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【忍殺二次創作】ソウカイヤvsザイバツ【第四話】

※※注意※※
これは『ニンジャスレイヤー』の二次創作小説です。
同じnote内に公式様の連載もあるので、
紛らわしいタグはつけないようにします。
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◇4◇



「イヤーッ!」
 バジリスクの上段からの袈裟斬り!
 それをステップ回避するアースクェイクだが、振り下ろされたフランベルジュは跳ね上がるように股下を斬り上げる!
「イヤーッ!」それをアースクェイクはバク転回避!

 追い打ちをかけるべくニーズヘグがアースクェイクを追うが、アースの後方からものすごい勢いでダイシュリケンが迫る!
「ワッハハハハ!先ほどからこのパターンばかりじゃのう!」
 ニーズヘグはダイシュリケンを連続側転で回避する。

 お互い決定打を欠き、すでにカラテラリーすること数十回。
 アースとヒュージは正直、手の内を出しつくしているが、あのイクサオニどもはなにか奥の手を残しているだろう。
 それも、一つだけではない。
「イヤーッ!」
 バジリスクは連続バク転にて距離を離す。一枚目の、奥の手を切るつもりだ。

 そこに轟音を立てながら走り来るのは……バイク!
 この時代では最先端のAIを搭載したインテリジェンスバイク、アイアンオトメである!
 アイアンオトメはIRCを受け、あるじたるバジリスクの元へ高速で走り参じたのだ!
「イヤーッ!」
 バジリスクは高く跳躍しアイアンオトメに飛び乗ると、ウィリーをしながら高速接近!ハヤイ!

「イヤーッ!」
 対するアースクェイクは、バイクであれば毒の心配はないと、真正面からビッグカラテ突進でぶつかり合うつもりだ。
 なんたる自らの身体のニンジャ耐久力への厚い信頼か!
「イヤーッ!」ヒュージシュリケンがダイシュリケンにてニーズヘグを牽制、このチャンスを活かさねばならぬ。しかし!

「イディオットめ!」
 アイアンオトメは稲妻めいた動きによりビッグカラテ突進を回避!
 さらに、すれ違いざまに、アースクェイクにフランベルジュの身体に斬撃が入る!
「グワーッ!」バジリスクのフランベルジュには当然強力な毒が塗り込めてある。ついに均衡が崩れる!

「とったりー!」
 バジリスクはスピードを落とすことなく、アースクェイクの後方支援に徹するヒュージシュリケンに迫る!
「イヤーッ!」
 KRAAAAASH!アイアンオトメが、真横から高速で突進してきた何かと衝突!
「グワーッ!?」

「バイクを駆るニンジャは自分だけだと思ったか!」
 突然のアンブッシュを仕掛けたのは……ミュルミドン!
 その身体は見事な流線形のアーマーをまとい、最新鋭モーターサイクルと一体化するようなフォルムとなっている。

「アースクェイク=サン!受け取れー!」
 そのミュルミドンが牽引するのは……アースクェイク愛用のバイク、改造ハーレー!
「イヤーッ!」
 アースクェイクは回転跳躍!
 大型のハーレーに乗り込むと、アクセルをフルスロットル!

「イヤーッ!」
 バジリスクはミュルミドンからのアンブッシュの衝撃をドリフト着地しやわらげると、こちらもアクセルフルスロットル!
 アースクェイク、ミュルミドン、バジリスクは稲妻のごとき軌道で縦横無尽に走り、衝突し合う!
 なんという高速戦闘か!

「ワッハハハハハ!貴様もバイク乗りのニンジャであったか!」
 ニーズヘグはバジリスクを援護すべく、アフリカ投げナイフめいた邪悪なスリケンを連続投擲!
「イヤーッ!」それをヒュージシュリケンのダイシュリケンがまとめて撃ち落とす!ワザマエ!
「アースの邪魔はしないでもらおうか!」

 ぶつかり離れ、またぶつかり離れを繰り返し、併走しながらカラテをぶつけ合うバジリスクとアースクェイク!
「ゴホッ、ゴホッ」アースクェイクは苦しげに口から血を滴らせる。
 先ほど受けた毒が次第に全身を侵しはじめている。時間が無い。

「!!」
 アースクェイクのニンジャ第六感が警鐘を鳴らす。
 バジリスクは、二つ目にして最後の切り札を切るつもりなのだ!
「カーッ!!」
 バジリスクの目が爛々と輝くと、そこからビームじみた何かが放出される!

「やはりヘビ・ニンジャクランに連なるもの。イビルアイか!」
 だが、アースクェイクのUNIXめいた頭脳は、それすらも読んでいた!
「ここだ!イヤーッ!」
 アースクェイクとミュルミドンは、バイクを捨て同時に跳躍!
 アースクェイクは両腕を組み、杭打ち機めいて振り下ろす!ビッグカラテ振り下ろし!
 ミュルミドンはチョップ突き!

「ハッハハハハハ!」
 だが、一手足りぬ。
 バジリスクはアイアインオトメの車輪でアースクェイクの両腕を逸らすと、フランベルジュでミュルミドンの胸の真ん中を貫く!
「ゴボッ……不覚……」
 ミュルミドンの身体に毒が流し込まれ、黒い血を口からとめどなく吐き出す!

 しかし、バジリスクはすでに体勢が崩れており、これ以上の追撃を捌くことは不可能!
「イヤーッ!」
 裂帛のキアイと共に、ヒュージシュリケンがダイシュリケンを投擲しようとする!
「ハイクを詠め、バジリスク=サン!」

「ハイクだと?そんなものは弱者の戯れよ!カーッ!!」
 だが、バジリスクはハイクを詠むどころか、我が身を顧みずイビルアイをヒュージシュリケンへと向ける!
「何っ……アバーッ!?」
 ヒュージシュリケンの体がスタンガンを受けたように痙攣!
「アッパレじゃ、バジリスク=サン!イヤーッ!」
 ヘビ・ケンの巻取り機構を作動、一本の直剣に戻すと、ヒュージシュリケンを袈裟斬り!
「グワーッ!?」

 しかし、ダイシュリケンの投擲を阻むことは叶わず。
 ヒュージはカナシバリにあう直前にダイシュリケンを投擲!
「アバーッ!」ダイシュリケンは、バジリスクの胸に深々と突き刺さる!
「「サヨナラ!」」バジリスクとミュルミドンは同時に爆発四散!
 ヒュージシュリケンも致命傷を受け、そのまま力なく崩れ落ちた。

「残ったのは貴様一人じゃ!」
 アースクェイクのニューロンが加速する!
 バジリスクは殺した。だが、このタイミング。ハーレーはバランスを崩しスピン!ニーズヘグのイビルアイをかわすことは不可能だ!
「イヤーッ!」アースクェイクはハーレーから回転跳躍!
「カーッ!」ニーズヘグの瞳が爛々と輝く!イビルアイ!
 目から光線めいたものが放たれ、ヒュージシュリケンをカナシバリにする!

 そう、アースクェイクではなく……ヒュージシュリケンを。
「アース……アース!やれ!俺ごとやれー!!アースクェイク!!」
 ヒュージシュリケンはまだ生きていたのだ。最後の死力を尽くし、ニーズヘグとアースクェイクの間に入って、身代わりになったのだ。
「コシャク!イヤーッ!」
 ニーズヘグは、もはや指先ひとつ動かすこともできないヒュージシュリケンに、ヘビ・ケンを上段から振り下ろす!
「アバーッ!!」

 ヘビ・ケンを受け、頭から真っ二つになるヒュージシュリケン。そのシルエットがゆっくり左右に崩れ落ちる。
「なんと」ニーズヘグの目が驚愕に染まる。
 その背後に見えたのは……ダイシュリケンを構えるアースクェイク!
「これでは普段と役割が逆ではいか……バカメが」

 アースクェイクはダイシュリケンを渾身の力で投擲!
「イィィィィ……ヤァアアアアーーーー!!」
 剛速で放たれたダイシュリケンは、ヒュージシュリケンごとニーズヘグの胴体を両断!
「ワッハハハハ!ワッハハハハ!ワッハハハハ!なんと痛快なイクサじゃ!!」
 ニーズヘグはそのまま爆発四散!「サヨナラ!」
 さらに、ヘビ・ケンとダイシュリケンで四つに分断されたヒュージシュリケンも爆発四散する。「アース!サヨナラ!」
 それを力なく見届けると、アースクェイクも毒により意識を失った。


◆◆◆


「ドーモ、ゲイトキーパーです」
 ポータルを通じてラオモト=カンの暗殺を任された十人のニンジャ。その誰もが、閑職に追いやられてはいるが、実際油断ならない手練れである。
 しかし、その全員がたった一人のニンジャ相手に居竦み、アンブッシュのスリケンすら投げることはできない。
 この相手には、そうした小細工さえ命取りになるだろう。

「われらの動きを察知していたか……ドーモ、ゲイトキーパー=サン。ワイルドハントです」
 ワイルドハントが代表してアイサツを行う。その時!「イヤーッ!」
 背後からのアンブッシュ!
「ドーモ、ドミナントです」
 若いニンジャだ。その手にはゲイトキーパーと同じくトンファーを構える。

「パープルタコ=サン!シャドウウィーヴ=サン!ソルヴェント=サン!」
 アンブッシュにより、ザイバツのニンジャは分断されてしまう。
「人の心配をしている場合かね」
 陣形を維持しようとしたワイルドハントだが、眼前の男の一言により、動くことができない。

「ドーモ、ドミナント=サン。パープルタコです。フォハハ、アカチャン!アナタ、とてもカワイイわね」
「ドーモ、シャドウウィーヴです。……クソ!パープルタコ=サン!俺はどうすれば……!?」
「落ち着け、シャドウウィーヴ=サン!」
 あのシャドウウィーヴという若者は、ジツには見所があるが、まだ初の実戦だ。実質あちらは一対一だろう。
 だが、パープルタコはザイバツ・シテンノの一人。十分なカラテを積んでいる。
 あちらは任せるしかない。

「イヤーッ!コマ・ジツ!」
 ワイルドハントは、一メートルほどの巨大なコマを高速回転させると、その上に跳躍し着地。回転しながら、さらに中コマと小コマを射出!
 それらはすべて高速回転しながら、立体的な軌道でゲイトキーパーへと殺到する!
「なるほど、厄介な」
 ゲイトキーパーは紫色のオーラをトンファーに纏わせる。エンハンストメント・ジツだ。

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」
 それによりトンファーは著しく強化され、殺到するコマを次々と打ち払う!
 爆発!小コマは小型の爆弾となっており、その爆風は少なからずゲイトキーパーにダメージを与える!
 そして中コマは打ち払われてもまだ回転を止めることなく、ワイルドハントの操作によりまたゲイトキーパーに向かっていく!
 その間を縫い、残る六人のザイバツニンジャも、ゲイトキーパーにカラテを仕掛けていく!

「オラァ!」
 イグナイトが指を立てると、そこに火が灯る。そのまま左から右へ振るうと、同じようにゲイトキーパーの元で炎が生まれる!
 イグナイトの持つ、特殊なカトン・ジツだ!
「ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイーッ!」
 そこにボーツカイが鋼鉄製のボーで突きを五連打!
 しかし、ゲイトキーパーは、トンファーで炎を振り払い、突きを上半身の動きだけでかわしていく!

 ボーツカイの合間を縫うようにコマが殺到!中コマからはスリケンが次々と射出される。これにはさすがのゲイトキーパーも防御に専念せざるを得ない!
「誰でもいい、先へ行けーッ!我らの目的はラオモト・カンの暗殺!戦力の分散は悪手だが、ラオモトが移動する前に、最上階に急ぐのだ!コイツは俺が足止めする!」
「ヒヒヒーッ!」
 モスキートがゲイトキーパーの横をすり抜け、トコロザワ・ピラーのフスマに手をかける。ターン!

「バカな、行き止まりとは……」
 モスキートが足を踏み入れたのは、タタミ敷きの四角い小部屋であった。それはシュギ・ジキと呼ばれるパターンで、十二枚のタタミから構成されている。四方は壁であり、それぞれには、金髪のオイラン、カラス、鍵、燃えるジゴクの見事な墨絵が描かれていた。

 困惑したモスキートはジリジリと部屋を進み、ついに部屋の中央へと達する。
 まさにその時!ナイトシェイドが後方のゲイシャ壁中央を音もなく回転させ、姿を現わす!
「イヤーッ!」
 ナイトシェイドはモスキートの背後へ忍び寄り、斜めに斬りつけるようなカラテチョップを浴びせた!
   
「アバーッ!?」モスキートは爆発四散!
 ナイトシェイドはすでに別の回転トラップドアから部屋の内部に消えている。おお、なんという恐るべきトラップか!?
「モ、モスキート=サン!」
 ワイルドハントは動揺する。あの恐るべきトラップ部屋を攻略するには、長い時間がかかるだろう。
 このゲイトキーパーに対してその時間を稼ぐ?できるのか?

 ……否!できるか、ではない。やるしかないのだ。
 ワイルドハントの額からは、冷たい汗が流れ落ちた。


つづく
  

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