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子育ての中で育むリーダーシップ

こんにちは!伊藤歩美です。
今日は私自身の経験をもとに、子育て×リーダーシップについて書いていきたいと思います。

理想のリーダーってどんな人?

「リーダー」と聞いて、みなさんはどんな人を思い浮かべますか?
明治安田生命が行なっている新入社員に聞く「理想の上司ランキング」を、上司≒リーダーとよんで見てみましょう。

2005年
(1)総合ランキング 男性上司(敬称略)
1位 - 古田敦也 2位 - 星野仙一 3位 - 所ジョージ
(2)総合ランキング 女性上司 (敬称略)
1位 - 黒木瞳 2位 -山口智子 3位 - 久本雅美
2020年
(1)総合ランキング 男性上司(敬称略)
1位 - 内村光良 2位 - カズレーザー 3位 - 設楽統
(2)総合ランキング 女性上司 (敬称略)
1位 - 水卜麻美 2位 - 天海祐希 3位 - いとうあさこ

2005年と2020年を比較すると、重視されるポイントが15年で少し変化しているように感じます。
2005年の男性上司では「知的」「実行力」「指導力」といった点が重視されているのに対し、2020年では「親しみやすさ」が重視されているようです。

簡単な考察ですが、昨今は「先頭に立ってぐいぐい引っ張っていく」リーダーよりも、「周囲をよく観察し、メンバーをサポートできる」リーダーが求められているのかもしれません。

また、女性リーダー像に関しては2005年からも「親しみやすさ」が重視され流傾向があり、依然から女性が持っているリーダーシップは「親しみやすさ」をベースにしているものなのではないかとも考えられます。

今求められるリーダーシップ

ハーバード・ビジネススクールでリーダーシップや組織学習について教鞭をとっているエイミー・C・エドモンドさんの「チームが機能するとはどういうことか」というの中でリーダーシップに求められる行動として下記の4つが挙げられています。

1.学習するための骨組みをつくる
2.心理的に安全な場を作る
3.失敗から学ぶ
4.職業的、文化的な境界をつなぐ

ここでも先頭に立って指揮を取るより、メンバー同士が個性を活かしあえる環境を作る、チームを支える役割が求められていると感じます。
リーダーのこのような行動によって、チームの学習力を高め、実行力を上げていくことができるのだそうです。

子育ての中で育むリーダーシップ

ではどうやって自身のリーダーシップを伸ばして行ったらいいでしょうか。

私が、キャリアの中で自分を一番成長させてくれていると感じるのは「子育て」です。(多分に新卒3ヶ月で会社を辞めた私にとって、家事と母親業がほぼファーストキャリアだったことが大きいのですが...)

多くの人に共通することがあると思うので、私が子育ての中で育んできた(いる←現在進行形)3つの力を下記にまとめます。

①決める力
子育ては決断の連続です。生まれてすぐに親は多くの決断に迫られます。
どんな名前をつけるか、母乳で育てるかミルクで育てるか、紙おむつを使うか布おむつを使うか...
情報や基準はあるけれども、選択はそれぞれの親に委ねられています。そしてその決断は、子どもの人生に大きな影響を与えることになるかもしれない。。
子ども、自身、周囲の環境など複合的な状況を判断して、決断を繰り返します。

最近、次世代リーダー育成の一環で、若手社員をベンチャー企業へレンタル移籍させる企業が増えています。これは、「決める」ことを繰り返しさせることによって、決める力を育むことが目的です。(←私見です)
また、有名ベンチャー企業の役員の方もこんな対談をしています。
「リーダー育成にはとにかく「決断経験」が重要である」

ビジネスと子育てで、鍛えられる力は少し違うかもしれません。
しかし、子育てで積んだ「決断経験」は確実にビジネスの場での決める力にもつながっていきます。

②見守る力
見守る力はエイミーさんが挙げているリーダーシップ行動の「2.心理的に安全な場を作る」「3.失敗から学ぶ」につながります。

子どもの安全を守るのは親の役割ですが、手を出しすぎて子どもの成長を妨げないようにもしなくてはなりません。いつも塩梅が難しく、悩むところです。

私は、子どもの成長を支援する関わりとして、下記の3点を大切にしています。
1.子どもの状況を観察,分析する
2.サポート量を調整する
3.失敗から学ぶサポート

子どもが外で転んでしまった時を例に考えてみましょう。
1.車や自転車など周囲に危険はないか、怪我の状態は軽度か、重度かを見極める
2.周囲の危険もなく、カゲもないようであれば、自分で立てるまで待つ
3.例えば段差につまづいたようであれば、「なんで転んだの?」「どうしたら転ばないかな?」など声かけをする

子どもの着替え、食事、歯磨き、トイレの後処理...
私自身も「見守ろう」と思っても、ついつい手や口を出しすぎてしまうこともあります。
しかしこれも幸いにも、子育ての中では「試す機会」がたくさんあります。
決める力と同様に繰り返すことによって見守る力も育まれていきます。

③巻き込む力
子育ては1人ではできません。家族、友人、職場の人、地域の人など多くの協力を得ながら、子どもを育てていきます。

例えば、職場では
・勤務時間が短くなる、残業があまりできない
・出張になかなか行けない
・子どもが体調を崩したとき、行事への参観など休みが増える
など、子育てをすることで一定の制約が出てきます。私自身も時短で働かせてもらっていますし、行事でお休みも多くもらいます。

育児ハラスメントなんて言葉もありますが。一定の制約が生じることで、職場の他の人に負担をかけて、嫌がられてしまうこともあるでしょう。
こんなとき、職場の人とどのような関係を築いていくか、どうしたら協力をしてもらえるようになるかを考える必要があります。

人それぞれの戦略があると思いますが、私自身は
・育児と仕事が両立できる環境を当たり前と思わない
・誰かに仕事を負担してもらった時には感謝の気持ちを伝える
・ちょっとした面倒なことは進んで引き受ける(バランス大切にしながら...)
といった点を心がけています。

職場以外でも様々なステークホルダーを巻き込み、育児と仕事が両立できる環境を作っていけるか。相手に「協力してもいいかな」と思ってもらえる巻き込み力が重要になってきます。

あらゆる経験を学びに変える

子育ての中で育むリーダーシップを紹介しましたが、ここに挙げた力は子育てでなくとも伸ばしてくことができます。出来事から学ぼうとする姿勢を持っていれば、子育ても学びになるし、それ以外のことも学びになる。

アメリカを代表する哲学者であり、教育思想家のジョン・デューイは、

We do not learn from experience.we learn from reflecting on experience.
私たちは経験から学ぶのではない。私たちは経験を振り返ることから学ぶのだ。

と語っています。

自分が経験したことを振り返り、学びに変えていく...
経験から人それぞれの自分らしい「リーダーシップ」を開発していくことが大切なんだと思います!
みなさんも自分の経験の中でどのような力を育んできたか。これを機に振り返ってみてはいかがでしょうか?

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