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クラダシのフードロス削減事業に関する質問にお答えします

株式会社クラダシでは、SDGsやフードロスへの関心の高まりを受け、教育関係者や学生の皆様から、クラダシにたくさんのお問合せをいただいております。そのためこのたび、授業のお手伝いや、皆さまの卒業研究等のお力になれればと思い、クラダシはこの度学生や教育関係者の皆さまより質問を募集しました。
このnoteでは、そこで寄せられた質問をまとめて答えます。


クラダシに関して

ーーなぜこのような事業を始めようと思ったのですか?

創業の背景には、代表取締役社長CEO 関藤の、2つの原体験があります。 1.阪神淡路大震災で被災し、一人の力の限界を感じたこと
2.商社時代に中国駐在し、大量生産大量廃棄を目の当たりにしたこと

詳細は以下クラダシ公式noteをご確認ください。

ーー株式会社クラダシの設立、また「Kuradashi」のローンチはいつですか?

クラダシの設立は2014年7月、Kuradashiのローンチは2015年2月です。

ーー企業(ビジネス)だからこそできる、非営利の社会貢献団体や活動との違いや強みは何でしょうか?

「持続可能な取り組みができること」が大きな違いだと考えています。
社会課題を解決するには継続した活動が必要です。ビジネスとして展開することで、更なる課題解決に向けた事業拡大の再投資などスピーディーに意思決定することができ、持続的にフードロス問題の解決に貢献できるということが強みだと思います。
また、ビジネスとして展開することで、食品関連事業者に限らず、他業種の方々とも広く多様な連携が可能となります。

ーー活動をする上での現在の課題、困難はありますか?

フードロス問題に対する認知がまだまだ足りていないと感じています。
消費者の手元に届く前に廃棄に至る商品も多くあり、そもそもフードロスとは何なのか、なぜ発生してしまうのか十分に知られていないのが現状です。
弊社が運営しているソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を通じてお得にお買い物を楽しんでいただくだけではなく、より多くのフードロスを減らすこと、より多くの方にフードロスについて知ってもらうことが根源的な課題だと認識しています。

ーー最近フードロス削減の話題をよく目にしますが、それに伴いフードロスを削減したいという取引先が増えている等、感覚としてメーカーの商慣習への意識は変わってきていますか?

2019年に「食品ロス削減推進法」が制定されたことや SDGsの普及に伴い、フードロス問題を解決するために事業者も取り組みを推進する必要があり、多くの企業は取り組みを進めています。
以前は、ご担当の方からはクラダシのビジネスモデルに理解を得られるものの、企業としての取り組みに発展するまでにとても時間がかかっていたのが少しずつスムーズに進むようになってきたことなどから、意識が変わっているという感覚があります。
また、Kuradashiに出品してくださっているメーカー数も増加しており、フードロスの削減に取り組む食品関連事業者やメーカーが増加していると感じます。

ーーフードロスを減らすためには、商慣習や規格といったものを変えていかなければ根本の解決は難しいのではと考えていますが、これらを変えるためには日本社会全体としてどのようなことが必要になると考えますか?

商慣習も、根本理由をたどっていくと、例えば「賞味期限が長いもの(より直近に製造されたもの)」を好み、店頭で陳列されている商品を「手前からではなく後ろから取る」というような、消費者の消費行動に起因しています。
フードロス問題に対する認知が広がり、日本全体として寛容性が高まっていけば、フードロス問題は解決に向かうと考えています。

ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」に関して

ーーKuradashiの商品の出品者はどのように集めているんですか?

主に以下の2つのパターンがございます。
①企業側から依頼をいただく
クラダシの理念に共感してくださった企業やフードロスにお困りの企業からご連絡をいただきます。
②当社から企業にご連絡をする
クラダシと親和性のある企業にフードロスについて課題を抱えていないか、お問い合わせさせていただきます。

昨今、メディアでクラダシを取り上げていただく機会が増えたことにより、①の企業からお問い合わせをいただくパターンが増えています。

ーーなぜ手頃な値段で販売できているんですか?

3分の1ルール※や、季節商品など、通常の流通ルートでの販売が難しくなり、廃棄予定であった商品を、フードロス削減に賛同するメーカーより協賛価格で提供いただくことで、定価よりもお得に販売できています。
※3分の1ルール:商品の製造から賞味期限までの最初の3分の1を過ぎると納品できなくなるという商慣習

ーー利益と社会性の2つを両立させるための工夫や大変なことは何ですか?

当社は設立当初から利益と社会課題の両立を掲げているため、当社の売り上げが上がれば支援も増えるような仕組みになっています。そのため、基本的には両立していけるようなビジネスモデルであると言えます。ただ、日本の食品メーカーは2.5万社あるなかで、現時点で当社に出品していただいている企業は1400社と、ブランド毀損を気にして出品をためらう企業も少なくありません。
今後は、より多くの企業に出品していただけるよう、フードロスに対する消費者の意識変革や、メディアを通じたフードロス削減のための啓発活動に尽力していきたいと考えております。

ーー商品は、クラダシの倉庫に保管してから販売していますか?

物流については、主に以下の2つのパターンがございます。
⒈ クラダシ倉庫から出荷
⒉ 産地直産
※鮮度が大切な商品を取り扱う場合かつ自社で発送手配が可能な場合は、食品生産者の方から直接発送するなど、事業者や対象商品の状況に応じて最適な方法を提案しています。
※いずれの方法においても、安心して消費者の方に楽しんでいただけるよう、常温・冷蔵・冷凍に対応しております。

ーーKuradashiの顧客ターゲットは? また、実際のお客様はどのような属性でしょうか?

メインターゲット層は、フードロスをはじめとする社会問題に関心の高い「エシカル消費者」と呼ばれる方々を中心としながら、 今まで関心が薄かった方々も身近に社会問題に関心を持ち、誰もが参画できるサービスを目指しています。
2023年6月30日時点の主な顧客層は、30~50代の女性です。
「Kuradashi」会員データ
・性別 男性 (33%) 女性 (67%)
・年齢 30代(17%) 40代(26%) 50代(28%)

ーーKuradashiでは、どのような商品が一番売れていますか?

商品の入れ替わりが早いため、人気商品は時期によって様々ですが、カテゴリ別、食品の人気ランキングは下記の通りとなっております。
※2022年2月時点
【カテゴリ別人気ランキング】
1位:食品、2位:美容・健康、3位:スイーツ・お菓子、4位:飲料、
5位:お酒、6位:日用品

【食品の人気ランキング】
1位:インスタント・レトルト・冷凍食品、2位:肉類、
3位:みそ汁・スープ、4位:魚・肉類、5位:調味料、6位:野菜・果物、
7位:おつまみ・珍味

ーーKuradashiサイトで販売していたが、売れ残ってしまった商品はどうしていますか?

Kuradashi上での販売価格を調整(値上げ、値下げ)して最適に流通させ、
基本的には全て賞味期限内に売り切るようにしています。

ーー1商品当たりの量が多いですが、小分けして販売する予定はありますか?

現在、2023年5月下旬に「たまプラーザテラス」にオープンした常設店舗にて、個別販売を行っています。
Kuradashiサイトでの1ロット当たりの数量は、価格・配送などを考慮して
設定していますが、今後、データを活用し、より小さいロットでの販売なども検討していきたいと考えています。

ーーECサイトと店舗の両方で販売されている理由は何ですか?

当社は、ECサイトをメインに販売しておりますが、フードロスについて
知らない人や当社のサイトを訪れない層にもリーチするため、初の常設店舗を2023年5月下旬に「たまプラーザ テラス」にオープンしました。今後はECサイトだけでなく、店舗からの売上も伸ばすとともに、より「Kuradashi」やフードロスという課題についての認知を向上させていきたいと考えています。

ーー支援について、海外、医療、動物保護といったように多岐にわたって
いますが、具体的にどのような支援をしているのでしょうか。

ECサイトや店舗での売上の一部を支援先に寄付しています。また、当社では、品質に問題がないにもかかわらず、包装の傷みなどで市場に流通できなくなった食品などをフードバンク(※)にマッチングする「フードバンク支援事業」も行っています。
※フードバンク:品質に問題がないにもかかわらず市場で流通できなくなった食品を、企業から寄付を受け生活困窮者などに配給する活動、およびその活動を行う団体。

詳細は以下URLからご確認いただけます。

ーー出品商品の内訳・季節によって出品が増える商品はどんなものがありますか?また、外食産業(製造業・卸・小売り)に進出していない理由は何ですか?

決算前に在庫をはけさせたいとのニーズから、通常は日本企業の期末が多い3月と12月に商品量が増加します。おせちやクリスマスなどの季節は季節商品のロスになりやすい傾向にあります。また、外食産業は消費期限のため、オンラインで販売するとマッチングの時点で期限切れになることが多くなっています。そのため、TABETEとの連携や、「KISARAZU CONCEPT STORE」や100本のスプーンなどでの「もったいない食材」を活用したカフェメニューの提供廃棄直前の食材を救っています。

ーーB Corp認証を取得する際に、何か意識したことはありますか?

もともと企業の経営方針にソーシャルグッドなポイントが盛り込まれていたことや、事業として成果を出しつつフードロスを削減していくことが経営層のコミットメントであり、ゴールでもあったことから、B Corp認証取得時に特に意識したことはありません。また、社員に対するエンゲージメント、教育についても「B Corp」認証を行う以前からスタートアップとして成長していく為に仕組み作りを行っていたので何かを大きく変えたということはありませんでした。ただ、取り組みが明文化されていなかった部分については評価を受けていく中でしっかり明文化を行いました。
また、B Corpでは、すべてのステークホルダーに対する利益へのコミットメントが求められる為、社会や環境問題だけでなく、弊社の場合は株主を含めた経済的な利益も追及していくことを意識しました。

その他

ーー購入する際に、購入者側が支援先を複数から1つ選べるようになってますが、支援先として選ばれているいちばん多い支援先はどこですか?

当社ホームページの「支援レポート」からご確認ください。https://kuradashi.jp/pages/report

ーー論文や授業の発表でクラダシのロゴを使用して良いですか?

使用いただいて問題ございません。プレスキットよりダウンロードお願いします。
https://corp.kuradashi.jp/presskit/

ーークラダシチャレンジに参加したいのですがどうしたら良いですか?

社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」の募集には、基本的に求人情報ウェブサイト「Wantedly」を使っております。興味がございましたら、下記ページよりご応募ください。
なお、クラダシチャレンジを開催していない時期は、すぐのご案内ができないこともございますことをご了承ください。
▼Wantedly募集ページ(※ご応募にはWantedlyのアカウントが必要です)

その他、Instagramでも募集情報を随時発信しています。
過去のクラダシチャレンジの活動や現地の様子がわかるような投稿も行っていますので、興味のある方はぜひ下記アカウントページをご覧ください。

▼「クラダシチャレンジ」Instagramアカウント
https://www.instagram.com/kuradashi_challenge/?hl=hu

この他にも、クラダシに対してご質問がございましたら下記までご連絡ください。なお、当社では、学生や教育関係者の皆様に対し、フードロスやクラダシの事業に関する疑問にお答えする機会を設けております。
次回は4月上旬実施予定です。

▼お問い合わせ先
https://forms.gle/DJ7sEqJex5C4S2yS8


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