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小説 | なんでも答える幼馴染

「宇宙人はいるの?」

「いるよ。オレら」

「そういうことじゃなくて」

笑ってしまう。私の幼馴染は何でも答えを持ってる。


「幸せって何?」

「学校帰りに、高野堂のチーズケーキを食べられること」



「人生って何?」

「あの世とあの世の間。人が創り出せる中で一番面白いもの」


「お金って何?」

「多様性を成り立たせるための道具」


「勉強って何のためにするの?」

「その答えを見つけるため」


本当におもしろい。
どんなことも彼の中で言語化されてて、彼の見ている世界を少しでも除きたいと私はいつもたくさんの質問をしてしまう。


ただ私は、そんな彼が、今までで唯一答えられなかった質問をしたことがある。


「そろそろ答えでた?」

「え?」

「前にした質問」

「あ、ああ」

「じゃあもう一回聞こうかな」

「いやいいよ、また今度にしよう」

「だーめ」


いつもはあんなに自信満々の彼がうろたえるのが面白くてついついからかってしまう。



「・・・私のこと好き?」









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