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Back to the late 90’s 第11話 ラスト・エンペラー

高槻市内にあったコースケの父親が師範代をつとめる空手道場でのHIPHOPパーティー(通称『道場ナイト』)は、DJやダンスショウケースなどがあり、私もDJで参加した。今思えば人前でちゃんとDJしたのは、この『道場ナイト』が初めてだった。


出演者は、ダンスショウケースにコースケ所属のB-MAX、DJは関西外大のイベントで一緒だったシンヤ、あと決別したヒデもいたかな?


第8話で書いたBOB'S BARのイベント『Very Special』に遊びに来てくれたオーディエンスの中に同い年の関西外大生タカシがいた。そのタカシがHIPHOPダンサーのブンちゃんとラッパーのヒロ君を連れて一緒に『道場ナイト』へ来てくれた。

ブンちゃん(写真右)。
これは2014年に再会した時かな。

私より4歳年上のヒロ君は、モード学園時代の仲間4人で結成したHIPHOPグループ『LAST EMPEROR』を結成。そのステージ・パフォーマンスは圧巻だった。まるで「大阪のWU-TANG CLAN」と言うべき立ち振舞い。どこまでも黒くてドープ!見た目もイカツくて迫力満点だった。それに元々彼等は上記の通りモード学園出身なので、ステージ衣装は自分達で作っていたと言うのだから、これまた驚きだ。今となれば知る人ぞ知る存在となってしまったLAST EMPERORだが、90年代後半のアンダーグラウンドな関西HIPHOP界においても、その存在は、ひと際目立っていた。


残念ながら、私の手元に彼等の音源がないので、紹介できないのは、とても残念だが、ヒロ君がアーティスト名『HIRO-POUND』と名乗る以前の『BUDDHA CHILD』名義のソロ作品『言葉嬲』は、カセットテープで今も大切に所有している。リリックは所謂“下ネタ”ではあるものの、LAST EMPEROR時代の黒光りした作風を継承した仕上がりとなっている。またこの作品のリミックスがアメリカのR&BグループNEW EDITION『Mr. Telephoneman』ネタで、こちらも、とても良い仕上がりだ。

『言葉嬲』のシングル・カセット


19歳の私からすれば、当時23歳だったヒロ君は貫禄とオーラがあり、その人柄に魅せられていった。この後、私が大阪のHIPHOPシーンで活動していく上にあたり、何かにつけて行動を共にさせてもらい、色々とお世話になった。本当に感謝以外の台詞が出てこない良き兄貴分、良き先輩だ。


残念ながら今は関西を離れてしまったが、地元へ戻り、多くの従業員を束ね、経営者として手腕を発揮されている。またいつの日かHIPHOPの世界に戻られLAST EMPERORが復活する事があれば、その時は是非ともご一緒したい。

つづく……

ヒロ君(写真右)。
ヒロ君が関西を離れる際に、送別パーティーをした時のツーショット写真。
送別パーティーで、似顔絵を描かせてもらった。

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