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幸運と不運 映画『糸』のこと

幸運というイメージは「生まれつき裕福な家に生まれ、何不自由なく育ち、努力することなく才能を育み、長じても裕福な稼業を引き継ぐとか、あるいは育んだ才能を活かして苦労することなく、それを商売にして、周囲に評価されて一生を終える。そしてその最期も苦しむことなくポックリと逝く」といったところでしょうか?

一方、不運の方は大変ですね。「貧乏で問題ばかりある家に生まれて、両親は離婚したり、亡くなってしまったりで、新しい親や兄弟に虐待されて、どうやってもまともに生きられない。贅沢な生活に憧れて悪事に手を染める。それでも安寧を得られることはない。荒んだ生活を送って刑務所に出入りし、そのうちに殺されたり死刑になったり…最期は苦しみぬいて逝く」そんな感じ。

でもね、幸運と不運が入り交じることもありますよね。幸運な者が不運に陥る。不運な者が幸運に導かれちゃったり…ね。

何でこんなことを書いているかというと、映画「糸」を観たからですね。

久しぶりに良い日本映画を観ましたよ。良かった。主演の菅田将暉という俳優は声が悪いし、熱が入るとガナルから嫌い(あくまでも個人の感想です)なんだけど、この作品では、それがなくて全体的に落ち着いていて良かったですね。共演している小松菜奈は前衛ホラー「来る」でも名演技を見せていたから、こちらも安心して観ることができました。榮倉奈々、斎藤工に成田凌に高杉真宇に山本美月といった若手俳優に、永島敏行、田中美佐子、松重豊などが脇を固めており、見応えがありました。

もちろん表題曲のほか、中島みゆきの歌もたっぷり聴けます。

(敬称略)


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