見出し画像

ネイティブの英語が聞き取れなくても良い【元外交官のグローバルキャリア】

英語ネイティブと英語で話している時に、聞き取れなかったり、相手が言っていることがわからないことってありませんか。分からなくても大丈夫です。聞き返しましょう。

怯むことはないです。こちらが分かるように相手に伝えてもらいましょう。分からない英語を使う相手が悪いのです。

<英語を母語とする人は国際英語を会得すべきとする英語のウェブ記事>
This points to a very real danger that native English speakers, especially those who never mastered another language, risk missing out on business opportunities – whether in the form of contracts, idea development, job opportunities and the like - due to a basic lack of understanding of what international English communication entails.

Reflecting on the difficulties others may have in understanding our English may well be a good start to becoming a better member of the international community. And a more attractive business partner too.

↓    

大事なことであれば、こちらが分かるまで言い直してもらいましょう。Could you say that again? もう一度言ってください。Can you slow down? ゆっくりと話してください。必要であれば紙に書いてもらいましょう。Do you mind writing it down?

国際的な英語で話してください

商社に勤務した父は40年前、イギリスに長期出張をしていました。出張先でイギリス人の現地法人の社長とやり合った時に「Use international English! 国際的な英語を使え」、と言ったという武勇伝を聞きました。英語がまだできない中学生の私は国際的な英語ってなんだ?という疑問と共に記憶に染み付きました。うちの父は日本語訛りがとても強い英語を話します。聞き取りもそんなに得意ではないです。

その父とうちのアメリカ人の夫が二人で晩酌していると英語が噛み合わないことがあります。南部訛りのアメリカ人の夫は、江戸っ子みたいに余計な単語が沢山入ります。 「So whatcha been up to today?」横から私は「教科書英語を使ったら? How about you use text book English? 」と夫に囁きます。うーん、と考え込んで、「How was your day, Dad? 」と言い換えます。最初からそう言え、と言いたいところです。

お国訛りで分からない?

FOX TVの記事によると、海外旅行中に通じにくいアメリカの地方の訛りの第一はロードアイランドとメイン州のものでした。ハリウッド映画で聴き慣れているはずのニューヨークのアクセントも聞き取りにくいです。夫の出身のルイジアナも5位に入っていました。

日本語でも「やさしい日本語」が行政で使われています。外国人に分かりやすい日本語は敬語を省いて、主語述語とですます調が良いです。秋田の人が、「ハワイでは日本語が通じると聞いていたから、お店の人に『「んだ、べって方!』」と言っても通ずなかった。」と言ってました。「べって」が「小さい」だとは、言われるまで日本の私だって分かりません。

分かるまで「わかりません」を繰り返す

アメリカの大学院の「防衛分析」の授業が終わりかかったところで、アメリカ人の友人のケリーが教授に質問をしました。教授は講義を終え、教室が雑然としている中、ケリーは着席したままで教授が板書であの手この手で説明を繰り返します。それが数式だったのか、私自身はその中身を理解していたかも覚えていないのですが、ケリーの堂々とした「まだ分からない」という態度と教授が申し訳なさそうに「You still don’t understand? 」という姿が脳裏に焼き付きました。まるで上司に「言っている意味が分からない」と言われて説明を繰り返しているかの如くの光景でした。当時20代半ばの女性として、ここまでの威厳で「分からない」と言えるアメリカ人はあまりいなかったように思います。それ以来、私も分からない時はなるべく堂々と「分からない」と言って相手に説明してもらいます。

アメリカ人でも専門用語が多い説明には「Can you say that in layperson's terms? 一般人に分かるように言ってください」という場合があります。こなれていない人は、「Can you say that in English? 英語で言ってください」という場合もあります。生意気盛りの若かりし頃の私も多用していました。例えば、眼科医 opthalmologistと言うか目医者 eye doctorと言うかの違いです。なんであれ、こちらにに伝わるように言って欲しいです。「Could you rephrase that?  他の言い方で言ってもらえますか?」と聞いてみましょう。

どうやって綴る?

会話中に分からない単語が文中にあると、その単語の意味を聞きます。「I don’t think I know that word.その言葉知らないかもしれません。」 私は英語母語者ではないから、と言う開き直りからくる質問ですが、分からない単語を首を傾げて繰り返して相手の目を見ると、勘が良い人は言い換えてくれます。

最近は若者言葉について What is that word?と聞くことが増えました。単語を説明してもらった後に、よく綴りも聞きます。How do you spell it? それでMy new word for the day!とその日覚えた単語に加えたりもします。これはアメリカ人の日常会話でもよく聞きます。

もっと英語ネイティブが誰もが分かる国際英語を覚えるように、「分かるように言ってください」「言い直してください」と伝えて相手を鍛えてあげましょう。

もし自分の英語を聞き返されることが多いと感じる場合は、次の順番で意識すると良いかもしれません。発音矯正について言語学的にもっと詳しく解明したり、YouTube等で説明している人がいるので詳細はそちらに委ね、まずは自分の実体験から触りだけご紹介します。口の周りの筋肉の使い方。日本語で話す時には口の周りの半径2センチ程度を動かしているとすれば、英語はそれにもう2センチ足して半径4センチくらいで話す感じです。ちょっと大袈裟に口腔筋を駆使して発音するくらいがちょうど良いかもしれません。英語から比べると、たとえば北京語はまるで顔まわりの筋トレだと思います。
母音。その場合に、まずは言葉の骨格を作る母音の発声方法を意識すると良いと思います。例えば、よく聞くのはAsia が<Asier>と最後のAが口が縦に大きく開かれていない音です。私が最近アメリカ人中学生に直されてむかっとしたのは「onion」を「オニオン」ではなく鼻から抜けた「アニアン」と発音することです。
舌の使い方。ドイツ語が喉で発音する音が結構あるとしたら、英語は舌を使う音が多いです。日本人が苦手とする「R」もそうですが、「R」はら行の音でことが足ります。「L」の音が日本のら行の音だとそのジャパニーズイングリッシュを聞き取れない輩が多い気がします。
リズムと抑揚。日本語は平坦に話す言語ですが、英語は強弱を付けないと聞き取りにくいです。例えば「organization」でもフランス語やドイツ語だとtionにアクセントが来るのに英語だとzaに来ます。正しい箇所を強調するだけでぐんと聞き取りやすくなります。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?