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【英語】外務省で「英語が上手い」と言われていた私の英語が上達し始めたきっかけ  

中学生の私は、流暢に英語を話す「ベストヒットUSA」の小林克也さんに憧れていました。英語が上手くなりたくて、千葉の中学では英語部に入部しました。

中2で親が転勤になり、海外でインターナショナルスクールに転入しました。英語が出来ない生徒のためのESLで集中的に英語の授業を受け、高校卒業まで英語で教育を受けたことになります。大学で日本に戻りました。

自分の英語に最も自信があったのは、社会人に成り立てくらいです。大学時代はアルバイトで社会人の英語専修クラスを受け持ち、学生国際会議でプリンストン、ニューヨーク、カナダのビクトリアに遠征しました。

約30年間、途切れることなく仕事で英語を使い続けて、通訳を務め、アメリカ政府内で英語で仕事をし、アメリカの大学院に行きました。外務省でのアメリカ勤務は累計10年となりました。確実に若い頃より英語力がついている今は逆に、自分の英語はそれほど?と思うようになりました。自分の非ネイティブ特有の過ちにも気づくし、自分の文法の弱みも、話し方の癖や訛りも分かります。

それでも私の英語は外務省でも、帰国子女仲間の間でも、外資系コミュニティでもありがたいことに「上手い」と定評があります。
アメリカ人部下達には英語でのメールの書き方から、ものの伝え方や効果的な表現の仕方を教えてきました。でもこれって、東大卒の外務省の1年生に社会人のメールの書き方を教えるようなものですよね。
ネイティブ文系部下には必ず私の文章を確認してもらいました。採用する時は、社会科学系の候補で文章作成能力が高い人を探しました。「良いと思います、ただちょっとここだけ」と遠慮がちに言われるその「ちょっと」の文法の違いでニュアンスが変わります。今なら生成AIにその役目を果たしてもらえると思います。

英語上達法に近道はないけど心がけ次第で変わる

「どうやったら英語がうまくなりますか」という挨拶代わりの質問にはこう答えていました。

  • 読みやすい英語の本をたくさん読む

  • 英語で日記をつける

  • 映画やドラマに英語字幕をつけて観る

地道すぎてこれを実践した人はいないでしょう。

もうちょっと本気にどうかしたいと思っている人には、こんなアドバイスを言う様になりました。「ながら作業」や「ついで作業」で英語学習を習慣化させてしまうのです。

  • 仕事の資料を英語でしっかり読んで分からない単語を調べる。

  • 丁寧に読むものと斜め読みする文章を分けて英語力を底上げする。

  • まわりの(文章作成力の高い)ネイティブの文章をコピペして流用する。

  • 自分の使おうとする単語や表現に確信が持てない時はネット検索で確認する。

  • 自分が書く大事な長めの文章は日本語同様に、必ず誰かに確認してもらう。

運動不足の人が生活の中で歩数を稼いでなるべく階段を使う、というのと同じく日々の心がけで力が付いてくると思います。

英語力が劇的に伸び始めたきっかけは心意気

自分の場合は心がけよりも先に心意気で変わりました。

中学2年で転校した時から和英と英和の緑色と茶色の辞書はいつも机の上に置いてありました。高校に進むと段々と英和を引いてもその対訳の熟語の意味が分からなくなってはきていました。

高2になってからの国際バカロレアのネイティブ向けの世界文学の授業でも、辞書をめくってました。その時に、先生が「どうして辞書なんかを使っているの!もう使うべきではないでしょう!」と私に目を向けました。厳しくて有名な先生は、大学の教養課程並みの文学論を生徒に要求します。決して機嫌や感情にかまけて怒鳴ったりはしません。

悔し涙が出そうになりました。自分はネイティブでもないし、英語で授業を受け始めて3年なのに、なぜ先生はそんなことを言うのだろう。この授業はついていくのに必死で、大量に与えられる読書課題は日本語訳で読んでも追いつかないというのに。
英語という大海原ですがっていた<辞書>という浮き輪を手放せ、と言われたようでした。

でもそれが腹を括った大きなきっかけとなりました。いつまでも「私はネイティブじゃないんです。学校で以外英語に触れることはないんです」という言い訳を使えない、ことを悟りました。もうこのクラスの一員として胸を張って英語を使うしかない。

英英辞典に慣れてくると、英語での文章の組み立てがより正確になり、言葉のニュアンスの解像度が上がりました。でも辞書よりも何よりも、自分の中での覚悟と心意気の変化が生じたことがその後の英語力に寄与するのが大きかったです。

逃げ腰にならずに、英語と向き合ったことが初めの一歩でした。

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