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結んだ縁だから

同い年のパパと結婚して早いもので来年は銀婚式を迎えるなんて感慨深い。一人娘も就職して2年目でやっと肩の荷が降りたかなと言う矢先その時は突然やって来た。パパが仕事を辞めると言い出した
まだ50歳にもなってませんよ!せめて後10年では?と正直、冷静に聞く事が出来なかった
予想もしない事態に怒りと涙が一気に溢れ出る
パパは至って冷静で淡々と語った。後10年を何も変わらない人生にしたくないと。定年に縛られるのは真っ平御免だと。これがよその旦那様ならすごい行動力で誰でも出来る事ではないと称えたかもしれないが私はそんなに出来た嫁でもなく母への思いと同様に安全地帯を崩したくなかったそれだけだった。お前も自分の人生だから自分の意思で決めろと一見身勝手だとも思ったがやはり今の今まで私はパパの元で依存し過ぎてたのではないかと思うのだった。
それでも姉や友人は家庭を支えて来たのだからもっと堂々としていいと言ってくれたけど私の中に少なくとも依存してきた自覚があったからこそ落ち込んでしまった。パパは意思が強いから、いつでも勇気と覚悟だとおっしゃる。以前はウチのパパさんは哲学的で面倒で怖い存在だったが今は私がただの無知だったと気付く。普通はとかよその家庭はとか自分の意見なんてあるように見せかけて空っぽだった。
だから今noteを使って自分の心を取り戻そうとしているのだから。
パパはこの先の人生の選択の中に介護の道を選んだ
そんなパパを思って書いてみた

知らなかった
知ろうともしなかった
夫婦の年輪重ねるも
その半分はスカスカだった
裸の王様なんかじゃなかったな
駄々っ子 抱っこは私のほうで
少しずつ。少しずつ。
水分補給を繰り返し
樹木の茎が太くなり
スカスカだった年輪が
なんとか締まってきたようで
やっと土台が出来たかな


守ってるつもりで守られて思っているより思われるなんて事は良くある事で余白が無いと気付かない。慌ただしい日常では他人を思いやる余裕も無いものだから真ん中ばかりで陣取りしてるようなもの。そうしているとほんとうに大切な物が分からなくなるんだなとパパを見て感じる。
パパは後悔も言い訳も年のせいにもしない
完璧な人間はいないだろうけど自分だけには嘘をつきたくないのだとおっしゃった
ただ少しパパの人生の中に寄り添う気持ちがあってくれたら嬉しいのですが。

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