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自分の作品をランダムに解説(1 石)

作品解説、と言っても時々Twitter(X)にあげているコードの方ではなくて
これまで作ってきたフィジカルな作品についてです。

まずはじめに簡単に経歴を説明すると
美大を出て、コンピュータによる画像入力の会社(80年代のことで、誰もまだパソコンなど持っていなかった時代なのでこういう言い方になりますが)に勤めた後、一度個展を開き、その後現代美術のインディーズの新聞を作り、フリーランスとしてイラストやオブジェを作っていた時期を経て、2013年にアーティストとしての発表を再開。
1年に1回は何らかの形で作品発表をしてきました。

古い新聞をちぎってパネルに貼るコラージュ作品や
張り子のように土台から新聞紙で作るものなど紙に執着した作品ですが、新聞紙に書かれている文字の内容が読み取れなくなるまで小さくちぎるというのがミソです。

意味を解体し、再構築するというコンセプトの元に作品を作っていました。
でも漢字は一文字でも意味が伝わるので難しい…

↓7つの異なる国と時代の新聞を貼ったパネルを並べたもの

2013 池之端Storefrontにて

そういう時期を経て2015年頃にふと「お札も紙である」という考えに至り
お札をちぎるという暴挙に出ます。
もちろん日本円を破壊すると法に触れることは知っていたので、
ユーロに切り替わった後の、使われなくなったヨーロッパの紙幣などを理想としていたのですが、意外にも多くの人が旅行に行って現地紙幣に換金したけどもういらないと言って現行紙幣をくれるのです。

ものすごい背徳感と罪悪感に抗いつつそれを石に貼る。石ころは価値の対比としてお札をちぎって貼るには最適の素材だと思いました。
大昔は石が貨幣だったこともあったわけだし。

2016 池之端Storefrontにて

石は近所の海岸で拾って来たので、だいぶ後になってから石の里帰りという記念写真も撮りました(笑)

日光浴中!?

現在は私のHPからリンクしているショップで石を売っています。
こちらはパーソナルな過去の新聞を石に固めるというもので、
(例えば誕生日とか、記念日とか)
日本語はいくら解体してもほんのり意味を纏ってしまう、というところを逆手にとった作品です。

ショップ内のブログで、さらに変なことを書いています。
ペットロックのこととか。
興味のある方はこちらもどうぞ。
https://kumikoogi.thebase.in/blog/2021/03/08/232803

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