【忍殺二次創作】ソウカイヤvsザイバツ【第十二話】
※※注意※※
これは『ニンジャスレイヤー』の二次創作小説です。
同じnote内に公式様の連載もあるので、
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「も、申し上げます!ゲイトキーパー=サン、アースクェイク=サン、インターラプター=サンは死亡!ヘルカイト=サン、フロストバイト=サン、ソニックブーム=サン、バンディット=サンは生死不明!」
アグラ・メディテーションをしていたダークニンジャに、スキャッターはそう報告した。
「………」
ダークニンジャはアグラを続けたまま、黙考する。
敵のグランドマスターはいまだ五名健在。『シックスゲイツの六人』は、残るはダイダロス、ガーゴイルの二人。
大幅にこちらに不利な状況。
だが、死ぬつもりも諦めるつもりも毛頭無い。ダークニンジャは……フジオ・カタクラは鍛え上げられたハガネのように、真っ直ぐ自分を曲げることはないのだ。
背中のカンジの謎を解く。自らの運命を弄ぶ、何者かに復讐する。
そのためには、こんな所で死ぬわけにはいかない。
ダークニンジャは目を見開くと立ち上がり、宣言する。
「ここからは俺が総指揮を執る」
「イヤーッ!」そこにエントリーして来たのは……ホースバック。ダストスパイダー。テンカウント。クイックシルヴァー。ガントレット。ナンバーテン。ヒューネラル。ガーゴイル。
ソウカイヤの中でも、最精鋭のニンジャたち。
「我々も、ご一緒しましょう」
誰も彼も傷つき、無傷のものは一人もいない。
「ラオモト=サンの元へザイバツの虫めは、一匹たりとも通す訳にはいきますまい」
「キンボシ・オオキイだ!臨時ボーナス!」
「シューシュシュシュ!」
ダークニンジャも、静かに決意を固めなおす。
まずはこのイクサに勝つ。ラオモト・カンをネオサイタマとキョートのトップに登りつめさせ、貴重な古文書などを手に入れる手段とする。
こんなところで、躓いている暇はない。
「行くぞ、お前ら」
◆◆◆
「イヤーッ!」
パラベラムは断頭台めいたチョップを放つ!カイシャク!だが、ビホルダーのスリケンがそれを阻む!
「イヤーッ!」
「チィーッ、イグゾーション=サンのバリキ・ジツを喰らったってのにまだ動けるのか」
パラベラムは連続バク転し回避!
「イヤーッ!」
ビホルダーを背負うウォーターボードは、先ほどまでとは比べ物にならない速度で走る!
その目には、ビホルダーと同じく青白いヒトダマを湛えているではないか!
ハヤイ!ニンジャ動体視力をもってしても、目で追うのが精一杯の速度だ!
ニンジャをジョルリとするのは実際難しい。
だが、される本人がそのニューロンを明け渡せば?
『正しき歴史』において、ニンジャスレイヤーほどの相手に、ビホルダーがジョルリと化かしたモータルの青年がカラテで戦えた。
人間……ニンジャであっても常時は三割程度しか筋力を使用してないない。
自壊を防ぐために無意識のうちにストッパーがかかっているのだ。
それを、カナシバリ・ジツにより強制的に解放させる!
「コシャク!」
ルーシディティはスリケンを面制圧投擲!ビホルダーのスリケンを相殺する!
だが、そのニンジャ第六感が警鐘を鳴らす。
自らが組み伏せるデビルフィッシュを見ると……その目には、ヒトダマ!
「イヤーッ!」
起き上がりながらのカラテ!伝説のカラテワザ、サマーソルトキックだ!
「グワーッ!?」
先ほどまでのデビルフィッシュには不可能であったろう技だ!
アルマジロの目にも、レイザーエッジの目にもヒトダマ!
「イヤーッ!」二人とも、先ほどまでとは比べ物にならぬ動き!
「グワーッ!」「グワーッ!」
パラベラムもジルコニアも、その急激なカラテの上昇に対応できず、ダメージを受ける!
「イヤーッ!」
その瞬間、狙いすませたビホルダーがジルコニアに視線を合わせる!
「こっちを見ろ!」「アバーッ!?」
ジルコニアは稲妻に打たれたように痙攣!
「そのまま死ねーッ!イヤーッ!」「アバッ!アバババ!?」
百パーセントにまで遮光度を下げたビホルダーのカナシバリ・ジツの前に、ジルコニアは呼吸筋や心臓の筋肉まで麻痺し、そのまま泡を吹いて倒れる!衰弱死!
その間もジョルリとなったデビルフィッシュは、ルーシディティを逆に羽交い絞めにし続ける!
「クソッ……離せ!」もがくが、ジョルリとなりタガが外れた筋力の前に無意味!
「トドメだ!イヤーッ!」
ビホルダーは大量のスリケンをルーシディティへ投擲!
「アバーッ?!」全身ハリネズミめいた姿になると、ルーシディティは爆発四散!「サヨナラ!」
「オノレ!」背後から近づいていたパラベラムがヒジのサイバネ機構を点火!両腕でカンフー・カラテめいたダブルパンチを放つ!
「グワーッ!」
木枯らしに巻き上げられる木の葉めいてウォーターボードごとビホルダーは回転!
「ビホルダー=サン!カナシバリを解いてくれ!」
ウォーターボードが叫ぶ!カナシバリが解除されると、ウォーターボードはアクアカラテで鍛えた姿勢制御!見事着地!
「またジョルリにしてくれ」
ビホルダーはウォーターボードをカナシバリ状態にする。
「イヤーッ!カクシ・キリ!」
ビホルダーの自動制御でカラテを振るうレイザーエッジ!しかし、適切なタイミングで自らの内臓サイバネブレードを展開する!
脇腹に収納された、最大の刃!
パラベラムはそれをブレーサーで受けようとして……その腕ごと胴体が輪切りにされる!
「バカナーッ!?」パラベラムは爆発四散!「サヨナラ!」
「いやいや、これは素晴らしいね」
直属の部下が全滅。しかし、イグゾーションは動揺した素振りも見せない。
「ジツで味方のニンジャを操りながら、自らもスリケンを放ち続けるとは、大したワザマエだ」
非常に冷静に、不敵な笑みさえ浮かべ、傍らのクローンヤクザをバリキ・チャージする。
「アバーッ?!」
「だが、私もこうやってバリキ・ジツを使うのに当たり、命の見極めが得意でね……実際、君たちは限界だろう?」
悔しいがその通りである。デビルフィッシュたちは潜在能力を超えて筋力を酷使したせで、全身の毛細血管から出血。全身の所々が赤紫色に皮下出血となっている。
ビホルダーもニューロンを全開に使用し続けているせいで、目と耳から出血。ニューロンが焼き切れる寸前だ。
「限界になる前に、キサマを爆発四散させれば良いだけのこと!イヤーッ!」
デビルフィッシュが果敢にもイグゾーションへ飛び込む!もはやイカ・フレームは全て破壊され、己の拳だけが頼りだ!
ZONK!「ア、アバッ……」
しかし、そのカラテはイグゾーションの付近にいた何者かに阻まれる。
「紹介してなかったね。彼はクラミドサウルス=サンだ」
バチバチと景色がゆがむと、ニンジャ野伏力にてその姿を隠していたステルス・ニンジャが姿を現す。
「ドーモ、クラミドサウルスです」
「サヨナラ!」デビルフィッシュは爆発四散!
イグゾーションはその爆発四散痕を侮蔑的に見下す。
「さぁ、行きたまえ」「アバーッ!」
バリキ・ミサイルと化したクローンヤクザの突進!KABOOOOOM!
「グワーッ!?」アルマジロはビホルダーを庇うように立つが、その凄まじい爆発にたたらを踏む!
「好機は一瞬、効果は抜群!」先ほどまでイグゾーションの傍らに控えていたナイトメアが、三日月斧によるカラテ!
「アバーッ!」アルマジロは首を刎ねられる!「サヨナラ!」爆発四散!
「アルマジロ=サン!……ならば、先にバリキ・ジツとやらの弾丸をなくせば……!」
ビホルダーはクローンヤクザに視線を向ける!
「アババーッ!?」クローンヤクザは痙攣すると、チャカガンにてお互いの額を打ち抜く!
「おっと、まずいな」
「これで厄介なジツは封じた!カクシ・キリ!」
しかしイグゾーションはこれも全く動じることなく回避。
レイザーエッジの腕を取ると、冷徹に捻る。脇固めである。
「グワーッ!?」ボキン。腕があり得ない方向に曲がる。
「普通ニンジャは、よほど不意をつかないとバリキ・チャージするのは難しい。だが、君はもうカロウシ寸前だ。抵抗できまい」
「アババーッ!アババーッ!」
無慈悲なるバリキ・チャージ!カラテ振動波を送り込まれ、レイザーエッジは悶絶!
「カ……カクシ・キリ!」
耳に仕込んだ極薄のナノスライサーを展開!見事なアンブッシュ!
だがイグゾーションは、それすらも読んでいた!メンポで受ける!CRACK!折れる!
「さあ、行きたまえ」
「アババーッ!」レイザーエッジは砕かれた右手はだらりと下げたバンザイのポーズで突進!
仲間のための決死の行動ですら裏手に取る、なんたる冷酷かつ合理的な判断力か。
「イヤーッ!」
ウォーターボードは迫りくるレイザーエッジから離れようとして……ナムサン、脚が動かない!
ジョルリ状態で無茶をしすぎたツケだ!
「ここまでか……イヤーッ!」
かわしきれないと状況判断!ビホルダーを後ろに投げる!
「アバーッ!サヨナラ!」レイザーエッジの爆発四散!猛烈な爆発!
「アバーッ!サヨナラ!」ウォーターボードも爆発四散!
「ウググ……」
投げ飛ばされたビホルダーはウケミすら取れず、陸揚げされたマグロめいて倒れ伏す。
ビホルダーを助けに来た四人は全滅。絶望的な状況。
カンカンカン。爆発四散したレイザーエッジの内蔵ブレードが一本、ビホルダーの傍に飛んでくる。
「さて、ラオモト=カンが今どこにいるのか、君にインタビューでもしようか」
満身創痍のビホルダー相手にもイグゾーションは油断することはない。
不用意に近づくことはなく、クラミドサウルスを促す。
「拷問するんで?へへ、お安い御用でさぁ」
クラミドサウルスはビホルダーに近づき……「アバーッ?!」チョップ突きで腹を貫かれる!「サヨナラ!」爆発四散!
「ほう……」
もはやボロボロであり、動けないはずのビホルダーが、立つ。
「……負けるわけにはいかないのですよ!」
ブレードの反射を利用して、自らにカナシバリ・ジツを使い、自らをジョルリとしたのだ!
「なるほど、決死の覚悟という訳か。君ほどのニンジャがストッパーを外す。これは厄介だろう」
イグゾーションは、自らの胸に手を当てる。
「なら、私も少しだけ無理をしてみようか」
カラテ振動波を、自らに注ぎ込む!
これぞイグゾーションの奥の手、セルフ・バリキ!
「オ……オオオ……AGAAAAA!」
イグゾーションの全身が、黄金に輝く!
全身にカラテが満ち、恐るべき威圧感を放つが、ギリギリのところで見極め理性を失う直前で活性を留める!
「…………」「…………」
もはや二人に言葉はない。
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
なんというカラテ!なんという応酬か!
「イグゾーション=サン!」
マスター階位最強との呼び声も高いナイトメアですら、手助けに入れば足手まといどころか、巻き込まれネギトロとなるだろう!
だが、それまでの負傷の差か……徐々にビホルダーが押し負けて行く!
「イヤーッ」「グワーッ!」「イヤーッ」「グワーッ!」
「イヤーッ」「グワーッ!」「イヤーッ」「グワーッ!」
「イヤーッ」「グワーッ!」「イヤーッ」「グワーッ!」
ついにビホルダーは倒れる!しかし同時に何かを投擲!
それは、ビホルダーの眼球!
ビホルダーは自らの眼球をえぐり出し、投擲したのだ!
それを警戒してチラリとでもイグゾーションが視線を向ければ、カナシバリにし逆転するつもりであった!
「素晴らしい執念だ」
だが、イグゾーションは判断を誤ることはない!そのままカイシャク!
倒れたビホルダーに向けてストンピング!
「アバーッ!サヨナラ!」
ビホルダーは、ついに爆発四散した。
【つづく】
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