辻村深月は、読む順番を決して間違えてはならない。最初の10作品をご紹介。
辻村深月は天才だと思う。残念ながらね。
彼女は、彼女の中にある一つの世界を、いろんな切り口から僕たちに魅せてくれる。
とある作品の主人公が他の作品でのキーパーソンになっていたり、小さい小さい設定が別作品のメインテーマとなっていたりと、僕らを驚かせる。
感覚としては、
仲良くしていた田舎の幼なじみに、大人になって偶然街中で会った時の気持ち
に近い。
みたいな感じになる。
この気持ちを想像できたら是非読んでもらいたい。
後悔は一切ないはず。
そして上記の気持ちを味わうためには、順番を間違えてはいけない。
これは絶対だ。
大事だからもう一回言う。
「辻村深月を読む順番を絶対に間違えるな」
もし間違えたら、感動の絶対量が減ってしまう。
確実に悔やむことになるよ?
なので、やまだが僭越ながら読む順番について解説する。
それがこのnoteの趣旨。
1 スロウハイツの神様
現代版トキワ荘
いまだとシェアハウスと呼ばれる形態で、1人の天才及び各才能を持った人間が集まって繰りなす物語。
中身については語らないが、少なくても3人は好きなキャラクターができます。
まじでみんな魅力的で、
「こいつらの未来、みてみてー!」
ってなる。
最後の最後伏線回収がまじで素敵だし、僕はこの作品を読んでシェアハウスに住もうと思ったくらい影響力があった作品。
「おひさしぶりです」
この言葉を、ここまで鳥肌モノにする力。
これを偶然にも最初に読めて、心の底から満足している。
引きの強い過去の俺をほめてあげたい。
2 V.T.R
スロウハイツの神様で間違いなくコウちゃんのファンになっているので、そのコウちゃんのデビュー作を次に読むのがいいと思う。
しかもわがままを言うのであれば、スロウハイツ上下巻の間(上→V.T.R→下)に読めるとなお良い。
短いのでざっと目を通すだけでいい。
スロウハイツの神様の下巻を楽しむために読むという位置付けでもいい。
(V.T.R自体もおもしろいけどねっ!)
3 凍りのくじら
「この作品を一番最初に読めば?」
との声もある。
そしてそれは一定わかる。わかるよー、うん。
けど、どうしてもこの作品の独特の暗さは、「辻村深月」への参入障壁になっていると感じている。
ただ、最後まで読むとものすごくいい作品。幸福度も高くなる。
ちなみに
「ドラえもん読みなおしたい。。」
ってなって、しまう。
だって、ちゃんとみたことないでしょ?
生活の隣にずっとあったからこそ。
今読むとものすごく響くよ?
4 子どもたちは夜と遊ぶ
犯罪と恋愛のお話。
暗い、しかも、上巻そこまで響かない可能性がある。
がーだ、下巻の加速やばし。
一方でどうしてもこの作品が肌に合わない方は飛ばしてもいいかもしれない。
それはそれで一つの選択。
ここならダメージは小さいかも。
5 ぼくのメジャースプーン
少年の、少年による、少女のためのお話。
幼き純粋な決意がただ美しい。
そして、かなりコアとなる作品。
多くは語らない。読んでみて。
6 名前探しの放課後
きっかけはタイムリープを打ち明けるところから始まる。
今僕は上記一文を書きながら鳥肌が立ちまくっている。
読んだあとに、同じ感想を持ってもらえたら嬉しい。
そしたら、友だちになろうw
7 冷たい校舎の時は止まる
校舎に閉じ込められた8人の高校生の物語。
デビュー作
才能がいたるところに散りばめられている。
是非、登場人物を自分の友人知人に置き換えて見てほしい。
そういう意味では、「桐島、部活やめるってよ」とかに近いかもしれない。
そして、こちらの作品は漫画もいい。
というか漫画がさらにいい、といってもいいかも。
辻村深月×新川直司とかよだれしかでない。
8 ロードムービー
冷たい校舎の未来・過去の短編集だと思ってもらっていい。
前作で好きになったキャラクターがいるなら、是非読んで欲しい。
9 光の待つ場所
今まで紹介した作品の、未来の作品と位置付けていいと思う。
(このあたり説明が少ないのは、ネタバレが怖いから。ごめんよ。)
10 ハケンアニメ!
覇権アニメのお話
ただただ楽しんで読めばいい!めっちゃおもろいしw
そして、アニメとか監督とかいったら、ねぇ?
そりゃでてくるでしょ。みんなわかってたでしょ?w
◇相関図+その他
ちなみに上記をまとめたものがこれになります。
けど絶対見ないでくださいね。
絶対ですよ?いや、ノリ的なあれじゃなくて。
俺あなたの幸せ減らしたくないですし。
10まで見終わったあとに、これ見てにやにやしましょー!
(あ、サービス終了して見えない!さすが!あえてだと信じてる!w)
その他も微妙な関係性を保ちながら作品が続いてます。
が、上記の順番だけ守って貰えれば、あとは食い入るように残りの作品をどうぞ!
刺さる「辻村作品」はきっとある。
のこりは、個人的に「白深月」といわれる作品を幾つか簡単に紹介して、筆を置こうと思う。やっぱ、誤読感プラスがいいなって心のあんまり強くない僕は思うわけで。
◇かがみの孤城
昔のみーちゃんが戻ってきた!
1つ1つのネタバレとかほんとどうでもよくて、この文体。
全体を流れる優しさ。
それを味わう。
「僕、なろうか」
「何に」
「"ゲーム作る人"」
ここ。ここだけで何度も何度も泣いてしまう。
名作!
◇家族シアター
まさに家族のお話
いろんな家族があるのが大前提で、それでいんじゃない?
というね。
◇島はぼくらと
故郷、その意味について考えさせられる作品。
白深月の真骨頂かもしれない。
という、辻村深月先生のメッセージが印象的でした。
おわりに
「あなたは読むと幸せになる小説をいくつ知っていますか?」
続きが読みたくて読みたくて、夜更かしして、それでも読みきれなくて学校に行って、急いで帰る帰り道
こんな幸せな経験もうあんまりできないかもしれない。
でも僕にとって、辻村深月先生の作品はそういった作品でした。
あなたにとってもそうであるとものすごく嬉しい。
それでは、おあとがよろしいようで。
ここまで見てくださるなんて...ありがとうございます!! SNSに書かずnoteだけに書くことも多いので、フォローしておいてもらえると嬉しいです!