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ドラマ「空飛ぶ広報室」【最終話までの感想】大好きなものがあればそれだけでいい

7話からもいろいろあった。むしろ更にと言った方がいいかもしれない。

7話ではメディック、航空救難団の救難員の話だ。実際、じぶんも初めて聞く名称だ。名称は初めてだが、今までも様々な場所で活躍した人達なんだということはわかる。本当に知らないことが多いんだなと思うと同時に、知ることができるのがなんだかうれしかった。

そして、なんと鈴木亮平さんの出演。ドラマ「TOKYO MER」の映画版の告知が最近あったからか、今回の役回りがそのドラマと似ていたのもあって少し驚いた。こういう役、本当に似合う。

そして、鷺坂室長の亡くなった奥さんの話だ。この時の稲葉だからこそ聞けた話かもしれない。彼は奥さんの最後を看取ることはできなかったが、最後はお互い笑顔で別れたことは良かったという。かつて室長が言っていた言葉が染みてくる。

8話では、7話でボツになったPVの変わりに新たなPVを作るという話だ。撮るのはドキュメンタリー風PVで、かつて空井と浜松基地で基礎課程をともに受けたことがあり、少し彼といい仲だったみたいな女性整備員の秋恵(南明奈)がそのPVの主役に選ばれた。もし恋愛メインのドラマだと、嫉妬と誤解ですれ違いとかありそうだが、そんなものはなく、空井と稲葉の仲がむしろちょっとだけ(kiss)進展したかな、というところだ。

さて、問題の9話。ここで先のPVが帝都テレビの報道番組で捏造だと言われてからがもう大変。広報室からもテレビ局に抗議をするがなしのつぶて。空井も稲葉もそれぞれが抵抗をするもののうまくいかない。二人の問題では終わらない。稲葉の行動が熱が入り過ぎてしまったのもあり、かえって仇になって、稲葉が広報室の担当から外されてしまうことになる。個人で何を言っても、局の方針はあくまでは変わらなかった、それに反発するなら・・ということだろうか。

ここで稲葉の抗議が通らなかったのは見ていても悔しいし、やるせなかった。だが、ここで通ったら逆にうまくいきすぎてリアリティを感じなかったかもしれない。抗議が通らなかったこと自体ががいいとか悪いとかは置いておいて、やっぱり会社という組織ってこういうもんだよなと思わされた。人と人、例えば稲葉と空井、あるいはテレビ局の1セクションと広報室自体は理解し合っていても、テレビ局という組織と航空自衛隊という組織が通じ合えるとは限らないのだ。

そして、稲葉が担当を外され、空井とも離れたまま半年が過ぎたのが10話。
以前ドラマの撮影で知り合った人気俳優キリ―(桐谷健太)が空井と再会し、ブルーインパルスに乗りたいと言い出したことで広報室とテレビ局との関係がまた近づく。そんな中、鷺坂室長の退官の日が迫ってくるのだが、突然広報室にDVDが送られてきた。室長へのビデオレターだ。送り主は「因幡の白兎」=稲葉からだった。

だが、彼女が画面に出てきたり話をするものではなく、今までの広報室の密着取材の時に彼女自身が撮影していた映像を編集したものだった。室長からしたら何よりの贈り物だっただろう。稲葉視点での広報室の思い出がいっぱい詰まっているからだ。室長じゃないが、室長のように嬉しい気持ちになって思わず涙が出た・・。

最後に、松島基地でブルーインパルスを空井と稲葉が二人で見るシーン、さらに室長の退官のシーンはどちらも静かに印象的なシーンだ。そして2011年の3月11日の日を迎える・・、というところでの次が最終話になる。

最終話は震災から2年後の話になる。ここからはドラマとしては特殊で、航空自衛隊とそれを追う取材者視点での、ほぼドキュメンタリーのように感じた。空井たちの恋愛模様は本編でしっかり描かれているからそちらに任せるとして、この形での描写、とてもいいと思った。登場人物は架空の存在かもしれない。ただ、震災後の出来事に関してはドラマ的脚色はあるにせよ、現実のものばかりだろうからだ。

現在、2022年。震災から10年以上も経っている。あの震災も過去の出来事のようになってる気がしてしまっている。だが、このドラマでまた思い起こさせてくれたことをありがたく受け止めたい。「空飛ぶ広報室」は震災をメインテーマにしている作品ではないが、テーマに盛り込んだことの意義も少なからずあるように思う。そういう意味でも、ドラマっていいもんだなあと思う。そして、大げさじゃなく、前向きに生きようと思える存在だと改めて感じた。(ドラマ全体のテーマから)

それは何もドラマじゃなくてもいい。衣食住のほかに、大好きだと思えるものの存在があれば、きっとそれでいい。それだけでいい。


追伸:
ああ、ブルーインパルス、見たい・・・・・。
(キリーのように乗れるなら乗りたいがそれは無理だろう)

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