見出し画像

フィットネスインストラクターという、しごと。ジャザサイズスタジオオーナー渡邊知子@岡山県岡山市北区

★2021年12月加筆★
※こちらの記事は2020年2月に掲載されました。現在は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、記事内にあるスケジュールとは異なる体制、また「予約制」でレッスンを開催しています。レッスンの開催日時・参加についての詳細は、ジャザサイズスタジオ下中野までお問い合わせください。
下記Facebookページ内に連絡先があります。


★★★


「改めて取材だなんて、照れるね。え? インストラクターになる前の職業? お恥ずかしながら、実は若い頃から仕事が長く続いたことがなくって……」

画像5

そう言って苦笑するのは、ジャザサイズフランチャイズオーナースタジオ下中野(岡山市北区)の渡邊知子さん。レッスンでは堂々たる風格で会場をリードしますが、ひとたびステージから降りると些細なことに照れや遠慮が入り混じります。

ジャザサイズとは?
アメリカ生まれのダンスパーティーワークアウト。アメリカのヒットチャートミュージックに合わせて、ダンス、エアロビクス、ヨガ、ピラティス、キックボクシング、ダンベルやマット、チューブを使った筋トレなどが複合されたフィットネスプログラム。日本では35年前に、広島を皮切りに各地へ広まった。


渡邊知子さん(以下、通称:知ちゃん)はジャザサイズインストラクター歴15年。フランチャイズのクラスオーナーとして、サテライトクラス(一定の場所ではなく、体育館やダンススペースなどを借りて運営するクラス)を15年運営したのち、2019年11月に岡山県岡山市北区に念願のスタジオをオープンしました。


★★★


身長170cmの恵まれたプロポーション。切れ長の目に落ち着いたトーンの声、その姿は宝塚の男役を想像させます。

しかし、レッスン前後に生徒と交わす言葉は、「仕事、忙しい?」「お子さんの風邪治った?」「久しぶり~!どうしてるかなと思ってた」と、明るく穏やかで周囲を和ませます。

50歳を超えているとは思えない若々しいルックスで繰り広げられる、パワフルなレッスン。対して普段の柔和な話し方と周囲に気を配る優しさ、そして時々見かけるおっちょこちょいな一面。

ジャザサイズにというよりも、彼女自身にファンが多いのは、そのオンとオフのギャップもどうやら関係しているようです。

知ちゃんがジャザサイズを始めたきっかけは、育児中の運動不足の解消。学生時代はバレーボールやテニスを楽しみ、身体を動かすことが大好きでした。はじめは託児付きのエアロビクス教室に通っていましたが、ひょんなことから「ジャザサイズ」を知ります。


「エアロビと変わらないでしょ、くらいの気持ちでレッスンを受けたら、すっかりハマって。

続けているうちにインストラクターへの道があることを知ったんです。周囲からの『やってみたらいいのに!』の後押しもあって、それで勇気が出て36歳の時に挑戦しました」


★★★


普段から熱心にレッスンに通っていましたが、インストラクターになると決めてからは、それまで以上に真剣に取り組むように。生徒として受ける通常のレッスンのほかに、インストラクターからの直々の指導も受けました。

順調に試験へのオファーを済ませ、第一関門であるムーブメント試験(実技)を通過します。あとは2日間の筆記試験と座学を残すのみ。しかし、ここで新たな試練が知ちゃんを悩ませました。

「小学校に入学した娘の初めての運動会が、ちょうどインストラクター試験の後半の日程にかぶっていたんです」

ひとり娘の初めての運動会。1年生の娘が、自宅で見せてくれる運動会練習のかわいらしい姿。体育の時間の練習の話、新しい友達の話、そして当日のお弁当のリクエスト……。どうしようと頭を抱えていた知ちゃんの背中を押してくれたのは、家族でした。


「行かなきゃインストラクターにはなれない。せっかくこれまでやってきたんだから頑張れよ!と、夫に言われました。

娘のおじいちゃんおばあちゃんも快く娘の運動会を見に来てくれて、あの時は家族に感謝したなあ。私は確か…お弁当は作ったかな…? 

今となっては記憶も薄れてるけど、当時は相当悩んだんですよ。初めての運動会でしたしね」


そんなことがあったお子さんも、今春大学を卒業して社会人に。


「娘が幼稚園入園前にジャザサイズを始めて、小学校低学年でクラスオーナーになりましたから、彼女の中では、きっと母イコールジャザサイズです

母の仕事、生活の中心にジャザサイズがあるのが当然でいてくれました。寂しい思いは…もしかしたらさせたかもしれないけど、若い頃仕事の続かなかった私が、そうやって働く自分を家族に見せてこられたのがうれしいです」


★★★


さて、晴れてインストラクターとなった知ちゃん。

ステージでのレッスンに慣れ、自身のクラスオープンへとステップアップの時期を迎えました。機材を揃えレッスン場所を決定し、そして何より大変なのは生徒となる会員の確保です。それがないと、フランチャイズオーナーとしての収入は臨めません。

ジャザサイズに限らず、フランチャイズオーナーいわゆる開業者は、初年度の事業の在り方に試行錯誤し苦労を重ねるでしょう。知ちゃんも「オープン初年度は赤字」と先輩オーナーたちから教えられ、覚悟をして岡山県岡山市北区にクラスをオープンしました。

しかし、知ちゃんは岡山出身、岡山育ち。知らず知らずのうちに培われた人脈、そしてジャザサイズのターゲット層が自身の年齢や環境とうまくリンクしていたこと、さらに準備期間の周辺へのこまめなチラシポスティング、それら全てが功を奏しオープン間もなくして30名ほどの会員を獲得することができたのです。

画像3

それから、サテライトクラスとして15年。レッスン場所を変えざるを得ない出来事が起こったり、そのたびに会員が増減したりしましたが、何かが起きても都度、誰かに助けもらってやってこられたと知ちゃんは言います。


「大変なことの第1位は、レッスン場所の確保です。音響やステージの機材を車に積んで、曜日によって場所移動。借りている場所が公共スペースの場合は、イベントが入るとそちらを優先せざるを得ないので、代わりのスペースを探さなくてはならないんです。

そんな事態になるたびに、大きな音で音楽を流せる公民館やダンスホールなどに焦って問い合わせました。でも、見つからない!どーしよー!となると会員さんが有益な情報をくれたりして…ありがたいですよね。

15年間、そんな具合に突っ走ってきたんですが、一昨年末(2018年)、レギュラーで借りていたスペースが、とうとう耐震工事のため取り壊されると決定したんです。2019年の秋以降は、完全に使えなくなると通達があったんです」


★★★


知ちゃんの経営するクラスは、岡山県内のジャザサイズクラスでも屈指の会員数。そして岡山は車社会。会員の確保のためには、じゅうぶんなスペースのレッスン場所と、できるだけ広い駐車場が必要です。

町の中を歩いて空きスペースを発見すると、とりあえず不動産屋に電話。女だてらに問い合わせても「そんな広いスペース、一体何に使うんですか」と、軽くあしらわれることも多かったそう。ジャザサイズ会員にも呼びかけ、必死で情報を募りました。しかし、どこの場所も一長一短。物件探しは難航します。

「本当に焦りました。当時、一度のレッスン参加がだいたい60~70人くらいだったんですが、その人数でのびのび身体を動かせる広い場所、さらに駐車場……できれば駐車料金は無料。場所が確保できなかったら、クラスをクローズするしかないと、廃業の覚悟もしたんです」

そして2019年3月。

過去に問い合わせをして、自分の連絡先を託したスーパーマーケットの開発部から1本の電話が入ります。

「スーパーマーケット内の酒屋が撤退して、スペースが空きます。ご希望の広さには届かないかもしれませんが、駐車場も確保できます」

まさに青天の霹靂。物件探しに協力的だった夫と共に交渉をし、契約を進めました。


「今回、本当に夫には助けられました。昔から私の仕事に協力的だったんですが、スタジオを持つと決まってから、一番張り切ったのは彼かも。

スーパーの売り場だった場所なので、大掛かりな改装が必要でした。

ジャザサイズはフランチャイズ組織なので、会場の設定に細かな規定があります。
それを汲んだ上で、私の希望を擦り合わせて室内のデザインを考えてくれたりして。スタジオオープンの功労賞は、もしかしたら夫かもしれませんね」


★★★


そして半年近い準備期間を経て、迎えた2019年11月1日。

画像5

ジャザサイズスタジオ下中野、オープン

既存会員にとっては、満を持しての渡邊知子クラスのスタジオオープンだったようです。オープン当初は、岡山県内のジャザサイズ会員はもちろん、各地からたくさんのインストラクター、他クラスの会員が祝福に駆け付けました。


画像5

オーナーになって今年で16年目。育てたインストラクターは10人。


「この仕事をやってて感激するのは、新しい会員さんの様子が変わっていくのを目の当たりにした時。

通い始め、『友達に誘われて何となく…』と伏し目がちだった人が、レッスンを重ねるごとに表情が明るくなり身のこなしも軽やかになっていく。そんな例を何度も見ているんです。

ジャザサイズのレッスンが、その元気な姿を後押しできたのかと思うと、うれしくてしょうがない。育児中や更年期、お子さんの反抗期の時なんかも……レッスン中の1時間だけは、頭を空っぽにして音楽も含めてワークアウトを楽しんでほしい。

汗と一緒に鬱々とした気持ちも流してもらえたら、インストラクターとしてこんなハッピーなことはありません」


現在、スタジオ下中野のレッスンは平日で1日4回。土日は各1回。平日は1日平均130人前後の会員がスタジオに訪れてレッスンを受けています。それらの数字は、渡邊知子がここ岡山県岡山市で積み上げてきた信用と、ジャザサイズ普及活動の成果のたまものです。


「今後はレッスン数を増やして、会員さんにとってもっと使い勝手の良い場所にしたいです。ここでジャザサイズをして、汗を流して、笑顔になれる人を増やせたらいいですね。私も、体力の続く限りここで踊ります!」


★★★


現在、スタジオ下中野には、インストラクターは知ちゃんのほか4名。受付スタッフ2名で営業中。体験は随時受付中です(料金等は要問い合わせ)。

画像4

明るく元気なスタッフがお迎えします。


画像6

レッスン時間によっては無料託児も完備。
安心して、1時間のレッスンに没頭できます。


詳細のお問い合わせは、下記ページから。



この記事が参加している募集

最後まで読んでいただきありがとうございます。面白いと感じたら、スキのハートは会員じゃなくてもポチっとできますのでぜひ。励みになります♪