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【実践報告】日本語面接対策:CISO

これは超難関・・・この学習者の専門分野は、私も勉強していかないと、ついていけない内容です。いや、無理かな・・・

■学習者プロフィール

出身:カナダ
居住地:カナダ(中国系の奥さんと二人暮らし+わんこ)
経歴・スキル概要:セキュリティエンジニア。現在、カナダ国内銀行の情報セキュリティ責任者(CISO: Chief Information Security Officer)
語学:フランス語ネイティブ、英語もネイティブレベル、日本語は中級(N3以上N2未満)奥さんのおかげか、漢字は強い。読めなくても意味がわかる。
目標:奥さんとともに日本に移住して働きたい
学習スタイル:教科書通りにやるのは嫌い。かなり高い目標を設定して自分の尻を叩いて底上げしたい(そして、できなくても凹まない)

■レッスン内容

学習目標:LinkedInに記載しているだけの職務経歴は、日本語で説明できるようになること。
 希望職種:未定だが、おそらく引き続きCISO/CSO
 課題:システム開発、情報セキュリティ、FinTech関連の単語、慣用表現(ほぼゼロ)

ステップ目標:LinkedInの自分のプロフィール(職歴部分)を、単語を調べながら翻訳する。

この方も典型的なジョブホッパーで、3〜5年ごとに職場を変えているため、
職歴が長い!

事前課題:Google Docに二列の表を作り、左はオリジナル(英語の職歴)をコピー。右は日本語訳の記入欄(空欄)。後半に単語リスト(空欄)を作って、毎週少しずつ、まずは自分で翻訳してもらうことにしました。新しく出てきた単語は単語リストに入れて、意味(英語でもOK)や例文を調べておいてもらいます。リストにしておけば、あとでQuizletとかに生かしてもらえるためです。

レッスン:学習者の日本語訳を読みながら、語彙と表現を確認しながら直しました。かなり難しかったのですが、チャレンジしてくれました。
・本人の翻訳
  ↓
・文法的・語彙的にOKな、必要最小限の修正(日本人には、やや不自然)
  ↓
・履歴書などに使える少し格調高い表現(日本人にとっては自然)

ITならではの言葉遣いは、覚えて慣れてもらうしかない・・・
例)「development」は、通常は「発展」ですが、system developmentと使われる場合は「システム開発」
例)「design」は、文脈によってシステムの「設計」や、画面の「デザイン」と変わる
例)「operation」は、business operationなら「(現場の)業務」、system operationなら「(システム)運用/システムオペレーション」

LinkedInの翻訳がなんとか終わったので、続いて「FinTech入門」という本を調達して、日本語で読み始めることにしました。
彼はこの分野の超エキスパートなので、内容自体は余裕でわかるはず。そこに、日本語の知識を少しずつ当てはめてもらえればと思ってます。
まだ入門編の冒頭の数ページだからいいですが、この先は私の方が勉強していかないとついていけない・・・

ちなむと、知り合いで外国人採用の事業責任者を見つけたので、彼のLinkedInプロフィールをみてもらったのですが、この経歴ならヘッドハントくるよ、とのことでした。だよね。一安心。

■レッスンのポイント

  1. 本人が望むチャレンジを用意する
    現状の日本語レベルではなく、実戦レベルに合わせたため、ハードルは高かったはず。しかし彼の場合は、へこたれないし、むしろ新しい学びを喜んで受け入れるので、大丈夫でした。一般には、高すぎる目標設定は自信を奪いかねないので要注意。

  2. 得意分野の上に日本語をのっける
    知っていることを、別の言語で表現するという喜びがあるようです。

彼は、ただいま奥さんと生まれて初めて訪日旅行中。
恵比寿の隠れ家ビールバーで、乾杯しました!



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