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熱中症の季節

「熱中症は病気です」

ようやく季節らしく高い気温の日が多くなってきました。しかし、温暖化によるものか毎夏ごとに厳しくなる熱波が私たちを襲ってきます。熱中症の危険も高くなってきます。

熱中症とは、高温の場所で起きる熱による障害の総称です。「体温が上昇して、体温調整のための機能が動かなくなったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりすることから、体温上昇やめまい、けいれん、頭痛など様々な症状を起こす病気」のひとつです。はい、熱中症は病気です。あ、毎年やってくる花粉症だってアレルギーという病気です。強い直射日光での場合は「日射病」、閉め切った部屋や車の中など、高温でおこれば「熱射病」といいます。特に子どもは、体が小さいわりに水分の出入りが大きく、そのうえ腎機能が未熟なために脱水症状をおこしやすいのです。

昔、「日射病」と一括りにされていた頃には、日射による病いであるから日射病といわれているにも関わらず、この病気を軽んじて「休んでいれば治る」いうバカな意識が働いてしまっていたのです。この意識が僕のような高齢者の間には、今でもあるのです。そのために高齢者はエアコンもつけず、頻尿だからといって水分を摂らないのです。さらにスポーツ界においても、監督やコーチにそういった意識が根強く残っていることもあり、結局は最悪の事態を引き起こしてしまうこともあるのです。

疑問に思うのは日射病といっていた頃には病気という意識がなくて、近年に熱中症と総称されてからは大変な病気(病気とは思われていませんがね)と意識させるというのはおかしくないですかね?日射病、熱射病と呼んでいた方が病気なのだと意識できるではありませんか?

ともかく、熱中症(日射病、熱射病)は、処置を誤れば重篤あるいは死に結びつく病気です。この基本を忘れてはいけません。

「年々増加する熱中症患者」

総務省消防庁報告データによれば、日本全国で6月から9月に熱中症で救急搬送された方は、2010年以降に増加しています。特に酷暑となった2018年には92,710人、次いで2019年が66,869人、2020年が64,869人と毎年増えています。

年齢層別では、2008から2009年は全体の40%前後だった65歳以上の高齢者の搬送率が、2010から 2017年には40 ~ 50%に、2018 から2021年には48 ~ 58%と大きく増えています。

全 国 的 に 猛 暑だった2010年、2013年、 2018年は、全国各地とも熱中症搬送数が多 くなっていますが、最近のように、毎年、最高気温記録地が変わることで、搬送数にも大きな影響が現れています。

「マスク熱中症」

2019年に中国で発生した新型コロナ(COVID-19)は、翌年には日本でも感染がひろまり、マスクの着用が 当たり前となりましたが、マスク着用による「マスク熱中症」も問題となっています。マスク着用によって放熱が妨げられて体温が上昇すると同時に呼吸しづらくなることが、熱中症発症の要因ともなっています。また、マスクを外さないと水分補給できないということが拍車をかけます。

新型コロナも一段落ついたのか政府は「少なくとも2メートル以上離れればマスクをしなくても良い」という方針を出しました。ただし、結局は推奨という曖昧な表現をしています。

マスクは飛沫の拡散予防に有効で、“新しい生活様式(新型コロナウイルスを想定した生活スタイルの意味)”でも、ひとりひとりの基本的な感染対策として着用をお願いするが、マスクを着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。したがって、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。外出時は暑い日や時間帯を避け、涼しい服装を心がけましょう。

厚労省サイト「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント

「熱中症の対処」

スポーツなどで、たくさんの汗をかくと体内の水分が失われます。水分が2%失われると喉が渇き、同時に運動能力が低下しはじめます。3%失われると、強く喉が渇き、ぼうっとしたり、食欲不振などの症状が起こり、4~5%になると、脱水症状による疲労感や頭痛、めまいなどが現れます。そして、10%以上になると、死に至ることもあります。

*この部分、大塚製薬さんのサイトを参照しました。

水分だけでなく、体液中の電解質が失われて熱中症になります。熱中症によって失われる体液中の電解質・イオン(水に溶けると電気を通す物質のこと。電解質は水中では電気を帯びたイオンになり、電気を通すようになる)には、ナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。

これらを補うには市販の経口補水液が有効です。

経口補水液は、自分でも作ることができます。水1リットルに砂糖40グラム(大さじ4と1/2杯)と 塩3グラム(小さじ1/2杯)をよく溶かすことで経口補水液ができます。これにレモン果汁を少々搾り入れるとカリウムも摂取することができます。

フォローさせていただいている漫画家の梅熊さんが、薄くしためんつゆを経口補水液代用として使えると書かれていましたが、まさにその通りで、美味しい方がいいですよね。

昔から味噌汁も良いと言われています。夏場の味噌汁と言えば、宮崎県の名物「冷や汁」が有名ですが、全国各地に冷や汁文化が残っているそうです。発酵食品の、ますきちさんのサイトを参照しました。

冷や汁の歴史はとても古く、宮崎県の地域で食べるようになったのは鎌倉時代だと伝えられます。その食風習が、全国を旅歩く僧侶達によって一度は全国に流布したのですが、次第に廃れていき、夏の暑さが厳しい場所や、冷や汁に合った食材が採れる場所のみに「冷や汁文化」が残っていったようです。冷や汁文化は、全国各地の夏の暑さ対策として残ったのでしょうね。

そういえば、西瓜に塩をふりかけて食べるのも、胡瓜の漬物をガリガリ食べるのも、西瓜や胡瓜は、カリウムを多く含んでいるからかもしれません。それに塩分をプラスして食べるのは古くからの熱中症対策だったのでしょうね。


炎天下の外出先では、冷や汁に西瓜や胡瓜を食べるのは難しいですから、経口補水液が最も有効です。といっても、それさえ手に入らない場合も多いでしょう。

そこでオススメなのがミドリ安全の塩熱飴シリーズです。「塩熱飴プロ」、「経口補水塩熱飴」、「塩熱サプリ」、「塩熱飴サプリくちどけ」というラインナップです。各製品ともに、飴1粒を舐めながら水100ml(コップ1杯)を飲んで召し上がってください。個人的には、特に口中で溶けやすい塩熱サプリくちどけが便利だと思っています。

水はペットボトルを用意しなければなりません。ペットボトルには空のモノ(100mlからあるようです)に水を入れるか、市販のミネラルウォーター(280mlからあるようです)をご用意ください。

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