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マーケティングは経営の大きな部分を占めるけど、それでも一部に過ぎなかった話。

久能@経営コーチです。昨日の記事でマーケティングだけやってても儲からないよと書きました。今日はその続き、というか結論めいたことを書きます。昨日の記事はこれ↓

マーケティングのコンサルしてると出てくる「クライアントが分かってない」という愚痴

中国でのECコンサル時代。双十一(ダブルイレブン)と呼ばれる大セールの1ヶ月前。ここで◯◯万元広告に突っ込めば3倍の売上になって返ってくる!と確信した僕のチームはクライアントにそう提案しました。説得の材料は十分ありました。
・次店舗の売上上昇トレンド
・過去データから見るセール時の売上伸び率
・モール全体の商品別の売れ行き動向
・非公式に手に入れた他ブランドの広告投資額
・モール内部の担当者のコメント
などなど。

クライアント側の担当者も理解を示し、上奏するので1日待ってくれ、と。僕たちは通らないはずがないと思っていたので余裕シャクシャクで返事を待っていました。

結果は・・・却下。😣

広告打つのはやぶさかではないが大幅に減額した数字を提示され、ここまでなら自由に使ってくれたまえ、と。

僕のチームではあの会社はマーケティング、ECが分かっているのだろうか?と憤慨する声が次々と上がったのは言うまでもありません。。

経営判断により売らないこともある

のちにもそのクライアントとの間では同じようなことがよく起こりました。こちらは「これやれば売れるよ!」と確信持って提案するのに煮え切らない返事・・・。大きく減額されるプロジェクト予算規模・・・。その度に分かってないよなーとグチグチ言ってたわけですが、今思えばそれが経営判断だったのだと思うわけです。

というのも、売上を急激に増加するというのは、リスク要因にもなるのです。在庫が足りるかという基本的な問題に加え、物流システムは急激な増減に耐えられないこともありえます。中国ならなおさら。海外現地法人なのであらゆる部門で経験のある人材は限られていて、業務増加を吸収できる余力があるのか?という判断もせねばなりません。

また、急激に増えたものは急激に減ることもあり、それはリスク以外の何物でもないですよね。急増した販売に合わせて在庫を積み、急に売れなくなって大量に余る、というのはEC業界ではよくあることです。それで潰れる例もよく見てきました・・・。

そう、経営でいちばん(に近いくらい)大事なのは潰さないということなので、そういうリスクも全て織り込んで「売らない」「急成長しない」という判断は、まさに高度な経営判断としては大いにあり得るのですね。

経営は総合格闘技(いわばマーケは必殺パンチ)

僕の師匠たる西田さんがよく言う言葉ですが、経営は総合格闘技。ひとつの技だけ磨いてもずっと勝ち続けることはできないし、マーケティングというオフェンスだけでは潰されるのも早い。財務や人事、業務部門も見て、その鋭いマーケティング施策をここで放つべきなのか?を判断するのが経営の役割なわけです。

パンチだけいくら強力でも、ディフェンスがおろそかになっていたらサクっと倒されちゃうかもですからね。

ただ、経営そのものの考え方にも違いがあって、日本企業はとにかく潰れないように、細く長くを志向する傾向があると思いますが、中国企業はとにかく市場シェアを取る。お金は調達してひたすら燃やすように投資する。という傾向が強いです。なので上で見たような場面なら、お金借りられるだけ借りまくって在庫積みに積んで広告も押さえられるだけ押さえろ!となります。

それで仮に失敗して事業が潰れても、それはそれまでなのです。経営者保証のついていない(銀行借り入れでなくて)投資家からの資金であれば責任を追求されることもないですし。それもまた、経営思想に従属したマーケティング施策だと言えるわけです。

マーケティングの限界を知り、経営を少しずつ学び始めた

というような経緯で、マーケティングだけじゃ事業はよくならないし、経営をもっと知らないとマーケティングの力も発揮しにくいね、と学びはじめたわけです。

ま、長くなったので自分語りはやめておきますが・・・それで最終的に出会った、僕が思うパーフェクトな経営システムのパッケージ(セット)がEOS®なのです。最後に宣伝乙。笑

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