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子どもが賢くなっているという状態の判断

2023/10教室だより

今月は色々あって、なかなかテーマが決まりません。
ようやく最終日に、テーマを決めましたので、急ピッチで記事を書きました。
涼しくなったと思ったら、暑くなったり、また感染症で学級閉鎖が起こっていたり、色々お聞きしています。教室ではその都度の感染状況で窓の開け方を変えたりしながら、工夫して運営をしています。

今月のテーマは、『公文式で賢い子を育てるには?』です。


しばしば質問があります。
自分の子が公文をしているけど、賢くなっているのかどうか?心配に思われる保護者さまもいらっしゃいます。
時には、公文式の指導者で、賢い子ってどういう状態?と首をかしげる方も。

私は、いくつか判断基準があると思っています。

①初出(もしくは初出に準ずる箇所)を自分で考える力


まずは、公文式の学習内容を新しいところでも、『自分で解き方を考えられる』ようになっていること。少しずつヒントをもらいながらでも、自分の言葉で説明できること。最初100%分からなくても、こうかな?と推測できる力のようなものが育っていること。
ここに必要なものは、公文式で鍛えられた新しいところを自分でやってみようとする力、そして自信があるからこその挑戦心が出てきているかどうか?

何でも教えてもらう、全部分かりませんというスタイルではなく、自分でやってみたい、考えてみたい、でも間違っているかもしれないから、ちょっと先生に聞いてみよう!『先生これで合ってる?』という状態です。たまに間違ったまま、ガンガン進んでしまって、後で全部×だったというようなことがありますが、そういう子には、最初に確信を持って合っていると思えないのだったら、自分で聞きに来ないといけないよ、と言います。
自分から、進んで確認しに来る、そういう気持ちを育てたいのです。

もちろん、言えないタイプの子もいます。そういう子は気配で先生が察して早めの声掛けをしています。でも、そういう子でも、何年か公文に通い続けて自分で考えるトレーニングをしていると、気付くと自分で考えられて、質問も自分から来るようになります。

②①の状態で進度が2,3学年以上進んでいる

ただ進ませればよいわけでは無いので、要注意です。
簡単だとある程度教え込んで、先に進ませることもできる。
でも、大事なのは、自分で進めているかどうかです。
その上で、学年を超えていっている、2学年先位になると、子どもに明らかな顔付きの変化、そして、3学年を超える頃には、自信に満ち溢れた顔になってこられます。

『このまま、どんどん難しくなってしまったら、うちの子大丈夫でしょうか?』という質問を時々いただきますが、『全然、大丈夫です』
子どもは、親が思う以上に成長していきますよ。子どもを信じましょう。ただ、自分で歩かせなければだめです。親が教えて何とかしようと思わないように、とお伝えしています。

以前の記事で公文式の進度と学力の相関関係をお伝えしました。ぜひまだ見られていない方はご覧ください。
あくまでも、当教室のデータです。自立して学習している状態での2,3学年先ということがポイントです。

https://note.com/kumonegachu/n/nebcd5013d912?sub_rt=share_pw

③圧倒的な割合として、幼児さん(年少、年中ごろまでには)から始めているお子さんが多い

小学校に入ると、様々なことを『習い』始めます。
教えてもらったことだけを再現できても、自分で新しいことにどんどん挑戦していくという頭の使い方には慣れていません。
だから、小学校に上がる2,3年前には、絶対に始めておく。

最初は簡単な内容です。でも、学校に通っていないので、体系的には習っていないことがほとんど。
小さいお子さんほど、全てが知らないことばかり。習っていないことが当たり前の連続。だから自然と鍛えられます。

脳の発達も、6歳ごろまでには90%完成していると言われています。幼児期に公文を始めると、その成長スピードが加速するイメージです。しっかりした下地、土台となります。脳が完成する前に学びを繰り返すことで、賢い子の下地ができていきます。

ただ、幼児さんはインプット、アウトプットの力も未熟。
インプットは、見ること、聞くこと
アウトプットは、話すこと、書くこと

バランスよくというより、アンバランスな子がほとんど。

耳の発達は4歳ごろまで、目の発達は6歳ごろまで、そしてえんぴつが正しく持てるような手の発達は5歳頃には完成します。
その間に、さまざまなトレーニングをしながら、脳も鍛えていきます。

幼児期から子どもに、学習をさせるということは、発達途中にあることを意識して指導をするということです。
まず耳が先行して育つ、だから、耳だけで覚えようとする子もいます。そうでは無くて、目も使うトレーニングをする。
聞くこと、話すことは自分で完結する内容です。だから、公文式では声に出して言う教材がたくさんあります。ただ、幼児期に気を付けないといけないのは、滑舌や吃音やどもり等、7歳ごろまでに起こりうる、言葉のアウトプットが上手くできていないケース。

自分で発した音をそのままインプットしてしまうことで、学習効果が上手く上がらなくなります。
だから、幼児期こそ、大人の口の動きを見せる、ちゃんとした音を聞かせることです。
最近の幼児さんは、これまでより、滑舌が悪いと感じることが多いです。コロナ禍でマスクをしている方が多かった時期に幼児期を過ごしてきていることが影響しています。
なるべく意識的に文字と音の一致をするのが良いでしょう。

なお、毎日学習をすること(習慣づけ)は以下のような理由で大事です。
・お家でやる、やらないという低レベルなことで揉めなくなる
・毎日学習することで学習内容が定着化しやすい
・公文のプリントはある一定の量があり、その量を解いた先に次のレベルに上がっていく、次のレベルに上がるためには、到達しなければならない観点があり、チェックがある
・やらなければならないことをやる力が身に付くので、ずっと学生時代、社会人になっても、やるべきことはちゃんとやる人に育って行く

幼児さんのうちから始めて、ある程度できるようになったから満足したとおっしゃる方もほんの少しですがおられます。勉強は何のため?勝手なゴールを決めるのっておかしいですよね。学びは続けることに意味があるのです。

あとは、公文(勉強)漬けにしない。素直な幼児さんはどんどん公文をしたがります。でも、先ほどもお伝えした通り、目や耳や口、手、様々な発達によって、総合的に発達していくのが幼児期です。
心の発達も大事。
体験により感動したり、大人に愛着を持ったり、そういう経験が無ければ、のびやかに健やかには育ちません。
ぜひ、子どもをスマートフォン・タブレット漬けにせず、対話・会話ができる子に育てること、分からないときに分からないと判断できて言える子に。その先に、自分で考えてみようとチャレンジできる子に。
子どもは身近な大人が興味を持っていることから、興味を持ち始めます。
赤ちゃんも言葉を発していなくても、親と対話しているんですよ。そういう小さい時からの関わり、声掛けや、読み聞かせやお歌を一緒に歌うことを大事にしてあげてください。

2歳までの関わり方が、その後の幼児期の公文式学習を順調に進ませるために一番大事なポイントです。

東郷





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