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【忍殺二次創作】ソウカイヤvsザイバツ【第七話】

※※注意※※
これは『ニンジャスレイヤー』の二次創作小説です。
同じnote内に公式様の連載もあるので、
紛らわしいタグはつけないようにします。
検索の邪魔だボケェ!ってご意見ありましたら消します。

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◇7◇



(イヒヒーッ!これはこれは……どんなソウルかは詳細は不明ですが、強力なアーチ級なことは間違いなし!)
(強くこの女子高生と混ざり合ってしまっているので、取り出すことは難しいですが……なぁに、そのままズンビーにしてしまいましょう!イヒヒヒーッ!!)

「アバー……」
 ハーレーのサイドカーに力なく乗せられるセーラー服のズンビー、ヤモト・コキ。
 その脳細胞はもはや半分以上腐り、記憶の映像がニューロンに勝手に浮かんでは消えていく。
 だが、彼女に憑依した強力なニンジャソウルは、彼女を死なすことなく生かそうと、力を与え続けている。

(ケッ……スーサイド=サンよぉ……テメェが命を懸けてでも守りたかった女子高生の末路がこれだぜ……アノヨで見てんのか、エエッ?バカなヤロウだぜ、まったく)
 ソニックブームは……無慈悲なるヤクザニンジャの瞳には、一瞬だけセンチメンタルな感情が浮かんだが……すぐに消える。
『正しき歴史』ではニンジャスレイヤーに助けられたヤモト・コキはそのままソニックブームに捕まり、リー・アラキの研究所で実験台にされた挙句、ズンビーとされたのだ。

「準備はいいか、行くぞ!」
 アースクェイクはそう言うと、アクセルフルスロットル!
 GRRRRRRRR!獰猛な肉食獣の呻り声めいたエンジン音がイクサ場にこだまする!
 超高速で走る改造ハーレーに乗るは四人のニンジャ。アースクェイク、ソニックブーム、フロストバイト、ズンビーヤモトだ。

 ハーレーはソウカイヤ陣を駆け抜け、あっという間にイクサ場の最前線までたどり着く!
「な、なんだ!?アバーッ!?」
 困惑するグラスホッパーを轢殺!爆発四散!
「あ、あれはソウカイヤの総司令官!」
「討ち取れ!イサオシだ!キンボシ・オオキイだぞ!」
 次々とザイバツニッジャたちが集まり、カラテを仕掛けていく!

「イヤーッ!」
 それをアースクェイクが身体を張って受ける!まるで巨岩を叩いたかのような感触、ビクともしない!
「アバーッ!?サヨナラ!」
 デザートバットをそのまま轢殺!爆発四散!
 
 ヒュルルルル!ヒュルルルル!
 カラテミサイルが飛来!
「イヤーッ!」それをアースクェイクは、見事なハンドル捌きでジグザグに走行し、辛うじて避けていく!
 カラテミサイルはセキバハラの荒野に次々と土煙を立ち上げる!

 しかし、いつまでも完璧にかわしきれるものでもない。そのうちいくつかがハーレーを追尾し、迫る!
「……アバー」
 ズンビーヤモトの眼が桜色に輝くと、オリガミが同じ色のオーラを纏い、カラテミサイルにまで飛び出していく!
 KABOOOOOM!オリガミはカラテミサイルを撃ち落とす!

「アバー……」
 オリガミが飛ぶ!カラテミサイルを撃ち落とす!オリガミが飛ぶ!カラテミサイルを撃ち落とす!
「訓練もなしにとんでもねぇジツだな」
 フロストバイトが驚嘆する。
「自分に危険が迫ったときに自動的に迎撃するだけだ。しかも長くは持たん」
 そう言うアースクェイクの額からも、脂汗がにじむ。
(……長くは持たないのは俺も同じか)

「Spittttt!」
 ハーレーの前進を阻むべく、サーベラスがカトン・ジツを放つ!
 しかし、ハンドルを握るアースクェイクはお構いなしにアクセルフルスロットル!火の中に突っ込む!
「アバーッ!?サヨナラ!」
 そのままサーベラスを轢殺!なんたるニンジャ耐久力か!
 ハーレーはいよいよ前線を突破し、カラテミサイルを放つパーガトリーへと迫る!

「オノレ!無礼者が!」
 パーガトリーが引き連れてきたマスターニンジャ、ノクターン、バードゥン、ガラハッドがハーレーにカラテを仕掛ける!
「ヌゥゥゥン!」
 バードゥンが手をかざすと、ハーレーに超自然の重圧が作用する!
 ギャギャギャギャ!ハンドルを取られ、ハーレーは右に左に振り回される!

「イヤーッ!」
 ガラハッドは果敢にもジャンプキック!
「アバー……」「グワーッ!」
 その顔面に桜色に輝くオリガミが飛来!炸裂!ガラハッドは吹き飛ばされる!
 ハーレーはパーガトリーにまでタタミ五枚の距離にまで迫る!
 その時である!

「イイイヤアアアァァァーーーー!!!」
 裂帛のカラテシャウトと共に、ハーレーの真横から光り輝く光弾が殺到!
「グワーッ!?」アースクェイクの腹部でカラテミサイルが炸裂!
 パーガトリーに正面から向かっていたはずのハーレーの真横から現れたのは……パーガトリー!

「騙されたな、愚か者どもめ!」
 アースクェイクたちが見ていたのは、パーガトリーの傍らに控えるマスター階位のニンジャ、コンジャラーの作り出したブンシン・ジツの虚像なのだ。
 ギャギャギャギャギャ!ハーレーはコントロールを失う!

「アースクェイク=サン!?」
 いかなビッグニンジャのニンジャ耐久力とはいえ、不死身であるはずがない。
 バジリスクに受けた毒、先ほどから矢面に立ちザイバツニンジャたちの攻撃。今のカラテミサイル。さすがに限界である。
 アースクェイクは意識を失ってしまっているようだ。

 KRAAAAAASH!ハーレーは派手に転倒!
「イヤーッ!」ソニックブーム、フロストバイトは回転跳躍しウケミ!無事!
「アバー……」ズンビーヤモトは力なく投げ出され、地面にバウンドすると、そのまま動かなくなる。
「グワーッ!」アースクェイクはハーレーごとセキバハラに点在する巨岩に激突!
 ハーレーは大きく損傷!もう使い物にはなるまい。

「グゥ……ヌヌ……」
 アースクェイクは辛うじて巨岩にめり込んだ身体を這い出す。
「アースクェイク=サン、だ、大丈夫なんで?」
「……ああ、仔細ない」
 そう答えるアースクェイクだが、全身から脂汗を流し、呼吸も荒い。
「それよりも……来るぞ」
 フロストバイト、ソニックブームの前にバードゥン、コンジャラー、ガラハッド、ノクターンが立ちふさがる。
 
「ドーモ、ソニックブームです。テメェがザイバツのクソニンジャどもの指揮官かよ、エエッ?なら、テメェをここでテウチにすればソウカイヤの大勝利ってこったな」
 ソニックブームは油断なくソニックカラテの構えをとる。
「ドーモ、ソニックブーム=サン。パーガトリーです。……残念なことに私は指揮官ではない。忌々しいことにな」
 本来の指揮官を任されたイグゾーションは、自らの兵を引き連れ最前線にカラテをしに行った。パーガトリーは、イグゾーションに対し、ほんの少しばかり劣等感に似た感情を抱いているのだ。

「スミマセン、パーガトリー=サン。あのような下賎なニンジャを近づかせてしまい……」
 ノクターンがパーガトリーに謝罪をする。
「良い。それよりも、お前たちは今まで通り私の血中カラテ粒子を補充するまでの時間をかせげ。あの愚か者どもは私が殺す」

「テメッコラー!やれるもんならやってみろッコラー!スッゾオラー!」
 ソニックブームは、目にも止まらない連打!危険なカラテ、ソニックジャブ連打だ!
「お前の死因は……イクサ場での不幸な転倒死だ!」
 フロストバイトは、一度にコリ・スリケンを六枚も投擲!ハヤイ!まるで最新型偽札製造機だ!

「イーヤヤヤヤヤヤヤ!!」
 パーガトリーは中腰体勢となると、連続してセイケン・ツキを放つ!それに合わせ、輝く光弾が背中からいくつも飛び出していく!なんたる体内カラテ粒子生成速度か!
 ソニックカラテとコリ・スリケンがカラテミサイルが飛び出すところを的確に撃ち落していく!

 相殺!相殺!相殺!相殺!
「こっちに来て正解だったぜ、アースクェイク=サンの采配通りだな!」
「我らであればあの厄介なカラテミサイルを抑制できる!」
「イーヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤ!」「ザッケンナコラー!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」
 カラテミサイルとソニックカラテ、コリ・スリケンが相殺!相殺!相殺!
 ようやくソウカイヤは、絶え間なく飛来するカラテミサイルの恐怖から解放されたのだった。


◆◆◆


「ドーモ、罪罰影業組合、グランドマスター。ダークドメインです」
 ネオサイタマ、トコロザワ・ピラーの睨下。ポータルによって現れた暗黒の装束のニンジャは、酷薄にそう名乗った。
「ドーモ、ダークドメイン=サン。ゲイトキーパーです」
「グワーッ!?」
 ゲイトキーパーは掴んでいたワイルドハントを投げ捨てると、油断なくカラテを構える。

「ゲイトキーパー=サン!」
 ドミナントがグランドマスターと聞き、師の名前を呼ぶ。手練のニンジャを四人も相手にしたのだ。ゲイトキーパーの傷は浅くない。
「カラテを乱すな。お前の前にいる女も強敵だぞ」
 ゲイトキーパーは弟子に忠告する。
「ファハハハハ!」
 パープルタコは粘液スリケンを多数発射する。
「ヌゥーッ!」ドミナントが加勢に向かうことは不可能!
 
 ダークドメインが手をかざすと、そこにポータルともまた違う空間の裂け目が生まれる。
ダークドメインの持つユニーク・ジツ、「マイニユ・ニンジャ」のムシアナ・ジツだ。
「どけ。貴様に構っている暇はない。俺の目当てはラオモト・カンただ一人だ」
 ダークドメインが亜空間に手を入れると、バチバチと放電する真っ黒い武器が取り出される。
 アンタイ・ウェポン・ソードだ。

 ゲイトキーパーも油断なく己のトンファーに紫色のオーラを纏わせる。
「「イヤーッ!」」
 二人は同時に跳ぶ!
「!!」ゲイトキーパーのニンジャ第六感が最大限の警鐘を鳴らす!
 ダークドメインのジツの詳細は分からぬ。だが、ゲイトキーパーは自らのジツとカラテを信頼している。
 強化したトンファーで受けさえすれば……否!
「イヤーッ!」
 間一髪!トンファーで受けようとした手をひねり、空中で前転するように宙返りする!

「ほぅ……」
 ダークドメインは感嘆の声を漏らす。
「そのまま受けていれば、トンファーごとお前の腕をケジメできたものを。ニンジャ第六感も良く鍛えられているようだな」
 振り下ろした暗黒の剣が触れた地面が、その軌道のまま消滅している!
 これぞ、あらゆる物質を対消滅させる恐るべきアンタイ・ウェポン!

「イヤーッ!」
 あのジツ相手に接近戦は愚策と踏んだゲイトキーパーはスリケンを一度に八つ投擲!
「フン……」しかし、ダークドメインは、それを避けようともしない。
「!!」
 ゲイトキーパーが驚愕する。スリケンは、ダークドメインの身体をすり抜けるように通過してしまう。
 亜空間に身体を侵入させられるムシアナ・ジツの応用である。なんと恐るべきニンジャか!

 相手の攻撃は受けることも出来ず、こちらの攻撃は全て無効化される。どうすればいい。ゲイトキーパーはニューロンを加速させる。
「押し通らせてもらうぞ」
 ダークドメインは冷酷に言い放つと、ゲイトキーパを無視するように、真っ直ぐトコロザワ・ピラーへ向かう。

「イヤーッ!」
 当然、黙って見ているゲイトキーパーではない。エンハンス強化したトンファーで殴りかかる!
「イヤーッ!」
 ダークドメインは帯電する暗黒のクナイを投擲!アンタ・ウェポン・クナイ・ダートだ!
 これも生身で受ければ唯では済まないだろう!

「イヤーッ!」
 ゲイトキーパーは何とかトンファーの軌道を変え、ブリッジ回避!
 しかし、その隙を逃すダークドメインではない。
 ツカツカと歩き、堂々とトコロザワ・ピラーの入り口、恐るべきトラップ部屋に脚を踏み入れる。
「イヤーッ!」
 ゲイシャ壁の真ん中が回転!トラップドアからナイトシェイドが飛び出す!

「!?」
 だが、その渾身のチョップはダークドメインの身体をすり抜ける。
 ムシアナ・ジツだ。
「イヤーッ!」
 アンタイ・ウェポンの一撃が炸裂!ナイトシェイドは部屋ごと胴体を無惨に抉り取られ爆発四散!
「アバーッ!?サヨナラ!!」
 ナイトシェイドも一時期は『シックスゲイツの六人』に名を連ねた油断ならないニンジャである。それをこうも手玉に取るとは。
 攻防一体。なんという恐ろしきジツ、なんという恐ろしきカラテか!

「イヤーッ」
 ゲイトキーパーは、ダークドメインをこれ以上進めまいと彼の頭を飛び越えるように跳躍、猫めいて着地!
 ダークドメインの前でトンファーを構える!
「……フン。貴様が万全であればもう少し勝負にもなっただろうにな」
 ダークドメインはムシアナを開き、ナイトシェイドに使ったせいで欠けたアンタイ・ウェポンを新たに生成する。


◆◆◆


「ドーモ、罪罰影業組合、グランドマスター。イグゾーションです」
 そう赤橙色のニンジャ装束の男は、イクサ場に不釣合いなほど礼儀正しくオジギした。
 傍らに控えるのは、ジルコニア、パラベラム、ルーシディティといったマスター階位のニンジャ。全員油断ならぬ使い手。
 ビホルダーはサイバーサングラスの遮光度をゼロにまで落とす。

 グランドマスター最強との呼び声も聞くイグゾーションだけでも厄介なのに、ナイトメア、デスナイトも今だ生存。ビホルダーのダメージもゼロではない。
 もはやフレンドリーファイヤを気にしている段階ではない。

「アヤミ=サン……大事はないか……ああ、アイツを一緒に殺そう……」
 デスナイトは前線に自ら現れたグランドマスターの姿すら目に入らぬといった様子で、バイオイーグルを愛で続けている。
「………」それをビホルダーは冷ややかな目で見つめている。
 ニンジャをジョルリにするのは難しい。だが……。

「イヤーッ!」ビホルダーはスリケンを投げ、連続側転、さらにスリケン投擲、さらに連続側転!なんというニンジャ器用さか!
「イヤーッ!」ルーシディティが前に出、同じくスリケン投擲!ビホルダーの多角からのスリケンを全て打ち落とす!ワザマエ!

 しかし、ビホルダーの本命はそこではない。敵は視線を合わせないように注意を払っているが、あのバイオイーグルにそこまでの指示をするのは不可能!
「アババッ!?」巧みに視線を合わせるとバイオイーグルが痙攣!
「アヤミ=サン!?」
 バイオイーグルは懸命に抵抗しようとするが、ニンジャのジツ相手にそれは無謀というもの。
「キ、キューン!」咥えたカタナで、イグゾーションへ特攻をかけるよう操られてしまう!

「ああ、良くないね。君は───良くない」
 イグゾーションは分かっていたかのようにその攻撃をかわすと、そっと撫でるようにバイオイーグルに触れる。
「アバッ、アバババッ!?」
 するとどうだろう。バイオイーグルは目や口から眩い光を発しはじめ……最終的には全身から発光!

「な、何を……ヤメロー!ヤメロー!アヤミ=サン!」
 デスナイトはうろたえるが、その声もどこか空虚な響きを伴っている。
「君は……優秀なニンジャだ。カラテも指揮能力も高い。けれど、本当はザイバツへの忠誠心など、とうに無くしてしまっているのだろう?」
 イグゾーションは眉根をひそめ、心底残念と言った調子で言う。
 これこそがイグゾーションの恐るべきユニーク・ジツ、生命力をカラテ振動にて異常活性させる「マズダ・ニンジャ」のバリキ・ジツである。

「さぁ、役に立ちたまえ」
「アバーッ!」バイオイーグルは全身から発光したまま、イグゾーションの指示するままビホルダーへ向かっていく!
 ビホルダーはヒトダマをたたえた目をバイオイーグルに向け、カナシバリにしようとする!
 だがナムサン!その動きをとめることはできない!

 KABOOOOOOOM!
 とてつもない爆発!とてもイーグル一匹から生まれたエネルギーとは思えない!
「グワーッ!?」
 ビホルダーは吹き飛ばされる!
「ア……アア……」
 それをデスナイトは呆然と見つめている。あのバイオイーグルの中には、かつてデスナイトが真剣に恋焦がれたオイランロイドのニューロン回路が埋め込まれていたのだ。
 あの爆発では、それごと木っ端微塵だろう。

「本当に残念だよ」
 イグゾーションは気安く話しかけるよう、デスナイトの肩にポンと手を置く。
「君ほどのニンジャを使い捨てにしなければならない。心が痛むよ」
「や、やめっ……アババババーっ!?」
 デスナイトの身体が異常発光!バリキ・ジツ!
 小さなバイオイーグルでさえ、異常活性されたエネルギーであの爆発規模である。
 では、ザイバツでも有数のカラテを積んだニンジャであれば?

 足並みのそろわない味方は敵よりも厄介。そのことはビホルダーも重々承知している。
 だが、あのイグゾーションという男の冷酷さには、ビホルダーも戦慄せざるを得ない!
「アババババーッ!」
 目や口から光を放ちながらバンザイの体勢でデスナイトが迫る!
 KABOOOOOM!とてつもない爆発四散を起こした!!



つづく


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