小説 | 人を殺した。
人を殺した。
マッチングアプリで出会って意気投合。
とっても楽しい女の子。
何度目かのホテルデート。
ふと首を絞めてみた。
楽しそうに「やめてやめて」という彼女。
やめない。
こちらを涙目で見てくる。
やめない。
暴れまわる。
やめない。
動かなくなる。
やめない。
彼女の顔や体中からいろんな液体が出てきた。
汚いな。
「あ・・・・」
やばい。
あんまり現実感なかったけど、これ現実か。
どうしよう。
おそらく見つかったら逮捕されて、今の生活は一変するんだろう。
んー考えても仕方がない。
彼女は一人暮らしって言ってたし、山にでも捨てて、見つかるまで精一杯生きよう。やりたいと思っていたこと、今目の前にあることを精一杯。
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3年後。
この当たり前の生活が、当たり前じゃなくなる貴重なものだってわかってからの俺は本当に多くのことに取り組んだ。
昔からやりたかった世界一周、挑戦してみたかった起業、最愛の人への告白、目に入れても可愛くない娘。
それらすべてが叶った。
幸せだ。
人生ってこんなに輝いていたんだ。
生きていてよかった。
・・・ただ、最近ちょっと危機感が薄れてきた気がする。
このままずっと「彼女」は見つからないかもしれない。
・・・妻に隠れてマッチングアプリをやるのは大変だな。
でも、仕方ない。
幸せを続けるためには。
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