見出し画像

中国での塩対応と神対応を分析してみた件

塩対応って言葉があります。

〔新〕そっけない態度。愛想のない対応。「アイドルがファンに塩対応をする」

明鏡国語辞典3版

[俗に、芸能人などの]無愛想な対応。[対]神対応

三省堂現代新国語辞典7版

(「塩」の項目で)〔俗〕そっけないこと。「塩対応」

三省堂国語辞典8版

いずれにしても、そっけないこととしています。

ただ、由来はアイドルがファンに対して冷たい対応をすることだったと思うので、ただ単にそっけないというよりは、本来であればキチンと対応すべき人があえてそっけない対応をすることを指していると思います。

さて、中国にも塩対応、そして神対応があります。

では、何によって塩になったり神になったりするかと言うと、影響力です。

先日、エアコンから水漏れし始めました。我が家はロフト式になっておりエアコンは高さ3メートルくらいのところに設置されています。

それで、通常のエアコン掃除業者は対応できません。

それでマンションの管理事務所に連絡します。

しかし、まったく返信がありません。朝にメッセージを送り、昼前に送り、午後に送り、夜終業間近に確認のメッセージを送ります。

中国のメッセンジャーアプリであるWeChatには既読を判別する機能がありませんので、読んでいるかいないかはわかりません。

でも、彼らが用事があるときはそのアカウントで要件を伝えてきますので、わたしの送ったメッセージを読んでいないということはないはずです。多分。

その間にも水は無情にも室内に垂れ続けています。

それで、夜9時を過ぎていたのですが大家さんにメッセージを送ります。

すると、大家さんは「管理事務所に連絡しますね」と返信してくれ、その後10分ほどで担当者の連絡先が転送されてきました。

友だち申請すると、管理事務所の方が「水漏れは大変ですね。明日、作業員を向かわせます。何時ならご都合良いですか」と言います。

大家さんの影響力は絶大ってことです。

恐らく、大家さんが管理事務所にクレームを入れると面倒なことになるのでしょう。店子が幾らお願いしても塩対応だったのに、大家さんが関わると神対応になります。

もちろん、日本でも同じようなことは起きます。

例えば、最近わたしは日本に帰ると、なぜか香港人か台湾人に間違われます。そして変な英語で話しかけられます。

また、店員の態度が良くないことも多々あります。

ある百貨店の店員の態度があまりに良くなかったので「どうして英語で話しかけるのですか。あなたは外国人の客にはそういう対応をするのですか。ちなみにわたしは日本人です。あなたは●●さんと仰るのですね。どうして、失礼な態度を取るのですか」と言ったら、なぜか「申し訳ありません」と謝罪されたことがあります。

謝罪なんかいりません。理由が聞きたいだけです。意味がわからない。

それはさておき、言いたいことは人を立場や身なりで判断する傾向がどの国にもあるってことです。

ただ、日本の場合、見た目で人を判断する傾向があるように感じ、中国では影響力で判断する傾向があるように思います。

言い換えると、中国ではお金を持ってそうな人であっても、自分には関係ないと思われれば塩対応を受ける可能性があると言うことです。

大家と管理事務所という関係では、完全に大家さんが上位者です。それで管理事務所の対応は神となります。

しかし、管理事務所と店子では、そのようなヒエラルキーの関係はありませんので塩対応となるのでしょう。

それで、中国で暮らすにあたり塩対応であったとしても、そんなものだと思って過ごすと良いでしょう。

一期一会は日本の言葉であり、中国由来ではないのも興味深いです。

今回が最後のチャンスと思っておもてなしするなんて、中国人からすると愚かな人がすることなのかもしれません。

だって、おもてなしにはリターンが必要なのが中国なので。

でも、だからこそ、中国において見知らぬ人から示される笑顔のようなちょっとしたことが人を動かすこともあるのですが、そのことは、また次に書こうと思います。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日〜

ぜひぜひ、サポートをお願いします。現在日本円での収入がなく、いただいたものは日本語教材や資料の購入にあてます。本当にありがとうございます。