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キャリア迷子 4

自分の経歴を超かいつまんでまとめるつもりが、とんでもない超大作になってしまいました。まだまだ終わりません。でも自分のために書きつづけます。

第八の迷子時期:40代以降のキャリア形成

  • 会社に骨を埋めるつもりはない。定年になって放り出されるだけだし。

  • 歳をとっても使える、むしろ年季が入るほどに価値があがる職業ってなんだろう。何かしらの職人芸?匠?

  • 究極は、明日もし突然死ぬことになっても、後悔しない今日を生きる。「あー、生まれてきて、生きててよかった」と思える今日を過ごすために、自分は何をしよう?(わくわく)

  • 今やらないと後悔しないことって、何?

もやもや、もやもや、と次のステージのことを考え始めました。

ちょうど社内で新規事業コンテストに参加した際に、”ミドル・シニアの方がもっと自由に職業選択できる社会にしたい”というコンセプトで、コードネーム「桃源郷プロジェクト」と銘打って、同世代の男性社員3人とチームを組んで検討していました。起案にあたって、シニア向けの職安、シニア専門の派遣会社など訪問調査しました。その時わかったことは、シニア向けの求人は「めちゃくちゃ専門性を生かした仕事」か、「ほとんど専門性が求められない仕事」に二極化している、ということでした。「そこそこ専門性/そこそこ経験値」は、シニアより低めの時給で一生懸命働いてくれる若手がいるからです。10年ほど前の話ですが、表に出る「求人」という意味では、二極化の傾向は変わっていないと思います。

当時からシニア起業も流行り始めてましたが、失敗に終わるケースも少なくない。当然ながら、得意分野を生かすことと、経営することは、別物。

一気に危機感が増しました。歳をとって、自分が見るからに明らかなおばちゃん世代になっても、人の役に立つ価値ある何かを持っていること。なかったとしても、どんな仕事でも人の役には立てるのですが、私は何かを持っていたい。それは何だろう。

人材会社にいたので、新規事業となるとやはり人材がらみになります。別の企画のための調査をしていた時に、こんな理論に出会いました。

定年を過ぎてから「さて、新たに何をしよう」ではなくて、そうなる前にタネをまいて、少しずつ育てていき、緩やかに次のキャリアにシフトしていくということです。すごく納得感。

会社にいる間に自分の専門性の「タネ」をどこにまくか。一定期間いろいろ調べた後、実践に移して、心の声を聞いてみることにしました。

もやもやの旅の記録

子供のころから英語教室に行っていて大好きな科目でしたが、若いころはお金も勇気もなくて留学できずじまい。英語を使った仕事に、チャレンジできないか、とまず考えました。ここでまた逃げたら、きっと後悔するなと。

【翻訳】若いころに通信教育や体験コースに行ったりしたりしましたが、黙々と答えのない作業を一人でし続けるのは結構辛いと実感していたので、最初からパス。

【通訳】大手通訳サービス付属のスクールにいき、合計6回ぐらいの体験コースに参加しました。実感したことは、「通訳は、話者の黒子」であり、私の自己表現の余地なし。体験して初めて、「通訳は違う」と理解し、憧れを捨てることができました。

【通訳ガイド/通訳案内士】外国人観光客向けに、外国語でツアーガイドをする仕事です。通訳というより、ツアコン。英語を使って日本の文化や観光地を紹介したり、施設や乗り物の受付や、ホテルへの送迎もします。通訳ガイドの派遣サービスをしている会社の説明会にいき、通訳案内士資格の本も買って読んでみました。結論、「旅行業界に足を踏み入れるのに違和感。」朝早く、クライアントのいるホテルに迎えにいき、バスなどでステレオタイプな観光地(=日本人は行かないけど、外国人が好きなスポットも含む)に行って説明を繰り返し、半日か1日の手当をいただく仕事。興味深いけど、心が望んでないと感じました。
FYI 観光庁 ツアーガイド制度

【子供向け英語の先生】英語が大好きになったきっかけをくれた、子供向けの英語の先生はどうか。30代後半から通っていた英会話スクールが、J-SHINEという小学校向けの英語教員の養成コースを持っていたので、試しに参加してみました。
結論、「子供向けに、歌ったり踊ったりするのは苦手。楽しくない。恥ずかしい。自分らしくない。」妊活中でありながら、子供向けの仕事は性に合ってないと強く思い直しました。コースは最後まで出席しましたが、最終課題は提出せずに資格未取得のまま終わりました。

【業務コンサル】30代前半をほぼ捧げた、アウトソーシング業務立ち上げの仕事。またあの高揚感を求めて、他社の人材紹介会社に登録してみたものの、これといってしっくりくる案件が見つからず。それ以上に、自分の情熱が冷めていることを自覚しました。確かに面白い仕事だけど、結局マンネリになるだろう。体力の衰えも感じていたので、同じ情熱とやり方ではきっとできないだろう、こっちの方向で進めるのはやめました。

こんな時、思いもよらなかった選択肢が浮上します。

【外国人向けの日本語教師】この職業の存在は以前からうっすら知っていましたが、中学校の文法の授業が大嫌い(現代文も漢文も古文も、国語全般苦手)でしたし、どの日本語学校のホームページも全然イケてない気がして、全くの無関心でした。

ところが。英会話スクール以外にも英会話の練習相手を探したいと思って、言語交換サイトitalkiに入ってみたところ、世界中のありとあらゆる地域の人たちから、「日本語を教えてください」「日本語の会話を練習したい」「日本の文化が大好き」などというメッセージをわんさかもらったのです。文字通り、毎日のようにわんさか。

「アフリカの某国の人が、なぜ日本語を?」
「◯◯っていう国・・・それはどこの国?ヨーロッパ?」
「日本でしか話されていないマイナー言語を、きっと日本に来る余裕もないであろう政情不安定な国にいるあなたが、なぜ?」

そんなことを思いながら、メッセージを読んでいました。ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジア、北米・南米、と文字通り世界中のあらゆる国に、日本に関心を寄せ、日本語を学んでみようと思っている人の存在を知って衝撃でした。日本人として視野が狭かった。こんなに親日の人たちが、世界にいるんだ。

ここから、日本語教師になるという選択肢が、大きく浮上するのでした。

一つ一つの選択肢について情報収集し、吟味し、実際に足を運んで体験して、違うものは違う、という判断を重ねてことで、確かな意思決定に近づいていけたと思っています。選択とは、1つ選んで、他を捨てることだから。

つづく

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