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生き抜くために都市部の生活を捨てて農村へ戻る中国人のお話

先日遊びに来てくれた店長さんのご家族は重慶の中心部に住んでいたのですが、先日、田舎に引っ越したそうです。

理由は・・・生き抜くためです。

どうして生き抜くために田舎へ移動したのか

それは都市部では食料の手配が難しくなると予測したからです。都市部の生活が楽なのはライフラインが発展しているからです。

しかし、ライフラインが少しでもほころぶと都市部の暮らしはあっという間に地獄とまでは言わなくても、まともな日常を送れなくなるレベルまで落ち込みます。

2年前、弊社のスタッフが武漢でロックダウンされました。数ヶ月の間、白菜とかの野菜は届いたものの肉などはなく、とても辛い経験をしたと話していました。もし配給にのみ頼ることになると、好き嫌いを言うこともできません。

そういう状況になることを恐れて、都市から逃れ田舎へ戻る人が増えているようです。農村部に戻れば、農業もできるし家畜も飼える。田舎でも情報インフラはしっかりあるので娯楽にも困らないということで、都市から撤退することに不便はないそうです。

すでに店長さんのご両親は、田舎で農業をはじめており、軌道に乗り出していると話してくれました。

こういう話しを聞いていると中国人の対応力の凄さを感じます。

田舎への撤退ができない人たち

しかし、同時に今の暮らしを変更する手立てを持たない人もいます。実家がない、もしくは理由があって家族を頼れない人たちもいます。

わたしの住む大都市は、地元民がほぼいない場所と言われています。子どもの頃に、両親が仕事を求めこの場所へ移動してきて、ここで育った移民2世たちは、当然田舎などを持っていません。

そのような背景の人は、この場所で生き抜かなければならないのですが、仕事を見つけることもキープすることも難しく、自殺を選ぶ人も少なくないと聞きます。

今まで中国では家族もしくは親族がセイフティネットとなり、困った時は支え合い助けあうものだったそうです。みんな、口では文句を言いながらも、最後は身寄りのない親族を養ったりすると聞きます。

しかし、その家族にも頼れない人たちは、これから何を理由に安心感を得られるのでしょうか?

きっと、今後はこれまで以上に人の縁が大事になっていくと思うのですが、無い袖は振れないのも事実ですし、終わりがみえない中での助けあいというのも辛いものです。

そういう状況で、どうやって生き抜いていくのだろうと考えてしまいました。

外国人のわたし

外国人のわたしにとって、中国人の田舎にあたるのが祖国である日本です。日本へ帰ることで生活の基盤を揃えることが可能です。

ただ、帰って得るものもあれば、失うものもあります。中国人が田舎に帰って、辛い思いをして農作業するように、わたしも日本へ帰国したら生き抜くために、どんな仕事でもしなくてはならないのでしょう。

そういう覚悟をもつ必要もあるなと考えたりもしました。
今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。

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