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~親ができるプログラミング教育とは~【子どものプログラミング教育特集④―どう教える?保護者の疑問を専門家に聞いてみた】

プログラミング教育が始まっているけれど、実際どんなことをしているのか分からない。親はどう対応したらいいか不安…。
そんな声にお応えして、プログラミング教育の第一線で活躍されている松田孝さんにアドバイスいただく本企画。親として、「プログラミング教育にどう向き合っていけばいいか」のヒントが満載です。ぜひご家庭でも参考にしてみてください。(上記写真:くもん出版撮影)

【特集の目次】


① プログラミングってなに?と聞かれたときの答え方
② 子どもに楽しんでもらう秘訣とは?
③ プログラミングの授業で一体どんな力がつくの?
④ 親ができるプログラミング教育とは?
⑤ 小学校の先生は教えられるの?
⑥ プログラミングを学ぶ上で知っておきたいリスクとは?
(途中から読んでもわかる内容になっています。)

【子どもが「プログラミングをやってみたい!」といったらどうする?】

Q.  子どもがプログラミングに興味を持ち、「やってみたい!」といったとき、親ができることは何でしょう。

A. もし、お子さんが「プログラミングをやってみたい」と口にしたら、まずは「すごい!」と受け入れて、一緒に喜んであげてください。
そして、親子のコミュニケーションの中で、自然に「どんなことをやりたいの?」と引き出し、その実現したいことができる環境をさりげなく、何気なく、整えてあげることが大切なことだと考えています。

何か教材を用意したときは、まずは親御さんご自身がやってみましょう。その楽しさやおもしろさ、自分でやってできたことをお子さんにも見てもらいましょう。
保護者の方が「おもしろいね!すごいでしょう」と声を掛けてみてください。大好きなお母さんやお父さんがやったことなので、お子さんの性格によっては、自分でもやってみたい!という気持ちが湧き上がってくるかもしれません。
もしかしたら、お子さんのほうがもっとできるかもしれません。さらには、「ここ、こんなふうにやるんだよ」と、お子さんからアドバイスがもらえたりするかもしれません。

新しい社会におけるコンピューターの扱いについては、むしろ子どもたちの方がネイティブです。私たちが生きて培ってきた感覚とは、また違う感覚を持っています。
その新しい感覚を私たち大人がしっかり認めて、褒めて、そして一緒に成長していく―。そのような循環を通じた、子どもが育っていく喜びを家族で共有できる環境づくり。これが特に求められていると思います。

「子どもにとって、興味をひくものはこれです!」と特定することはなかなか難しいですが、ぜひご自宅でお子さんを見つめながら、今の環境でできることからスタートしてみてください。

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【ビジュアル言語とテキスト言語の切り替えについて】

Q.  プログラミング教育といっても、玩具を使った簡単なものから、タイピングをするものまでさまざまです。どのタイミングで何をあたえるか、ポイントはありますか。

A. もし可能ならば、なるべく早い段階でいわゆる「ビジュアル言語」から「テキスト言語」へ移行されることをお勧めします。
 テキスト言語だと難しいと考える方もいらっしゃいますが、小学校3年生がターニングポイントになると思います。ローマ字の学習が始まりますし、英語活動も始まります。まさに、テキスト言語に移行する最高のチャンスだと思います。
 「コンピューターとコミュニケーションをとる」という観点で見ると、テキスト言語は、ビジュアル言語よりもコンピューターに近い言語になるので、さまざまな思いを、より直接的にコンピューターにお願いすることができます。

そして、2025年度から大学入学共通テストで「情報」が出題されます。2022年1月末には国立大学協会が2024年度以降の全ての国立大学の「一般選抜」 において、第一次試験として「原則としてこれまでの『5教科7科目』に『情報』を加えた6教科8科目を課す」ことを決定したのです。この新教科「情報」にはプログラミングの問題も出題されることから、テキスト言語を使用することが、入試にも生かされます。

 子どもたちのキャリア形成を考えたとき、ビジュアル言語だけで通すのではなく、いち早くテキスト言語へ移行することが大切です。そして、そのはじめの一歩としてIchigoJamBASICという教材は、最適なテキスト言語になっています。言語についてお子さんと相談しながら選択していってください。お子さんの成長を楽しみにしています。

これからの子どもたちに必須のプログラミング教育。くもん出版では、保護者の皆さまの不安が解消されるような情報発信を続けていきます。お見逃しなく!


松田孝さん
1959年東京都生まれ。東京学芸大学卒。上越教育大学大学院修士課程修了。東京都公立小学校教諭、東京都狛江市教育委員会主任指導主事(指導室長)をはじめ、東京都の小学校校長を3校歴任。小金井市立前原小学校では、全国の公立小学校にさきがけ児童一人一台の端末を配備。プログラミング授業を積極的に推進して、IchigoJamBASICを用いたプログラミング授業体系を確立。2019年4月より合同会社MAZDA Incredible Labを立ち上げ、代表に就任。総務省地域情報化アドバイザー、金沢市プログラミング教育ディレクター、群馬県先進プログラミング教育アドバイザー、小金井市教育CIO補佐官も務める。著書に『学校を変えた最強のプログラミング教育』(くもん出版)。


★家庭でできる!自分で学んでいくときの最高の自学教材
くもん出版のプログラミング
『くもんのプログラミングワーク① はじめる!IchigoJam』

★松田孝さんの著書はこちら
『学校を変えた最強のプログラミング教育 普通の公立小学校から見えたAI時代の学び』

(注記のない写真:PIXTA)