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ゼロ初級クラスの最初の授業でとある中国人から大きな声で文句を言われた話

困ったことや気に食わないことがあると、大きな声で意見を言いだす人がいます。

もしその人の主張が筋の通った意見であれば、まだよいのです。

場合に寄っては、ただの文句、つまりダダをこね始めると本当に参ります。

とあるクラスで起きた出来事です。そのクラスは日本語ゼロ初級で、その日は最初の授業の日でした。

1時間ほどかけて、日本語の特徴とひらがなについて学習しました。

そして、ひらがなばかり勉強していると疲れるので、実は日常的には使われることはない有名なフレーズ「わたしはマイク・ミラーです」を一緒に練習しました。

約30人に学生たちは、自分の名前を日本語で言えるようになり喜んでいるように見えましたが、一人の参加者が休憩時間に入った瞬間、切れながら「全然理解できない」とわめきだします。

わたしにではなくて、事務担当の中国人スタッフに食ってかかってましたので、わたしは遠巻きに何を言っているかを確認しました。

その人の主張は「ひらがなが読めないので、板書がわからない」「自己紹介なんてできるはずがない」「フジコフジコ」っと感じです。

最後のほうは、当人も興奮してしまい自分でも何を言っているのかわからない様子でした。

他の参加者も「本当に何を勉強してるのかわからないのか?」「わたしは○○ですというのはそんなに難しいのか」と言いますが、反論されればされるほど当人は熱くなります。

面倒なことにならないと良いなと思っていると、事務担当者が「先生、授業内容を変えてくれませんか」と言うので「どのように」と聞き返しました。

すると「あの学生が満足できるレベルで授業してください」と言います。

わたしは声が大きい人の意見を取り入れるタイプではないですし、そもそも授業は準備されたもので突如の変更はできないので「無理ですね」と言うと「クラスのレベルに合わせてください」と食い下がります。

それで「レベルには合っていると思いますが、あの学生が満足できないだけですよね」と言うと「先生の好きにしてください」と言いますので「そうします」と答えました。

その後、その学生はふてくされることもなく参加していました。大きな声をだしたので満足したのか、意見を言っても仕方がないと諦めたのかどちらかでしょう。

さてさて、不愉快なことや困ったことがあると大きな声を出す、そして大きな声に過剰に反応するという流れにいつまでたっても慣れません。

お客さまは神様ですという言葉を誤解して、クレーマーに対応したり、顧客が貧乏神になっているにもかかわらず奉ったりするのは日本でも見られます。

そして、そのような対応には何のメリットもありません。次なる悲劇を生み出すだけです。

そして、大きな声でわめく人を見るたびに、子どもの頃に情緒が安定しなかったのかな、よしよしと話を聞いてもらえなかったのだろうかと可哀想だと思います。

確かに日本語教師はサービス業です。

しかし、日本語教育はサービス業ではなく、教育事業です。

この違いを身内が理解してくれないと面倒くさいなと思うとともに、たった一人のわがままに付き合わされるのかと思うとちょっと憂鬱になりました。

ただ、文句の声が大きい人ってすぐにいなくなることが多いので、実はそれほど心配しなくてもよいかと思ったりもしてます。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日〜

ぜひぜひ、サポートをお願いします。現在日本円での収入がなく、いただいたものは日本語教材や資料の購入にあてます。本当にありがとうございます。