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コーヒーも見た目から「おいしい」を演出する

最近、「おいしそう」と言われることが続いた。

ケーキではなく、コーヒーが、である。

ついにコーヒーの時代が到来したのかも知れない。


正直なところ、コーヒーにはケーキほどの華やかさはない。

二者択一であれば、圧倒的にコーヒーの支持率は低い。

コーヒーを生業とする僕ですら、100回中90回ぐらいはケーキを選ぶだろう。

ケーキと並べられたコーヒーは、風の前の塵に同じだ。


それが「コーヒーがおいしそう」と言われるのである。

ただ一色の黒い液体がなぜおいしそうなのか?(カラフルならば、それはそれでどうかと思うが)


ところで。

人間の目は瞬時に口に入れるものの栄養価(おいしさ)を判断できるらしい。(身体的には狩猟採集時代から進化していないため、いわゆる本能や経験的にわかるシステム)


色とりどりの新鮮なサラダのシャキシャキ感。

揚げたてのフライドポテトのサクサク感。

食レポの番組スタッフがスプーンですくい上げるプリンのプルプル感。

いずれも目で見ずとも、想像しただけで「おいしそう」と感じる人は多いはず。

目の前にすれば瞬時に判断できるのも頷ける。


器や形もおいしさに影響する。

角ばったものよりも、丸みのあるものをおいしいと判断するそうだ。

チョコレートの角に丸みをつけるだけで甘さがアップしたように感じるのは有名な話らしい。(アメリカのお菓子メーカーが形を変えただけで「チョコを甘くしすぎだ」というクレームが殺到した事例がある)

適度な甘さは安全や安全、おいしさの指標。

酸味や苦味は体に害をなす指標。


つまり、これだった。


陶器のもつ、独特の温もりが安心感につながる結果、おいしそうに感じるということ。(提供時は木のソーサーに乗せるので、尚更安心感がアップする)

実際においしいのだけど。(僕調べ)


おいしいと感じるかどうかは個人の味覚だが、まずは「おいしそう」と思ってもらえるかは重要だと思う。

見た目から入る、おいしさの演出の話。


ただ、数%ぐらい、コーヒーの時代が来たのだと信じたい。


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