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【バスケ】戦術の分類法

先日、とある1プレーについて複数人による組織的な戦術なのか?それとも個人の思いつきによる戦術なのか?という話をしました。

サッカーはイングランド・プレミアリーグの最終節。アーセナル対エヴァートン戦の前半13分35秒のプレーに関する話です。


個人の思いつきか、予め決められていた連携プレーだったのか?と書いたのですが、最近読んだエクシア出版『バスケットボール勝つための最新セットプレー88』東野智弥氏&小谷究氏編著にそのあたりの内容が明確に分類され、わかりやすく記述されていました。さすがバスケの戦術本です。(私より)だいぶ先を進んでいます。


その分類の方法は以下の図の通り

該当書のP.2をイメージ化


私なりに解釈すると以下のような感じになります。

◆パターン・オフェンス

ボールがアウトになった後のリスタートや、セットプレーの時など予め各選手の場所や発動のタイミングなどが決まっているオフェンス【戦術】です。アメリカン・フットボールのように常にボールが止まった状態からプレーがスタートするような競技になればなるほど多く見られます。

◆フリーランス・オフェンス

各選手個人が、文字通り自由に動いて行う【戦術】です。チームとして決められた動きはなく、状況に応じて選手個人がプレーを選択していきます。
プロなどレベルの高いバスケットボールにおいてフリーランス・オフェンスが採用されることはないようですが、サッカーのようにゲーム全体の流動性が高い競技の場合はしばしば見られます。「そこから打つ?」とか「なぜそこでドリブルした?」とか言いたくなるやつです。

◆モーション・オフェンス

上述したパターンとフリーランスの中間に位置する【戦術】です。たとえば先ほどのアーセナルの3選手が見せた一連の動きは、この『モーション・オフェンス』に分類されるのではないかと思います。


とある選手(例だと8番の選手)がパスコースを横切ってボールをスルーし、即時にパスを受けてディフェンス・ラインを突破する

サッカーであれば、今回の例にあるような右サイドだけでなく、あらゆる局面、あらゆる選手の組合せで実行できる戦術です。また、

7番の選手が8番ではなく17番の選手にパスを戻し、その後に8番へパス

といったバリエーションも選択することが可能です。つまり、一定の型はあるものの、状況次第で各選手の動き方に変化を加えることができるのが『モーション・オフェンス』に属する戦術となります。


というわけで、今回はバスケの戦術本より戦術の分類方法の1つをとりあげてみました。当然ながら分類方法は1つだけではなく、切り口によって様々なものがあります。なので、今後はそのバリエーションも紹介していきたいと考えています。



【追記の独り言】

DAZNなどで放映されるサッカーの試合で、解説の方が

「今のは鹿島アントラーズがよく使う『モーション・オフェンス』の1つですね。失敗しましたけど」

とか話してくれると、【戦術】がより身近に感じられるのではないかなぁと考えたりしました。



また、結果論的に「今のはこういう戦術でした」という解説よりも

「今の状況だと攻撃側のストロング・サイドになっている右サイドに対して、ボールが◯◯な位置に入ったら守備側がダブルチームに行くはずです」


などと先々のプレーを予想してくれると私的には「面白い!」と思うのですが、きっと予想が外れまくる場合もあるので、解説者の方の立場からすると簡単にはできないんだろうなぁと想像したりします。

でも、監督やヘッドコーチの立場からすると、このスカウティングができないとダメですよね。加えて、その情報をもとにチーム戦術に修正を加えなくてはなりません。ほんと、大変なポジションですよね。。

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