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与太者雑記

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#黒田清隆

薩摩の野暮天芋野郎黒田清隆と落語 1

薩摩の野暮天芋野郎黒田清隆と落語 1

昔ブラタモリで札幌を取り上たことがあった。アシスタントはまだ桑子ちゃんだったと記憶している。明治2年に7人しか人がいなかった札幌がなぜ200万都市に成長したのか、というのがテーマだった。有名な赤煉瓦の北海道庁旧本庁舎も勿論登場したが、その場所に黒田清隆が三代目長官を務めた開拓使庁舎があった。番組では遊郭が出来たのち、あっという間にその周辺に街並みが出来たことを指摘していたが、これは黒田が取った産業

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薩摩の俗悪芋野郎黒田清隆と講談 1

薩摩の俗悪芋野郎黒田清隆と講談 1

立川談志と高田文夫の対談で江戸っ子の定義という話になり、高田が「やせがまん」と言ったのに対し談自論を披露した。

「俺はね、生まれはどこでもいいけど、ご維新のときにどっちに味方するかってこと。」

さすがは家元だ、スタイルではなく思想的に江戸落語を継承してると思う次第であるが、夏目漱石ならこう忠告したかもしれない。

「君も江戸っ子の端くれなら、ご維新じゃなく瓦解と云い給え」

年号が明治に改まっ

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薩摩の黒田清隆伯爵と講談 2

薩摩の黒田清隆伯爵と講談 2

「正直車夫」

下谷御徒町2丁目19番地の裏長屋に、小林庄吉という人力車夫がいた。柏木という帳場に所属の車夫で、上野山下周辺を流していた。家には老いた両親と女房子供二人が口を開けて待っているが、たいした稼ぎもなく釜の蓋が開かないこともしばしばで、ろくに粥も啜れない中、それでも夫婦は両親に忠孝を尽くした。

ある晩寝酒にいっぱいやりたいと言う父親のために、商売道具の股引を質に入れ30銭こしらえて、そ

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