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美しいものたちへ|あとがき

◇読了時間目安:約2分(1200字)◇

小説「美しいものたちへ」を読んでくださり、ありがとうございました。ここでは、あとがきとして自分がやりたかったことや伝えたかったこと、反省点などを書いていきます。

本編はこちらからお読みください。


『モチーフ』

この小説は「花鳥風月」という四文字熟語をモチーフとして使用しました。「花鳥風月」とは言わずもがな、自然の美しいものや風景のことです。ここから着想を得て、花が鳥になり、風を感じ飛び立ち、月で踊るという流れを思いつきました。

しかし、それだけではそれだけの小説になってしまうので、そこに自分の思いものせてひとつの小説に仕上げました。


『伝えたかったこと』

伝えたかったこと、というかこの小説にのせた自分の想いは、「何でもない日常生活の繰り返しで人は成長していく」ということです。

いきなり小さい話になりますが、私個人の生活に置き換えると、子どもと2人同じような毎日が繰り返され、うんざりしてしまうときもあります。

「毎日毎日同じことの繰り返しじゃないか」

しかし、そんな中でも子どもはしっかりと成長してくれているのです。(それも子どもは大人が思う以上のスピードで成長します!!)

さらに、この小説の中では鷺草の成長にクローズアップしていますが、実際は鷺草と一緒にSも成長しているはずです。そう思いながら、私自身も一日一日を丁寧に生活してきたいという思いを込めました。


『こだわった点』

一つ目はリフレインによる文章のリズムです。

冒頭でSは「規則正しい」生活をしていると言っていますが、それをさらに象徴するように何度も1日の流れを繰り返しています。自分でも少しくどいかなと思いましたが、この繰り返しにより少し無機質な違和感を与えたいという狙いがありました。

二つ目は、文章のテンションです。静をベースにしつつ、所々で大きく優雅な動を取り入れたことです。この動は鷺草の動きが主なので、動でありつつも優雅さは残るよう努めました。


『反省点』

この「あとがき」を書くのに非常に時間がかかりました。ということは、意図やこだわりなどを突き詰めないまま書いてしまったということだと思います。実際に、この「あとがき」のこだわりについて書きながら、「もっともっと緻密にテンションを設計すればよかった」と後悔しました。

さらに、タイトルに関してももっときちんと考えるべきでした。「美しいものたちへ」とはモチーフの「花鳥風月」のことですが、これでは小説に込めた自分の思いがまったく響きません。タイトルと内容がちぐはぐです。実際タイトルがなかなか思いつかなかったのですが、思いつくまでねばるべきだったと反省しています。

全体的にふんわりとしたまま書き出し、最後まで詰切れずにいたので、改稿する際はしっかりと自分のものにした上で書き進めていきたいと思います。

今回も小説「美しいものたちへ」と「あとがき」をお読みいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

小原由香里


お読みいただき、ありがとうございます。もし気に入っていただければ、今後も遊びにいらしてください。よろしくお願いします。