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これから「相続アドバザー3級」を受験される方にお伝えしておきたい3つのこと

1.専門的な法律用語がたくさん出てくるので、さらっと読むだけでは理解しにくい

 

 私の経験上まず、相続ではなく「年金アドバイザー3級」の場合は、
過去に実際に出題された問題集とその解説である「年金アドバイザー3級 問題解説集」と「年金アドバイザー3級 直前整理70」の2冊が手元にあれば、合格できます。
 問題文や解説を読んでいても、理解できないとか、そもそも用語の意味がわからなくて読み進めることができない、という事態はほとんど起こりませんでした。
 また、ややわかりづらいなとか、もっと掘り下げて理解したいという時には「シモムー」(さん)という方がブログやYouTubeで、わかりやすい解説や有益なテクニックを提供してくださっていたので、とても助かりました。

 一方で、「相続アドバザー3級」の場合はどうかというと、そもそも有益なテキストである「直前整理70」が、存在しません。そこで仕方なく、「公式テキスト 相続アドバイザー3級」を購入して
「相続アドバイザー3級 問題解説集」と併用したわけですが、この「公式テキスト」の記述がとにかく難しくて読みにくかったです。
 最終ページを見ると、5名の弁護士が執筆協力をしていることが確認できます。テキストの本文は
「法律の専門家が、法律の素養の無い初学者に対して、何の配慮も無く書いている」といった印象を受けました。法学部出身の私が読んでも、民法の専門書を読んでいるような感覚です。

(具体的な記述の例)
・根抵当権とは、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保する抵当権である
・遺言代用信託や受益者連続型信託によっても遺留分制度を潜脱することはできないとの裁判例もあり、注意しなければならない
・遺留分とは、相続人のために法律上留保されるべき相続財産の割合をいう

 いかがですか?
さらっと読んでみて、すっと頭に入ってきますか?
「何を言っているのか、わからない」「潜脱って、何?」「法律上留保されるべきって、どういうこと?」
などなど、テキストを読んでいる途中で、引っかかってしまう箇所がやたらと多いのです。

 たとえば「FP技能士2級」用だったら、複数の出版社や予備校が出している様々な種類のテキストが存在していて、具体例を用いたり、図で示したり、易しい表現に言い換えたり、と
「なんとか理解してもらおうという工夫」が見られるものですが、相続アドバイザー3級の公式テキストには、それがありません。
 かと言って、年金アドバイザー3級における「シモムー」(さん)のような有益な情報提供をされている方を見つけることもできませんでした。

 結果、テキストの記述や過去問の解説を読んでいて引っかかる箇所・法律用語の意味・理解しづらい制度などについては、その都度、自分で調べなければならないという手間が発生しました。
 ハラに落とす、記憶に定着させるという意味においては有効であったものの、当初想定していた以上に時間がかかってしまい、決して効率が良かったとは思えません。

 さらに言うと、「公式テキスト 相続アドバイザー3級」には、巻末に索引がありません。なので、確認したい項目から掲載の該当ページに飛ぶ、という作業が不可能です。
これは、テキストとして致命的な弱点だと思いました。


2.まずは、最新の判例情報と、改正された法律や制度について把握しておくべき

 

 これらについては、過去に実際に出題された問題集とその解説である
「相続アドバイザー3級 問題解説集」の冒頭部分、「学習のポイント」に引き続いて掲載されておりますので、過去問にとりかかる前に必ず押さえておきましょう。

相続アドバイザー3級の出題範囲は、大きく分けると4つの分野があります。

第1章:相続の基礎知識
第2章:相続と金融実務
第3章:相続税の基礎知識
第4章:相続と周辺知識

 第1章・第3章・第4章の内容は、「FP技能士2級」や「年金アドバイザー3級」など、他の試験で既に勉強していれば、重なる部分もあります。
 一方で、第2章の内容は、相続アドバイザー3級独特の分野だと言えます。
 また、第2章:相続と金融実務 の分野は、法律では具体的に規定されていないことも多く、実務上、判例で示された判断にもとづいて対応されています。
 なので、裁判所の判決によって新しい考え方が示されたり、以前に示された判例を変更されたりした場合には実務上の対応が変わることになるため、最新の判例情報とその内容を把握しておくことは必須となります。

 「FP技能士2級」や「年金アドバイザー3級」など、他の試験でも同様ですが、法律の改正や新しくできた制度については頻出項目ですので、整理して理解しておく必要があります。


3.受験の本番では、見たことも無いような問題が出題される

 

 相続アドバイザー3級試験の出題範囲は、年金アドバイザー3級と比べると相当広いと言えます。
 また、相続アドバイザー3級試験は過去の実施回数が少ないらしく、問題がまだまだ出尽くしていないという状況らしいです。

 ということは、過去問では見たことも無いような問題が、受験の本番で毎回出題されるということになります。実際に私が受験した2021年3月実施の試験でも、そのような出題が数問ありました。
 「べつに満点を目指しているわけではないのだから、関係ない」「6割正解すれば合格できるのだから、そんな問題は捨てればいい」といった声が聞こえてきそうです。
 
 ここで私が何をお伝えしたいのかというと、過去問をやってみて、50問中30問正解できるようになったから合格レベルに達したと認識するのは危険だ、ということです。
 全50問のうち5~6問は初めて見るような問題が出ると仮定しておいて、残りの44~45問で7割正解できるレベルを目指して勉強していくことをオススメします。

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