の事業をしている実業家という家庭で育ちました。起業が身近で、幼い頃から自然と「いつか自分も事業を起こして社長になるんだ」という意識をなんとなく抱いていました。アメリカやマレーシアなど世界で挑戦している親戚たちを身近で見てきたというのが、自分の出発点だったかなと思います。

高校の同級生とインターネット領域で起業したり、大手外資系金融でのインターンを経験したり、留学生の受け入れをする団体で初代スタッフを担ったり、濃密な大学時代を経て、新卒で大手総合商社に入社しました。自分自身も貿易関係のビジネスをやりたいという気持ちが大きかったのが一番の入社理由です。ただ、入社して1,2年は決められた仕事を決められた通りにやる仕事がつまらなく感じて、すぐに会社を辞める気でいました(笑)入社当初からずっと尊敬している上司の元で一緒に働きたいという想いから、北京駐在時代を含め、ズルズルと約8年間その人の元で働いていました(笑)。ビジネスの基礎を作ってくれた商社での経験には本当に感謝しています。

一方で、独立したいという想いが年々強くなっていったこと、更に自分に子供が生まれるタイミングで今辞めなかったら決められたレールを邁進することになるなと思い、新しいチャレンジをすることを決心しました。

ー次のチャレンジで選択した会社は、宿泊予約サイト「Relux」を運営しているLoco Partners。会社の性質も、扱っているものもガラッと変わりますが、なぜ入社を決断をしたのでしょうか。
入社の決め手は、一番予想ができない会社だったからです。他にも内定を頂いていた会社もあったのですが、一番ワクワクしました。合わせて、トラベルドメインはこれから絶対伸びると感じていたというのも大きな決め手の一つです。中国駐在の経験の影響もあって、中国からみた日本、日本から見た日本はそれぞれバイアスがかかっていて、国境の架け橋となるようなビジネスをしたかったんですよね。政府もインバウンドに踏み込もうとしているタイミングでもあって、追い風になりつつありました。ゆくゆく個人で独立した時には、貿易だけではなく旅行も掛けあわせたなにかを提供できるといいなとも考えていました。

商社からベンチャー企業に入社して一番感じたのは「こんなにローカルビジネスが常態化しているなんて!」という戸惑いです。海外の企業との提携など、インバウンドを更に加速させていくための業務をしていましたが、全員グローバル意識を持っている商社とのギャップに慣れるのには少し時間がかかりました。私は0から1を作るよりも、世の中の動きをみてニーズをキャッチして、その先をいくビジネスをするのが自分にとって一番楽しめるのかなと思います。そういう意味では、世の中の仕組みやトレンドを捉えて本質を見抜くスキルは、商社を経験しているからこそ身につけられたと感じています。

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▲Loco Partnersでは、様々なバックグラウンドを持つチームメンバーと刺激し合いながら仕事をしていました。

ーLoco Partnersの経験で印象的だった出来事はありますか?
入社当初は、様々な企業が中国から日本に進出していこうとしているタイミングでした。中国の事業家たちの間で「日本人はお行儀がいいし、 ビジネスがやりやすいぞ」と言われていました。ルールを守りながらもどう工夫していくかがビジネスでは重要だと思いますが、日本人はきちんとルールや段取りを守ることを重視するのでので、中国の人からしたらやりやすいという意味です。グローバルで対等にやっていくためにはもっと強くならないと、と痛感しました。海外との提携を進めていく中で関わってきた中国の若いIT系の事業家とのやりとりも、自分の中で大きな財産になっています。ロジックが全てで、様々な物事が端的に「~~だからこうだよね」という風に話がどんどん進むんです。ああ、物事はこんな簡単に進むのかとびっくりしました。インバウンドが盛り上がっている良い時期に、面白い仕事をさせてもらったなと思っています。

人をリアルにただどこかへ送るのではなく、ITを通じてサービス提供していたというLoco Partnersでの経験は、今の価値観「リアルだけでなく、ITの重要性」に繋がっていると思います。また、商社と比べると世の中への影響範囲は少ないものの、10倍速くらいで仕事が進んでいく感覚が、学生時代の起業当初の感覚を思い出させてくれました。一方でベンチャーにはない大手企業の仕組みのすごさを改めて認識することができたので、両社の経験は本当にかけがいのないものになりました。

ーLoco Partnersでの3年間を経て、次はクラダシへ。そもそも、クラダシとの出会いは何がきっかけだったのでしょうか?
実ははじめての出会いは商社時代に遡ります。中国駐在時にクラダシの代表・関藤に出会いました。その時は飲みに行っただけで、「豪快で魅力的な人だなぁ」くらいの印象で、一緒に働くことになるとは想像していませんでした。その後、産休中だった後輩が働ける場所を探している時に、クラダシが”働くママさんに優しい会社”だったことを思い出して連絡したのがきっかけです。
数年ぶりに再会して、色々と話をしている時に共感して、次の日にはクラダシへの入社を決めました。物事の考え方、本質を見るところが似ていたんですよね。「明るく楽しく元気よく」という言葉を大事にしているのですが、関藤も同じような表現をしていたんです。もう一つ、自分の中のテーマとして、人生を豊かにするには「経済的・時間的・精神的」な自由が揃うことが必要だと考えているのですが、これに関しても同様に語っていたので驚きました。仕事や経営への価値観に互いに深く共感し、決断にいたりました。

フードロスはSDGs的にも世界的に掲げられている課題ですし、世の中のニーズをしっかり捉えています。更に、自分たちが提供しているものが、頑張れば頑張るほど社会がよくなる構造って大義がありますよね。大企業とベンチャー企業の良い面を身を以て経験してきましたが、今いるクラダシは社会情勢をしっかり理解している仲間が集って本質的なビジネス展開をしているので、両方の感覚をバランスよくもつ会社だなと感じています。

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▲商社時代、中国駐在の際に知り合っていた代表の関藤


ークラダシに入社して、今は具体的にどんな業務をおこなっているのでしょうか?
4人目の正社員として2019年に入社してから、取締役として様々な業務全般に携わっています。クラダシを中小企業から、ベンチャー・スタートアップ企業にすべく、去年1年間は資金調達、ピッチ登壇、事業提携周り、システムの全替え、助成金の申請、行政との連携などなど、会社の基盤づくりのために至る所を走り回りました。

クラダシをさらに強くしていくために、必要なピースを埋める仲間集めを行い、今では徐々に新しく入ったメンバーにそれぞれの領域を任せていっています。今まだ不足している、PM・マーケティング・システムエンジニアを担ってくれる仲間を集めきって、本業の事業提携に本腰を入れていきたいなと思っています。そして、将来的には役割的に「何もしない人」にならないといけないと思っています。世の中の変化を捉えて、会社をその方向にドライブさせる舵取りをしたり、ヤバそうなところにリソースを投入していき、会社組織として強い状態にしたいと思っています。

ーこれから自分自身としてやっていきたいこと、また、クラダシとして目指していることはなんでしょうか?
十数年前は貿易関係を考えていましたが、今はもうちょっと広くビジネスを捉えています。
基本的にビジネスはアービトラージだと思っています。安く買って高く売るというビジネスを何で体現するか。それが国の社会格差によって利益が出せるという点で貿易に注目していましたが、時代が変わってきて、貿易を超えるツールとしてインターネットの領域にあって、そこにも面白さを感じています。インターネット領域にはそこまで興味がないと思って学生時代に起業した会社を辞めたときに離れてしまいましたが、時代とともに戻ってきました(笑)この変化は、Loco PartnersでのAPI連携やインターネット領域のto Cのビジネスの経験の影響が大きいかなと思います。


商社でもLoco Partnersでもクラダシでも、得たスキルはどんどん次に生きています。自分の中ではあまり業種や業務内容にこだわりはありません。基本的には役回りの違いなのかなと思っていて、専門分野を持っている人はそれぞれの専門的な人が持ち場を守ればいいし、例えば取締役など全業務を見れないといけない場合は、オールラウンダーであった方が良いと思います。商社では弁護士やコンサルとやりとりしながら、この業務をどうテコ入れしていくかという観点で業務を行っていました。そういう仕事の進め方が好きだし合っていると感じていますが、コーディネート・どの方向性に向かっていくかの舵取りをしていくことに注力し、専門性の高い人たちによりプロフェッショナルな仕事をすることがより重要だと思っています。

今社内にはPdM/システムエンジニアを専門とするメンバーがいないので、凄い技術者のもとで働いて学びたい!という人にとっては、今のクラダシでは良い環境を提供できないかもしれません。しかし、自分の「やってみたい」をそのまま全力で反映させられる環境と予算は準備しているので、今までのスキルや経験を活かして、プロダクトをどう作っていくかを一から一緒に手がけていきたい人には最高の環境だと思います。社会課題の解決に向けて、自分の技術を生かしながらオーナーシップを持ってクラダシに必要なことを考えて作れる人は、ぜひ仲間になってほしいです!

ー最後に一言、記事を読む方へコメントをお願いします。
現在各ポジション積極採用中です!20年11月には新オフィスに移転し、人数も急増中です。クラダシはこれまでにないマーケットを作っていこうとしてる会社で、日本におけるフードロスにおける第一企業としてのポジションを目指しています。今取り扱っている商品は国内のもののみですが、今後は海外展開も視野に入れています。

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課題解決に向けて人のために何かをしたいと思っている人、しっかり自分で汗をかくくらい頭を使える人に仲間になってもらいたいなと思っています。ぜひ一緒にクラダシの世界観を作っていきましょう!


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