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7年前の夫の浮気がまだ許せなくて

【お悩み相談お答えしますvo2.】

2人目の妊娠中の妊婦です。
今現在夫婦の中は良いのですが、
1人目出産時に帰省した際、
私の留守の時に夫の浮気が分かりました。
本人は反省をしている様子ですが、
私の中で割り切れず・・・
1人目と2人目の妊娠まで
7年も間が空いてしまいました。
頭では許している、
許さなきゃダメだと思っていても、
どうしてもあの時の恐怖が抜けません。

両親も健在なので、上の子供を連れて実家に帰省する方が楽なことは分かっているのですが、自分の家に直接帰ることも考えて迷っています。
鈴鹿さんならどうするでしょうか?
                            ―A子―

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こんにちは。
A子さん、ご相談ありがとうございます。似た印象のご相談をいつくか頂きましたので、代表してA子さんの悩みをピックアップさせて頂きました。

不安ですね。
よく聞く話かもしれませんが、夫の浮気は我が身におきたら人生の一大事。ましてや、一人目の妊娠と出産で、心も身体も大変だった時に夫の浮気が発覚したとのこと。

これはあまりにもアルアルな出来事で、誰に話しても「よくあること」と言われて終わりそうです。そして、それどころか妻としての至らなさや、家事で苦手なところ等が思い浮かんできて、「夫の浮気は自分のせい」と自責の念で苦しくなりがち。
よくあるパターンですけど、A子さん、それ違います。

夫婦の浮気問題は、
どちらが悪いということではなく
した方が悪い
のです。
落ち着いて、冷静に考えを進めてゆきましょう。

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「妻が妊娠している→夫は浮気をする」

これは「当然のこと」「よくあること」とでしょうか。

確かに「あれが女房なら浮気もしたくなる」ってこともあるかもしれませんけど、

「妻の妊娠→夫は浮気する」は、「妻が芋を食べた→夫がオナラをした」というのと同じではないですか?

妻が芋を食べた、だから夫がオナラをした。これは世の中で通用しません。
夫がオナラをしたのは、夫の腸内環境の発露、結果であり、妻が芋を食べたことと関係は一切ありません。
よって夫のオナラに妻の責任は発生しません。因果関係は不成立です。

これと同じ理由で、あなたの妊娠中の夫の浮気はあなたの責任ではありません。


妊娠中の夫の浮気に限って言えば
男性の心の動きはこんなところでしょう。

妻が妊娠する
俺の自分の子どもが生まれる?!
生まれる子を大切にするぞ!
え?でも今までと何が変わる?
妻のお腹がちょっと出てきた?
あの中には俺の子どもがいる!
でも、妻の体の変化がよくわからない?!
ちょっと怖い・・・。
どうしよう・・・。
――そうこうしているうちに
あ、ちょっとモゾモゾしてきちゃった
――そんな時に限って
え?俺モテてる?
ちょっとだけ、一回だけなら、
だって、ほら「妻が妊娠中は」ってよくあること
あいつも同じこと言っていたし
一回だけだから
俺だって
一回くらいは

たった二~三回だし

子どもが生まれたら止めるし

授乳中はやっぱり妻に触れないし

子育て中は妻も寝不足のようで、悪いし、さ


こうして男は浮気の道を着々と歩んでゆく。
そしてこの先に待ち受けている崩壊の匂いは濃く強くなってゆく。


妻の側からは


妊娠期間中はセックスがしたくない、
若しくはできない。

夫に申し訳ない。

よって、私は夫の浮気に耐えなければならない。


先にお伝えした通り、あなたと夫は別人格。夫のやらかしたことはあなたの責任ではありません。夫の浮気は妻の過失とは無関係です。そりゃね、お互いに過不足はあるでしょう。言い分もたくさんあるでしょう。


別の言い方をしてみます。

家の扉に鍵をかけ忘れていたから泥棒が入った。

これ、鍵をかけ忘れたことが悪いことですか?
違います。
悪いのは泥棒です。
家の鍵が開いていようと、窓が壊れていようと、他人の物を許可なく持ち去ることは、悪いことです。

妻が夫の性欲に対応できない状況だとしても、そのこと自体が他人との性交渉を許容するものではありません。もちろん、ご夫婦でそれを良しとするなら別です(ご趣味とか、ね)。ましてや、それがお好みでしたらまったく問題はないのでしょう(どうぞお好きに)。


ここまで、まとめます。

・妻と夫は別人格
・妊娠中の夫の浮気は、妻のせいではない。

ご理解いただけましたでしょうか。
では、次に進みます。

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「頭では理解している」
これは、「男は妻の妊娠中に浮気をするのが当然だ」という男性にとって都合の良い言い訳をA子さんは「理解」しようとしているのです。でも、この「言い訳=常識」を受け入れることができなかったから、次のお子さんまで「7年も間が空いてしまった」のですよね。

「頭では許している、許さなきゃダメだと思っていても、どうしてもあの時の恐怖が抜けません。」

「恐怖」。私はこの言葉を見つけた時、A子さんの7年間の苦しみを見た思いがしました。浮気を知ってこみ上げたのは「怒り」ではなく「恐怖」だった。

「両親も健在なので、上の子供を連れて実家に帰省する方が楽なことは分かっているのですが、自分の家に直接帰ることも考えて迷っています。
鈴鹿さんならどうするでしょうか?」


先にお話ししたように、私だったら先ず、相手と自分を切り分けて考えます。相手が浮気をしたのは、私の行いとは全く別のことであること。
その上で、相手と正面から話をします。

そして、
7年前のことについて、怒りではなく、恐怖が今も自分に残っていること。

そして、自分の気持ち。
あなたを好きで、これからも一緒に生きてい行きたいと願っているけれど、今も恐怖が蘇り、家を空けるのが怖くて仕方がないこと。
あなたを信じたい。だけど、常に恐怖に覆われること。

そして、約束をしてほしい。
今回は絶対に浮気をしない、と。

ここまで、自分の言葉で伝えましょう。言いたいことはひとつも残さずに。

もし、約束を破って浮気をしたら、あなたは何をしますか?
それとも離婚?



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この言葉を、私も昔、叫んだことがありました。
叫んだあと、血の気が引いて腰が抜け、しばらく立ち上がることができませんでした。
もう何十年も前のことで、
ずいぶん色あせた記憶です。
そして今はもう、笑い話になっています。
若かったな、って。

それでもね、
傷痕は残ります。

そして、
傷痕が残るのは、傷つけられた方だけ。
傷つけた方に傷はないのです。
だから傷つけた方は、忘れます。

「浮気はしません」と彼は約束するかもしれないけど
A子さんがしなければならないのは覚悟です。

傷は癒えるけれど、傷痕は一生残る
ということ。
そのうえで、どうするのか身の振り方を考えてみると分かり易いかもしれません。

もし彼がまた浮気をしたなら、離婚するもありでしょう。
夫として父親として、一緒に暮らしてゆくこともありでしょう。

どちらが正解でどちらが間違いというものではありません。

ただ、どちらを選んでも、その傷痕は一生A子さんについて回ります。

人は生きている限り、大なり小なり傷を負います。他人につけられたものだけでなく、自分でつけてしまう傷もあります。
大切なのは、その傷痕を自分に隠さず、「これも私の一部」と真正面から受け入れること。そして、人生の傷痕のすべてが、あなたの人生を彩る最高の模様になるよう、これからを生きていくことです。

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夫にどう伝えるのか、何を約束してもらうのか。
そのことと一緒に、
傷は消えないこと。それと一緒に生きていくことの覚悟を持つこと。

これしかないと、私は思うのです。

どうぞ、逞しく乗り越えてください。
いつの日か、お子さんに「生きるってこういうことよ」と胸を張って話すことができる日が来るように。
そうしたら、最高にカッコイイ人生の先輩として、お子さんにその背中を見せてあげられると思います。

応援しています!

鈴鹿久美子


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