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GABAたっぷり!『蔵人が醸す酔い薬』発芽玄米酒 3年目を迎えました!

こんにちは!
気付けば、熊澤酒造で働き始めて5年目突入した蔵人、みそらです!
時が経つのが早い…
いつも天青をご愛顧いただき、ありがとうございます😊

今回は、私が2022年にはじめて商品開発したお酒、
『蔵人が醸す酔い薬』の三回目の醸造を終え、無事に発売を迎えることができましたので、このお酒について振り返ろうと思います!

どうぞお付き合いください😌

2022年のNOTEは、こちら⇓⇓⇓

2022年のnoteを読んで頂くとよくわかりますが、苦戦しました…とても。

🌾そもそも、発芽玄米酒とは?


改めて…《天青河童 発芽玄米全麹仕込み》とは、
せっかく一生懸命育てたお米を磨いてしまうのは、もったいない!
発芽玄米の栄養素をお酒で表現したい!
こんな思いから、完成したお酒です。

収穫したばかりの玄米

通常の日本酒は、麹・水・蒸米を使用します。
しかしこのお酒は、蒸米を使わずに米の全量を麹で仕込みました。

浸漬後の水切り

全麹仕込みにチャレンジしたのは、発芽玄米の香ばしくて甘い香りに加えて雄町の旨みをしっかりと表現したかったからです。

麹には、糖化の役割があるだけでなく、酵母に必要な栄養素が含まれていす。そのため、全量麹で仕込むことで糖化が進みやすくなり、酵母の活動も活発になります。ですので、米がよく溶けて、タンパク質をアミノ酸に分解するため、濃醇な味わいに仕上がります。

一回目はとにかく溶けなかった!!!
その反省をもとに麹作りの改善だけではなく、どうにか溶かす方法を考え、、、高温糖化法という仕込み方法に変更しました。

高温糖化法とは?
高温糖化法とは、酒母の仕込み方法の一つで、仕込み温度を55~60℃にしてその温度を6~8時間維持させ、急冷してから酵母を添加し発酵させる方法です。こうすることで、糖化不良にならずに仕込むことができたのです!!
日本酒は並行複醗酵ですが、今回はビールの単行複発酵に似た仕込み方法ですね…!!

ちなみに単行複発酵とは、糖化と発酵を別々に進行させる醸造法です。
日本酒の場合はそれを同時に行うので並行複醗酵と呼ばれています!

発酵中のもろみ


仕込みは順調に進みました!が、もろみ後期に発酵力が維持したことに全麹仕込みの難しさと、改めてBK-5(自社酵母)の強さを感じました。
恐るべし、BK-5!!!

🌾三年目の味は?!〜造りの工夫点と味の特徴〜


仕込み方法を変えたことで、味わいにも変化が…
一回目は甘さが特徴的で、ふわっと広がる玄米らしい味わいが女性に大人気!麹由来の甘さと独特な酸味のバランスが良く、後味はワインのような渋みが特徴で、シャープな味わいに仕上がりました。

そして三年目を迎えた今年!
より糖化させることができたので、雄町の旨味や玄米ならではの芳醇な香りを引き出すことができ、滋味深い味わいに仕上がりました。

しっかり冷やすことでこのお酒を印象づける独特な酸味を感じられ、温度が上がるにつれて発芽玄米の香ばしさや麹由来の優しい甘さが出てきて、より素材の味を感じていただけます。

完熟した果実のようなフルーティさもあり、発芽玄米からできたお酒とは思えない味わいに仕上がりました!

🌾料理ペアリングすると、美味しさUP!


一回目は甘さが飲み飽きする印象だったので、少し発酵期間を伸ばし、日本酒度などの目標値も変更しました。
一回目の時と比べて、もろみの状貌や発酵経過など未知の領域。
もろみを見て、味見をして、分析結果とにらめっこして、、、
上槽のタイミングを見極めました。

分析用のサンプル

不安もありましたが、
仕込み方法も味わいも変えてよかった!!!

一回目の味わいは、ちょこっとナッツをつまみながら、食前後に飲むことに向いていました。クリーム系の料理と相性が良かったです!料理と一緒に楽しむ”食中酒“とまでは行かなかった印象です。

ですが、二回目・三回目。
甘さを抑えたことでより食中酒に近づき、老若男女問わず飲んでいただける味わいに仕上がりました。今回も料理と合わせるのは少し難しいかなと思いながら、色んな料理と合わせると、新たな発見がいっぱい!!!

このお酒特徴でもある酸味や甘味を包むようなクリーム系の料理も良し!
味の濃淡に関わらずオイリーな料理も良し!

個人的なおすすめは、クリームチーズとアジの南蛮漬けです🍶

とくに蔵元料理天青で大人気の「クリームチーズの吟醸酒粕漬け」と相性抜群♪


蔵元直売所にて販売中


料理と合わせることで、単品で飲む味わいが変わってくる面白さを、ぜひ体感してほしいです♪思ってもいない組み合わせがマッチすることもあるかも?! 


この三回目の発売のタイミングで、熟成させた一回目と二回目のお酒を飲みました。

面白い。 美味しい!

力強い旨みが印象だったあのお酒が濃い琥珀色に変わり、味が乗り、酸味が落ち着いて…きれいに熟成されていました。
もちろん今飲むのも良いですが、少しねかせて飲むのも楽しみです😌


🌾発芽玄米酒をつくろうと思ったきっかけ


このお酒を作ろうと思ったきっかけは、酒米プロジェクトにあります。
削られるのが当たり前の酒米ですが、米を育てることの大変さを目の当たりにした時。「もったいない」と思ってしまったんです!

収穫を待つ稲穂


熊澤酒蔵では2020年より「酒米プロジェクト」と称し、私たちが醸すお酒に使う酒米は全部、自分たちで育てよう!とういう企画が始まっています!


2020年は五百万石だけでしたが、翌年の2021年には栽培が難しいとされている『雄町』にチャレンジ!この品種が今回のお酒に使われています。
雄町という品種は、原種なので品種改良されて育てやすくなった酒米と比べて収穫時期や肥料の具合などが異なってきます。「山田錦」や「五百万石」のルーツとなった品種です。

すくすく育つ苗

酒米プロジェクトが始まって、今年で4年目!!!
有難いことに田んぼの面積は、毎年増えています。
はじめは、芹沢の1反のみでした。今では、芹沢だけでなく寒川や赤羽根にも広がっています。

そして今年。
自社管理と協力農家さんを合わせると、約12町歩(東京ドーム約2.5個分)にもなりました!お酒の生産量でいうと、全生産量1/3を賄える量になっています。まだまだ全量自社米とはいきませんが、プロジェクトメンバーが中心となり、協力農家の方や全社員の協力のもと今後もこの酒米プロジェクトを進めています!!!


赤羽根の田んぼ


天青河童 発芽玄米全麹仕込み

健康志向な方や珍しいお酒に興味がある方、もちろんお酒好きな方などたくさんの方々にご購入していただき、今までにない新たなカテゴリーのお酒として注目されています。

「発芽玄米からできたとは思えない!!」
「日本酒は苦手だけど、これは飲める!」
「古酒や紹興酒みたい!」「少しでも身体に良いものを飲みたい!」
「クセになる味わい!」などなど、感想をいただいています!

ありがとうございます!😊

🌾美容にも◎健康にも◎

玄米に栄養素がたくさん含まれていることはみなさんご存知でしょう。

では、発芽玄米はどうでしょう!?

たくさん含まれる栄養素の中でも注目されるのがGABA(γアミノ酪酸)です。私たちの体内に普段から存在しているアミノ酸の一つで体内でも作られますが、疲労やストレスを感じると大量に消耗してしまいます。GABAが入ったチョコレートや飴が売られているほど、食事から直接摂取することは非常に重要なことなのです!

暑い夏。
今まで以上にストレスを感じやすくなっている方が多いと思います。GABAは、ストレス緩和睡眠の質向上血圧向上の抑制などの効果が期待できます。また、通常の日本酒に比べてアミノ酸が4~5倍含まれていて、
健康だけでなく美容にもおすすめです。
普段お酒を飲まない方にもこの発芽玄米の栄養素をお酒として楽しんでいただける一杯です!

食事と一緒に。
ホッと一息つきたい時に。
ぜひ。

乾杯


🌾最後に


せっかく一生懸命育てたお米を磨いてしまうのはもったいない‼
発芽玄米の栄養素をお酒として表現したい‼

こんな思いから完成したお酒です。

今年も、数量限定醸造!!!

【蔵人が醸す酔い薬】ぜひご賞味ください。






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