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それは原価ではない

最近、こんな本を読んでみた。

タイトルのとおり、ゴリゴリのビジネス書。(ビジネス書大好きです)

「利益とは何か分かってますか?」を強く問われたように感じた一冊。

加えて、以前から何となく頭に描いてきたことがキレイに言語化されていて、読みながら深く頷き過ぎた結果、首が筋肉痛になった。


経営者なら当たり前の感覚だけど、利益は重要だ。

利益あってこそお店は回る。

シンプルな流れはこう。

(1)売上が発生する。

(2)売上と原価の差分が利益になる。

(3)得られた利益が僕たちの生活費になったり(お客さんにはめちゃめちゃ感謝してます)、次の売上をつくるための材料費になったり、お店の経費(家賃や水道光熱費、メンテナンス費用などなど)になったりする。


ただ、上記(2)に大きな誤解があることが多いと思っている。

利益=売上ー原価

であることは間違いない。

気をつけなければならないのは「原価とは何か?」だ。


たとえば、卵、砂糖、小麦粉、チーズ、バター、牛乳、生クリームを必要分だけ混ぜ合わせて秘密の箱にイン。

3分待てばあら不思議。

おいしいチーズケーキの出来上がり〜!

さあ、召し上がれ〜!

なんてことは2021年9月17日現在、ありえない。(テクノロジーの進歩によってそうなる未来もあるかも知れないけれど)

材料の混ぜ方や混ぜる順番、焼き上げる温度と時間、冷やして生地を締める時間、提供するサイズに切り分ける作業が必要だ。

全工程が10分やそこらで終わるはずもなく、大きな手間(人件費)がかかっているのに「使用した材料費=原価」とするのが一般的になっている。


念のために書いておくが、「人件費のために販売価格を上げる」という話ではない。(それも大事なことだけど)

問題は「その商品からきちんと利益を出せているのか?」にある。


1個500円で販売するケーキを10時間、手を離すことなく愛情込めて作る(しかも1個だけ)なら、誰もがやめた方がいいと思うはず。

ところが、その材料費が10円だからという理由でやめられないみたいなことは往々にしてある。(そのしわ寄せが最終的に人件費に影響するのだけど)

見かけ上の利益率は98%だけど、実際には10時間分の人件費が必要になるので商品としての利益は大きなマイナス。

どうしてもこの商品を扱いたいのなら、どうすれば手間を省けるのか考えるべき。(売価を上げるのも選択肢のひとつだけど、10時間分の人件費を上乗せして売れるのかどうかは分からない)


つまり、原価とはその商品を販売するのに掛かるコスト(材料費や人件費、宣伝費など)を総計したもの。


過去にこんな記事を書いた。

できるけどやらない、とはまさに上述のことだなと感じる。


お店を続けていくためには利益は必要だ。

そのためには「原価とは何か?」を改めて整理してみようと思った話。


ちなみにこの定休日は、社長と一緒にリンゴを5キロ炒めました。(ケーキをつくるたびにリンゴの下準備をしてたら原価がとんでもないことになる!)

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登場をお楽しみに!


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