えりんぎさん
“ えりんぎ “ さん という保護猫のお話です。
約6年前、我が家の庭に現れた小さな子猫。
3つ上の姉が頭から尻尾までの模様を見て、
『 えりんぎ 』と、名付けました。
(正直なところ、初めて聞いた時は
『おっ、マジか。』と心の中で呟きましたが。)
すくすくと育ちながらも、一緒に産まれたであろう他の子猫たちと比べると、ダントツの臆病者で、いつも母猫にくっついてまわっていました。
ミルクの時も、カリカリごはんを食べられるようになってからも、みんなとの場所取り合戦に負けてウロウロしてばかり、。みんなが食後のグルーミングをしている隣で一生懸命、余ったご飯を食べていました。
ほかから来た大きめの野良猫に追いかけられて、木や屋根の上に逃げたのは良いけれど、そこから降りられなくなり、泣き(鳴き)わめきながら私たちに助けを求めてきた事もありました。
縁あって、我が家の家猫(保護猫)となってからも珍事件やハプニングは、今も度々起き続けています。
6年の時を経て、たくさんの癒しも笑いも毎日プレゼントしてくれる、大きくて立派な、だけど子猫時代からの鈍臭さもいい感じに残ったオモロ猫として成長してくれています。
猫は表情筋が乏しいと聞いた事がありますが、えりんぎさんは表情も豊かで、感情もかなり豊かです。喜怒哀楽全開の、表情筋マックスハッスルマッスル猫です。
ここで、マックスハッスルマッスルなえりんぎさんを
お届けさせていただきます。
※ちなみに、今更ながら正式な名前についてですが、
平仮名表記で “えりんぎ” です。
(エリンギだとキノコに寄ってしまうので...…)
そして、一緒に過ごしている中で呼び捨てをするのは何となく気が引けるというか、どうしても呼び捨てには出来なくて、“ えりんぎさん ” や、“ えりちゃん ” と呼んでいます。
そんなえりんぎさんは、【 膀胱結石 】を患ってから、獣医さんから指定されたカリカリごはんと、たくさんの水分補給、そして定期的な尿検査が必須となりました。
よ〜く観察していると、えりんぎさんは、他の猫さん達と比べて日頃の水分摂取量が少ないことも分かりました。そしてごはんに関してもかなりの美食家さんである事がわかりました。
『ごはんの匂いが良いもの・カリカリごはんは湿気ていないこと』がえりんぎさんの中でかなり重要らしく。。。
お水はやはり新鮮なことは大前提で、こだわりの温度と、大切なヒゲにギリギリ触れないけど舌を伸ばした時に程よくお水が飲める位の量がお皿に入っているのがベストで、給水所も至る所に設置することで通りすがりに飲める機会が増え、飲む量を増やすことができると分かりました。
一緒に過ごしていると少し不思議な行動を見かけるようにもなりました。
たまに、お水をおててですくって飲むんです。
水の量が関係しているのか、光がお水に反射しているのか、ゆらゆら揺れているお水が気になるのか.....。
飲み終えた頃には、笑っちゃうくらいに机や床がビチャビチャになっています。
今は、カリカリごはんを買って来たら小分けにして全て真空状態で保存し、すぐに食べない時は乾燥グッズが入った箱に回収するようにしたところ、えりんぎさんが食べたい時に専用のベルを鳴らすか、「ごはん〜」と、こちらに言いに来るようになりました。
お水の場所も増やしたところ、お気に入りの給水所も判明し、ベストな状態にしておくと飲む量が圧倒的に増えました。なが〜いお昼寝中には定期的にお水を持っていくと、ちゃんと水分補給をしてくれるようにもなりました。こちらとしてもその様子に思わずガッツポーズしたくなる時があります。
そして、えりんぎさんと過ごしていると、
昔、一緒に暮らしていた大きな黒いラブラドールの
“ サーフ ” かと思わせるような仕草を時々するのです。
これもまた不思議なお話で。
くつろいでいる姿がサーフにそっくりだったり、人が楽しんでいる様子や、苦しみ、悲しんでいる時の感情まで読み取り、そっと寄り添ってきてくれたと思ったら、日頃見せることのない不安げな表情で、小さな声を出しながらこちらをのぞいて来たり。
その賢明で優しい姿は、大好きなサーフにそっくりでえりんぎさんにサーフの面影を感じています。「見守ってくれているの?」とか、「サーフのこと知ってる?」とか、「もしかしてサーフなの?」などと、思わずえりんぎさんに聞いてみると、『ん。?・・・なんかよく分かんないけど、それよりココらへん、撫でて♡』と、とぼけた様子でスリスリしてきます。
そんなえりんぎさんには、お気に入りの居場所が家中至る所にあります。
まず、ほどよいサイズのダンボールを置いておくと、とりあえず入ってみて、気にいるとずっとくつろいでいます。他にも、日向ぼっこに最適なところ、お昼寝にうってつけの場所、家族みんなの様子を良い感じに見渡しながらくつろげる所、爪研ぎが入っている箱もリラックスできる空間のひとつです。洗濯物の匂いも大好きなので畳もうとしていると、すかさず、よいしょよいしょと乗っかって来ます。
あとは、私の椅子を突然椅子取りゲームしてきたり、荷物や書類等には昔から強引に入ったり乗っかってきます。寝る時は、枕にお尻とお腹を少し乗せてきて、しっぽをトントン動かしながらしばらくくつろぎ、私が眠くなってうとうとしてくるとピョンっと降りて自分のベッドへといなくなります。
(この件に関してはよーく考えてみると、私を毎晩寝かしつけにきてくれてるのかもしれません。)
えりんぎさんは、お洋服や被り物がかなり苦手な傾向があります。
でもたまーーーーーーに、ノリがいい時もあります。たまにね。
また、ハーネスをつけると固まって動かなくなってしまいます。
高価なおもちゃであればあるほど見事に興味を示しません。逆に、ビニール袋を丸めてみたやつとか、何かをとめてあった紐をゆらゆらさせると、眼をギンギンのバッキバキにさせて追いかけて来ます。
そしてこの行動においては秋〜冬にかけての限定行動なのですが、夜にお気に入りの毛布などの布類を、せっせと1階から2階へ、2階から1階へ運ぶ謎の儀式も行われる時があります。私たちが寝るために2階へ行ってベッドに入ると行われるのです。理由はいまだに分かりませんが、ペットカメラに映る姿が可愛くてなんともいえません。
外出する時には、支度をし始めた途端に「またどっか行くんだ。どうせ私はお留守番してなちゃいけないんでしょ。いいよ、別に。寝て待ってるから。」と言いたげな表情でこちらを見てきてたりもします。
毎朝顔を合わせると、必ず「おはよう」と言いながらスリスリッと足元におでことカラダを寄せてくれます。そして、ゴロンと寝っ転がって『撫でてくださ〜い』のアピール。そのあとは、大きなあくびをしながら太陽の動きに合わせて転々と場所を移動して、フニャりとした顔で気持ち良さそうに寝ています。
お気に入りのところでたくさん寝て、美味しそうにごはんを食べて、お水もいっぱい飲んで、お花をつんでいる姿(おトイレにいる姿)は、さすがのえりんぎさんも見られていたらきっと恥ずかしいだろうと思い、見ていないフリをしつつそっと見守っていますが、その全ての姿はどれも健康そのもので、それだけで幸せで、嬉しくなります。
えりんぎさんと過ごすことで、強い不安感からいつの間にか穏やかな気持ちになれていることもあります。私にとって、大切な存在、支えてくれている存在なのは間違いありません。
そんなえりんぎさんに、毎日『ありがとう』という気持ちを伝えるためにも、たくさん撫でさせてもらい、美味しいごはんが食べられる綺麗なお皿・新鮮で美味しいお水を毎日用意することだけは、どんな時でも続けると決めています。ちっぽけなことかもしれませんが、私にとっては大切だと思うんです。
そして、えりんぎさんに頬を寄せて「ありがとう」と伝えています。
でも、ほどほどに。
そうでないと、最高で最強の猫パンチが炸裂するので、。
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