(72)過去最大の徘徊

昨日、また義父は徘徊した。真夜中に2、3回、私が寝ている2階リビングにあがってきたりまたおりたりしている音はしていて、義父か、義母か…何の用事でウロウロしているのか…と思いながらも、私は途切れ途切れに寝ていた。朝、アラームはなったが、昨日は日曜日で家族を起こす必要もなかったし、夜中と明け方に義父母のの足音や物音で目がさめたこともおり、私はアラームを消してもう少し寝ようと思い横になっていた。朝の7時半、下からまた義父母の話し声が聞こえてきた。部屋でしゃべっている声までは聞こえてこないが、玄関付近でしゃべっていると2階まで聞こえてくる。なので、部屋から出てきてトイレか玄関あたりで何かしゃべっているなあ…とぼんやり声を聞きなが横になっていた。すると玄関を開けようとする音、そして開け方を聞く義父の声、開け方を教える義母の声が聞こえた。「あけへんやないか!」「鍵がかかってるやないの」「どうやんねん!」「それを縦にまわして、その下も縦にして」「まだ開けへんやないか!」「チェーンもかかってるやないの、チェーン持って上にあげていって、1番上ではずして」と義母がチェーンの開け方を教えていた。散々、義父の徘徊を阻止するために、義父は1人でも時間かけてチェーンをはずす日もあるけど、それでも時間稼ぎに、チェーンをまめにかけよう、と家族全員で協力し、それはもちろん義母にも共有していたことなのに。夜家族全員が帰ってきたら、翌朝までは鍵やチェーンの部分に、「さわらないで!」と大きく書いた紙も貼り付けている。どれも義父の行動をとめる力にはならない日も多々あるのだが、義母にも何度も何度も説明してきたのに。そして、悪い予感がした私は布団から出てきて階段の上からのぞいたが、その瞬間にチェーンは見事はずされ、ドアは開き、義父は出ていった。義母は、「すぐ帰ってくるんやな?気つけや!」と言って見送った。義父が家を出た瞬間を見たものの、私はまだパジャマ。このまま外に走って出て行けば追いつくかもしれない、とも一瞬思ったが…やめた。小さな我が子が、知らぬ間に鍵の開け方を学んで玄関を開け、外に出て行く姿を見たら、パジャマだろうが寝起き顔であろうが走って止める。しかし、今、私がパジャマのノーメイクの寝起き顔で外に走って出て行って義父に追いついたところで、義父の徘徊を諦めさせて家につれてかえることはできないだろうと思った。徘徊に出て行くときは、義父の中では理由があって、絶対にむかわなくてはならないから家族が止めても聞く耳持たず出て行くのだ。私は義父が出て行ってしまったことを夫に伝え、すぐに着替えて出発する用意をした。朝の7:40。明るい時間だからきっとすぐ見つかる。義父の服装も確認したし、エアタグを仕込んだスニーカーしか玄関に置かないようにしたことで、エアタグ入りのスニーカーででかけている。ある程度の位置はわかると思う。


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