(47)真夏の絶食 つづき④

熱のある母は、コロナ疑いということで、隔離スペースに案内された。しばらくすると看護師さんが来てくださった。午前中、電話したときに受け付けてくださった方かもしれない。看護師さんは私に、「熱も高いし、いろんな検査もしなあかんやろうからその準備もあるし、電話のあとすぐに連れてきてくれると思ってたのに!こういうときは家のことはおいといて、先に連れてこないと。優先して連れてこないと。」と言った。はい。おっしゃる通りです。とわかってはいた。でも、悔しくてつらくてやるせなくて、私は熱のある義母と、看護師さんの前で嗚咽して泣いた。「母は昨日からこんな状態で、日中には救急車を呼んで救急外来へ、帰宅後も様子を見ておける状態ではなく、真夜中から明け方にかけて、また自車で救急外来に連れて行ってました。主人は一昨日から発熱し、抗原検査で陽性だったので、自宅で隔離しており昨日からのバタバタには何も手伝ってもらうことはできません。義父は認知症で、徘徊するほどの認知症で、ご飯の用意も自分では何もできないのでしてあげないといけませんでした。ゆっくりしてたわけではない。」しばらく涙が止まらなかった。明け方少し横になっただけで、24時間体制で義父母のことばかりしている、ということをどうしても伝えたかった。そんな方は世の中たくさんいて、もっと大変な介護をされてる方もいて、私はまだまだ甘えてるのかもしれないけど……でもつらかった。看護師さんは、「1人でやっててんな。」と私の話を聞いてくれた。

義母はコロナの検査や血液検査など、昨日の救急外来と同じような検査も再びしてもらったようだが、やはりコロナは陰性、血液検査でも炎症反応なし。食べれないということでこの日も点滴を打って帰ることになった。しかし、あまりに衰弱が見られるからか、明日、往診させてらいましょうか、という流れになった。

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