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ナレーションを極める23 なりたいナレーションを”たくさん浴びる”

ナレーターの熊崎友香です。テレビ東京WBSや、NHKアジアインサイトなどでナレーションをしています。プライベートでは、4歳と6歳の子供を育てています。

先日、ワークショップに参加してくださった方から、「日頃の仕事のクセ(口調)が抜けない」と言うお話しがありました。

これ、私もあります。「レギュラー癖」と呼ぶ人もいるんだそうですが、WBSのナレーションをしていると、夜の番組ということもあり、他の番組よりゆっくり読んでいたり、トーンもそんなに高くなかったりするので、他の現場で「もう少し明るくお願いします」「もう少しテンポアップして」「もう少しテンション高く」などとご指摘いただくこともあります。

他のナレーターさんの読みを聞いていても、○○ぽいな、と思っているとやはり、そういう番組をやっている。ということが多いです。

ですから、逆に言えば!

なりたいナレーター、やりたい番組があれば、それをたくさん”浴びる”ことで、レギュラー癖のように体に染み込むのではないかと考えています。

例えば私の場合、NHKで12年間リポーターとして働かせていただきました。当然、職場では朝から晩までNHKのテレビが流れています。上司や先輩は全員NHKのプロのアナウンサー。(ありがたい環境です、感謝)さらに、ニュースウォッチ9や、NHKスペシャル、ETV特集などは、必ず録画して、自宅で観ていました。特に、大好きなナレーターさんやアナウンサーさんの番組は、それはそれは熱心に拝見していました。

するといつの間にか、番組の入りは、こう言った感じ。話が変わるときは、こういう感じ。話が終わるときのおさめ方はこういったイメージなど、場面場面での音、ナレーションの型が私の中に入っていたのです。

NHKを卒業し、子育てをしている今、正直、たくさんの番組をじっくり観て研究する時間はありません。焦ったり、自己嫌悪に陥ることもあります。だからこそ、あの12年間の経験が、今の私を助けてくれているなという実感があります。

(今も本当はもっと研究をしたいというジレンマはありますが。。。)

これは報道に限ったことではありません。バラエティで超売れっ子のナレーターさんは、きっとバラエティ番組をたくさん観て研究し、体に染み込ませていらっしゃるのだと想像できすよね。

ですから、なりたいナレーター、やりたい番組がある時は”たくさん浴びる”ことが、近道なのではと思いますし、その経験はやがて自分を助けてくれる財産となります。

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