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過去日記 ~海外ドラマライターになるまで~ 【1】

(※この記事は、以前ブログに掲載した記事を再編集したものです)

 

1996年にフリーライターとしての仕事をはじめ、2001年に念願の海外ドラマライターとなり、その後、音楽や映画の記事も書くようになりました。海外ドラマライターになるまでの道のり(かなり長く、遠回りしています)を、過去の自分の視点で記した「過去日記」。ライターへとつながる、子供の頃からの体験を中心に書いています。

 

文中、登場するアルファベットは、Aから順にふっており、イニシャルではありません。

 

 

小学4年 ○月×日

今日、Aちゃんと「将来は作家になりたい」という話をした。2人とも「モモちゃんとプー」の松谷みよ子さんに憧れている。

 

 

小学4年 ○月X日

夏休みの宿題の自由課題でお話を書くことに決めた。少年探偵団ものが人気なので、私も「ちびっ子探偵団」というシリーズにする。

 

 

小学4年 ○月×日

「ちびっ子探偵団」を担任の先生に添削してもらう。シリーズを続けていって、全部で第3弾まで書くことにする。

 

 

小学5年 ○月×日

落語全集ばかり読んでいる。作家にはあんまり向いていない気がしてきた。だからと言って、落語家になりたいとは思っていない。今の担任の先生は「子供が好きじゃない」という態度を全面に出している先生で、お話を書いても添削してくれそうもない。

 

 

小学6年 ○月×日

今日は小学校の卒業式と謝恩会だった。大好きな担任のB先生が、私が卒業制作で書いた作文を校長先生に見せたらしく、謝恩会で校長先生がみんなの前で読んで褒めてくれた。私はいつも、どうやったらうまく書けるかばかり考えて作文を書いていたが、その作文だけは、苦手だった跳び箱やバスケットがB先生のおかげでできるようになって嬉しかった、というようなことを素直な気持ちで書いたものだった。大勢の前で褒められたのなんて初めて。B先生もお母さんも喜んでくれて、すごく嬉しかった。私は何か書くことが大好きになった。

 

 

中学1年 ○月×日

中学って小学校と違って全然楽しくない。わけのわからない集団いじめをされる日々。

 

 

中学1年 ○月×日

同じクラスに助けてくれそうな人がいない。親や先生に相談する気が起こらない。自分で何とかしなきゃ。

 

 

中学1年 ○月×日

違うクラスの強そうな女の子に相談してみた。その子は、いじめのリーダー格の2人と同じ小学校出身。すごく優しい。私を守ってくれると言ってくれた。少し安心した。

 

 

中学1年 ○月×日

勇気を出して、リーダー格2人を教室のベランダに呼び出して、ノートいっぱいに書いた抗議文を思いっきり強気で読み上げてやった。守ってもらう約束を取りつけたこと(「あの子に言いつけるなんてずるい」と文句を言うリーダー格2人)、このまま私をいじめ続けると、どんな悲惨な将来が待ち受けているかなど、書いた内容を一気に、できるだけ冷静に読み切った。そうしたら2人はひるんで泣きそうな顔になった。どうやら内容がかなりこたえたらしい。ペンは強し。

 

 

中学1年 ○月×日

リーダー格の2人は急に親切になった。変なの。でもいがみ合っているよりましなので、私も一応普通に接することにする。いじめは止んだけど、毎日やっぱりつまらない。

 

 

中学1年 ○月×日

放課後、小学校に行き、B先生に相談した。B先生に「君は難しい子だったよ。理解して、コミュニケーションをとれるまで時間がかかった」と言われて驚いた。難しいなんて誰からも言われたことがなかったから。いくつかアドバイスをもらったら、だいぶ気持ちが軽くなった。さすがB先生!

 

 

中学1年 ○月×日

一応、懲りずに小説もどきのようなものを書き続け、ときどき国語の先生に添削してもらっている。とても厳しい指摘をもらう。

 

 

中学2年 ○月×日

B先生が亡くなったという知らせが届く。まだすごく若かったのに信じられない。 私はやっていけるだろうか。

 

 

中学2年 ○月×日

2年になって、すごく仲よくなった友達2人と交換日記をして、お笑いの話ばかりして過ごす毎日。将来のことなんて今は考えられない。ずっと時間が止まってほしい。

 

 

中学2年 ○月×日

また学校に忘れ物をしてきた。うちから学校まで2~3分。ちょっと遅い時間だけど、取りに行く。ペンライトを持って、わざとパーカーのフードをきっちり被って、そーっと忍び込む。自分の机をガサガサやっていると、パッと電気がついた。「また、お前か~。ちゃんと断ってから校内に入れよ」と、用務員さん。用務員さんと仲良しで良かった。スパイに憧れているんです、とは声に出して言わないでおく。この中学の場所は、元死刑場だったらしいけど、夜何度も来ている割には幽霊なんて出たためしがない。霊感がなくてよかった。

 

 

中学3年 ○月×日

今つるんでいるグループは、洋楽好きの人ばかり。イギリス派とアメリカ派に分かれているけど、私は断然イギリス派。Cちゃんが洋楽雑誌を学校に持ってきて見せてくれた。私が好きなデュラン・デュランやスパンダー・バレエのことがたくさん載っている。面白いなあ。将来はこんな雑誌で働きたい。

 

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