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第7回 映画『君たちはどう生きるか』を語る!!〜特にこの映画を楽しめなかった人へ。私たちが映画やドラマや漫画といったエンターテイメントを面白いと感じる時、それは一体何を指しているのかを改めてじっくり考えてみよう!

くに:きたね。

たけ:食傷気味です(笑)

くに:なんでよ〜?

たけ:正直、純粋に楽しいと思えませんでしたので、、、。

くに:あたしも(笑)

たけ:でも、そういった映画に出会った時に、基本的にこう考えるようにしてて。要は、自分の器の狭さだったり、視点が足りないがために、その映画を面白いと感じられてないんだろうなっていう。または、気づいてないかもしれないと。

くに:だから、たけ同じ映画何回も観るよね(笑)

たけ:そうだね、2〜3回観てダメだったら、もうダメかな〜と(笑)

くに:君たちはどう生きるかは何回観たの?

たけ:1回だけ(笑)

くに:2回目いかんの?(笑)

たけ:行かないかなー(笑) いや〜正直1時間くらいしてからしんどかった(笑) また2000円払う気はもうないかな、、、、。意見が真っ二つじゃん、コレ。面白い!っていう人と、つまんないって感じた人。肌感覚でいうと、小さい子供はすごく楽しんでいた印象で、多くの大人は首傾げてたよね(笑) 劇場出る時、「なんかよくわからんかった」ってつぶやいてる人多かった。自分もそうだったけど、自分が映画を観て何を楽しいと感じているか、の理解は深まったかもしれないと思ったね。

くに:考えるキッカケはもらったと?

たけ:そうですね〜。
コレ、ネタバレになるのかな、、、、、、、色んなところで言われてるから良いと思うけど、、この映画、ほぼ『不思議の国のアリス』じゃないすか?(笑) 俺『不思議の国のアリス』も楽しめなかったんす(笑)

くに:それ前言ってたね〜!なんかいきなり穴に落ちて、よくわからん世界の中に入って、すったもんだあって、またもとの世界に戻ってきて、ちょっと成長してましたっていう話ね(笑) あと、となりのトトロも楽しめなかったって言ってたね(笑)

たけ:そう。いわゆる、「やんちゃな子供とセンスオブワンダーな世界または映像表現映画」があまり楽しめない(笑) それジブリのことか?って言われたらそうではないし、子供大好きなんだけどね(笑) 正確にいうと、楽しめなくなっちゃった。で、ポイントはなんで楽しめなくなったのか、という理由ですよね。俺、最初に映画観で観た映画が、中1の時の『マトリックス』なんだけど、あの映画、内容すごい難しいじゃない?中学生に理解できる内容じゃないと思うんだよね。でも、すっごい面白かったわけ。なんでかっていうっと、アクションシーンなんだよね。ストーリーとか登場人物に感情移入したとか、自分の人生と重なって共感して感動したとかじゃなく、アクションシーンが最高で楽しんでたんよ。だから、中1の時は映像表現の魅力だけで十分楽しめてたんよ。まだ十数年しか生きてないから。でも、年齢を重ねて人生経験増えるにつれて、その経験が映画を見る時のフィルターになるから、映画の楽しみ方が変わっていっちゃうじゃん?そうなるともうこういった映画はだんだん楽しめないんじゃないかな、、、と思う。あくまで個人的な意見だけど。

くに:この映画の考察とか解説が色々なところでされてるじゃん?主人公はなんで、お母さんは何で、アオサギは何で、みたいな。あたし、その考察するエネルギーも湧いてこないんよ(笑)

たけ:ん〜登場人物その他の要素の隠喩表現がそれぞれなんで、とわかったところで楽しめるのか?って言われたら俺楽しめる自信ないな〜、、、(笑)
なんか、そういった映画の考察も楽しいんだけど、この映画はそういった人達へのある種のカウンターみたいにすごく感じるんだよなあ、、、。この映画はそんなことしても楽しめませんよ!みたいな(笑)一つ思ったのは、子供時代の経験が大人になった今をどれだけ支えているかっていう重要性はこの映画から伝わったなー。主人公のマヒトのように、知らない場所、危ない場所に足を踏み入れることが子供にとってどんな影響があるんだろうって考えた時に、やっぱり凄い得るものが大きいんじゃないかな〜と思った。危ないからやめなさいって今はすごい言われると思うんだけど、本当にそうだろうか。知らない場所に行って、そこで初めて会った人とコミュニケーションする中で、初めて見る振る舞いや慣習を知った時、自分のいる世界が全てじゃないってことを認識するよね?コレって凄い大事じゃない? あと、危険な場所に足を踏み入れる時、これ以上行くと命に関わる、ここの穴に落ちないためにこう身体を使えば良い、みたいなことを身体操作を通して学習するよね?コレも凄い大事な経験だよね。俺、この経験が今の運動神経に繋がってると本気で思うもん。マヒトも色んなことを経験して、最終的に凄い成長するよね。だから、大人たちが色々子供に対してダメって言ってることって、実は大事な経験を奪ってるんじゃないか、ということは示唆してる気がした。実際に映画の中で、バーバがマヒトにこう言うじゃん、「それ以上行ったら危ないですよ!」って。そうゆうことだよね。そういったことを考え出すと、色々考え続けて結局観て良かったなって思うんだよね(笑)

くに:あーでもそう言われたら、考えるキッカケすごいあるね。おかしい映像表現がずーっと続くから、なんかそれにフォーカスしちゃって、すごい退屈に感じてたけど。なんかすごい試されてるね、見る側が(笑) あたしたちが映画とかドラマとか観て楽しい!とか感動した!って思うのって、ある程度人生経験を積んできて、その経験そのものやその中でぶつかる問題やトラブルに普遍性があって、誰もが似た経験や悩みを持っているっていう前提があるからなのかね?逆を考えてみると、その前提がないと多くの人が一つの作品で感動したり楽しめたりしないよね?

たけ:そうなんだと思う。あるいは、人が生まれながらに持ってる倫理観や道徳観や真善美だったり。それが前提になっていることはあると思う。心理学少しかじってた身からいうと、人間の悩みってギリシア時代から本質的に変わってないんだよね。人に相談する時の理由は人それぞれなんだけど、抱える悩みってほぼみんな一緒で、とてつもなく長い歴史の中でほぼ変わらない事なんだよね。映画のプロットも、30パターンくらいしかないようだよ確か。具体的な要素は違くても、抽象要素抜き出したら、この映画とあの映画一緒やん!みたいなのたくさんあるよね。俺らが映画やドラマ、アニメ見たいた映像表現のエンターテインメントを楽しいと感じる時、それは何を指してるのか?というと、一言で言うと『既知と未知』なのかもね。つまり、初めて出会うこととすでに知っていること。自分の経験と重なる、過去に自分が同じ思いをしてその気持ちが理解できる、それらは既知で感動や涙を誘う。反対に、マトリックスのように今まで見た事ない表現を見て感動や興奮を誘う、コレが未知。相反する事柄が結果、エンジョイっていう同じ感覚に繋がるというのは、とても面白いよね。でも俺、マヒトのような経験、子供の時にしてたのになぜかこの映画を心から楽しめなかったのは、やっぱり凄いバイアスとか認知の偏りが出来ちゃってるんだろうな〜と思う。宮崎駿はそんな大人達が大嫌いなのかな?とも思った(笑) 日常でこんな事じっくり考えないけど、この映画観終わって、改めてこういった事考える事が出来たから、結果的には良かったよ。

くに:じゃあ、ジブリ映画コレから沢山観る??!

たけ:ん〜(悩笑)

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