見出し画像

ふしめの幻

春めく陽射しと桜の開花、寒のもどりと春雨によって、体調管理が難しい日が続いている。

曇った日もある

朝、電車に乗ると、コートを羽織る人が減った分だけ空いているように感じるが、その実、卒業する年代の学生が減っただけだと気づいたのは、先週の金曜日だった。

暖かい1日


振り袖姿の女学生がちらほらと見え、駅前で手をつなぎ合っていた。彼女たちは別れを惜しみつつも、4月から始まる新たな生活に不安と期待を抱いているのだろう。

そこでふと、わたしの学生時代を思い返した。大学時代、多くの同級生が海外留学をしていたため、卒業時期がズレていた。わたしは院進したため、のちに友らの卒業を見送ることができたのだが……。

閑話休題

ホットひと息

さて、この記事を書いた理由は、「果たして4月は始まりの季節なのか?」という疑問があるからだ。

入学式や新卒入社など、人生において節目とされる4月。

しかし留学をした場合、そもそも海外の学校が9月始まりのため、3月卒業が間に合わずに9月に卒業する場合がある。すると、入社は4月ではない。

また、入試や就活がうまくいかなければ、4月以降に肩書きのないまま生活することになる。

転職活動をしたことがある人ならわかると思うが、その場合も4月まで入社を待つようなことはない。

つまり、すべての人にとって4月は節目ではない。「はじまりの季節に~」や「これからはじまる~」のようなキャッチコピーを目にする度、こころに穴があくような感覚を覚える。

それは、大多数から意見を押しつけられているように感じるからかもしれない。

旧きものは当たり前を疑うきっかけ

たしかに、入学や入社はおめでたいことかもしれない。しかし、そこからあふれてしまう人たちがいることを無視したような言葉の数々は、誰かの首を締めつけるかもしれない。

言葉は難しい。どのような言葉の陰にも傷つく人はいる。幸せな物語で不幸になる人がいるように。わたしは幻のなかに生きているのかもしれない。

空を見上げてあるがままを感じたい














この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?