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HUNTER×HUNTER-暗黒大陸編-をより深く味わうための、「クラピカ」という主人公補助線

どうも、マンガ好きのみなさん、こんにちは!
めちゃくちゃマンガが好きで、この日本という国に生まれ、母国語でマンガが読み続けられていることが幸せでたまらないやまだです。
どうもありがとうございます。ほんと。


さて

HUNTER×HUNTER

傑作ですよね。
おそらく僕らは、HUNTER×HUNTERが連載期間中に生きてたことを後の世代に誇ることになるんでしょうね。
ありがたい限りです。

とはいえ、とはいえですよ?

「ハンターハンター?あー暗黒大陸編難しくて読むのやめちゃったよ」

ってめっちゃ聞く。

わかる、わかるよ?
たしかに難しい。本当に難しい。僕が知っているマンガの中でもかなりの難しさを誇ってる。

たださ?
その難しさを大きく超えて、「お、も、し、ろ、い」んですよ!


なので、僕が脳汁を振り絞り、たどり着いた結論を皆様に共有したいと思います。


それは

「クラピカ」という補助線

です。

どういうことかというと、「クラピカ」の動機と行動に注目して暗黒大陸編を読むと、スッキリと理解でき、さらには、これからの見どころまでわかってしまう!そういうことです!

これを、できる限り伝えさせてもらって、今後のハンタライフを楽しみ尽くしてもらえたらと思って筆を執りました!
(とはいえ、これだけだと細かい関係者とかよくわからないって方は、最後に載せてるチャーリーさんの図解をぜひ!すばらしいので)

では、どうぞ!


クラピカの大目的

まず、クラピカの大目的は、みなさんも御存知の通り、

「仲間の緋の目を取り戻す」

です。

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ハンターハンター33巻 p69


過去、幻影旅団によって殺害、売り払われた仲間たちの「緋の目」をどんなことをしてでも取り戻すことにあります。

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「緋の目」の情報

ただ、残りの「緋の目」の在り処がわからない。

そんな折、その情報を持っていると十二支んのミザイストムが現れる。

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ハンターハンター33巻 p65


そこで、クラピカはその情報を入手するために、十二支んに加入することに。
ミザイストムからもたらされた残りの「緋の目」(おそらく全部)の在り処はカキン第4王子ツェリードニヒ=ホイコーロ。

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ハンターハンター36巻 p127



クラピカは、ツェリードニヒ=ホイコーロから「緋の目」を取り戻すために動き出します。

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※「倒す」とあるのは、ツェリードニヒとクラピカの性格的にバトルにならないことはありえないという判断の下です。


第4王子との接点

とはいえ、ツェリードニヒはカキンの王子なのでかんたんに接点を持つことは難しい。そこで、クラピカは、B.W号に乗って、カキンの王子の護衛に付き、ツェリードニヒに近づくことに。

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ハンターハンター33巻 p170


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今(コミック36巻)、まさに第14王子の警護をしているところです。


クラピカがクラピカたる所以

クラピカとしては、「緋の目を取り戻す」ということが達成できさえすればいいので、それに向けて最短ルートを通っているつもりなのですが、ここはクラピカがクラピカたる所以である

クラピカ、イイヤツ

が邪魔をします。

本人の自己認識は、「自分は冷徹」なんですが、いかんせんクラピカはイイヤツなんですよ。その証拠に、「緋の目を取り戻す」という大目的以外についてもしっかりと心を砕いて仕事をしています。


そのうちの1つが、十二支んの仕事

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この、「暗黒大陸でハント」するために、B.W号内でビヨンドを監視する仕事をしているんですよね、ちゃんと。

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ハンターハンター33巻 p24



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そのためここでしっかりとパリストン=ヒルの思惑を外し、ハンター協会を形骸化することを防いだりしてます。

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ハンターハンター33巻 p111

(ただこのあたりで、みんなが憧れる「ハンター」というものが結構安っぽくなったなとは思っていて、縁故でレオリオを十二支んに入れたり、激むずのはずのハンター試験を今回の目的のために改変したりと、なんだかなーと。もっとも、こういうのはどこの世界も一緒で、例えば司法試験も確かに激むずですが、通ったあとに何するかってところで本当にピンきりになる。そういう意味でいうと、ハンター試験も試験であり、団体である以上、このような状態になるのも自然っちゃ自然。リアルっちゃリアル。会長のカリスマ性がなくなった今、ハンターの存在意義が問われている。完全に余談でした。)


さらにもう1つ、第14王子の警護の仕事

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「第14王子ワブル=ホイコーロを守る」ために、他の13人の王子たちと、交渉したり、念を教えたり、対立したり、戦ったりしているわけです。

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クラピカ、イイヤツですよねw

ワブル王子を抱っこしている際の表情なんて、

「この子を守るためなら・・・」

という決意がすごく伝わります。

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ハンターハンター33巻 p206



人というのは、1つの動機だけで行動しているわけではない。自分でさえ言語化出来ない多くの動機の上に行動を決定しているんだ。

そんな事がよく分かるクラピカ。
冷徹に見えて、すごく人間味のあるやつです。


これからの見どころ

と、クラピカを主人公に添えてハンタの物語を読み解くと、自ずとこれからの見どころが浮かび上がってきます。

見どころ①
幻影旅団とのバトル

クラピカの仲間を虐殺し、「緋の目」を奪ったのは幻影旅団。
その幻影旅団が、B.W号に乗っているんですよね。とすると、ここの衝突は避けられない。

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ハンターハンター36巻 p145

クラピカは以前、幻影旅団を破壊することを至上命題に置いていたのですが、ゴンの発言によりパラダイムシフトが起こり、本来の自分が成し遂げたいことは「緋の目を取り戻すこと」だと気づくことが出来ました。

それによって、幻影旅団を追跡することはせず、「緋の目」を集めることに注力してきました。

ただ、仲間の最後の「緋の目」と、仲間を「緋の目」にしてしまった幻影旅団とか同じ場に登場した際、クラピカはどんな思想で、決断し、行動するんでしょうね?

どちらを選んでも決して正解ではない二択を目の前に投げかけられ、それでも選ばなければならない。

楽しみです。


見どころ②
第4王子ツェリードニヒとのバトル

当然、最後の「緋の目」を所持している第4王子ツェリードニヒとのバトルは避けられないかと。そして、ツェリードニヒのえげつない念能力と念獣、念的思考の深さを考えるに、ここにクラピカをぶつけるのが正着。
さらに、おそらくこの「緋の目」は、「HUNTER×HUNTER 緋色の幻影」にも登場した、クラピカの友人パウロの頭部とセット

本来であればただのコレクターに対して、過度の悪意はないはずのクラピカですが、第4王子ツェリードニヒの解体グセや、コレクターの創り方をみるところ、「パウロの創り方」は凄惨を極めるものだったことが予想されます。

さらにいうと、「緋の目」をつくった幻影旅団と、第4王子ツェリードニヒとの関わりも考えられ、ここがクライマックスとなる可能性も多分にあります。

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見どころ③
ヒソカ

現在ヒソカは幻影旅団を壊滅させようとしています。場所と相手を選ばず。

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ハンターハンター34巻 p141


冨樫先生が散りばめているヒントからするに、ヒソカもB.W号に乗っているのは間違いなく、とすれば、ヒソカvs.幻影旅団は勃発するでしょう(より正確に言うと、しているでしょう)。

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ハンターハンター36巻表紙


一見すると関係なさそうに見えるヒソカですが、強いものと戦いたいという悟空みたいな考えの持ち主であり、この船の中には幻影旅団(特に団長)、第4王子ツェリードニヒ、クラピカと戦いたいやつがたくさんいるという状況。

ヒソカをトリックスター的に配置することで、上記のように整理したポイントがことごとく外され、クラピカは何も望まないバトルをさせられる可能性や、B.W号が爆発する可能性などが生まれてきます。
ヒソカをわざわざ船に乗せた意味というのはなんなのか?
もしかしたらここが一番面白くなる可能性がぷんぷんします!
(ボクの予想なんて全部外れてしまえ!)

(しかし、そう考えると、悟空とヒソカって同じ動機で生きているに、あんなにも違って見えるってのもおもしろいですね。)



おわりに

いかがだったでしょうか?

クラピカという補助線

を引くことで、暗黒大陸編を物語としてもっと楽しめるようになってもらえたら望外の幸せです。

もちろん、こんなまとめでハンターハンターの魅力が伝えきれたなんて露ほども思っておりませんが、補助線があるだけで、今まで難解で頭に入りにくかった暗黒大陸編が、とたんに1人の人間の身近な物語の延長線上に現れてきたのではないでしょうか?

そんなことが読んでくださったみなさまに訪れたら嬉しいです。


また、ほかにも、ハンタのすばらしきまとめとして、このあたりを御覧くださいませ。世の中の天才たちが、独自の視点でハンタを読み解いてます。



それでは、素晴らしきハンタライフを!
おあとがよろしいようで。


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