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【鬼滅の刃×ギリシャ思想】~水の呼吸から見る「水」の深い意味①~

 鬼滅の刃の続編がアニメ化されることを聞いて、鬼滅ファンとして楽しみな今日この頃です(笑)。

 遊郭編ということで、子どもへの伝え方が気になるところですが、

続編ということは、無限城までのストーリーを描いていく方向なのかなぁと。

アニメ化してほしいシーンがたくさん有るので、そう言った意味でも楽しみです^_^

10月16日スタートということを聞き、
少し遅めのリリースだなと感じました。

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(画像元:鬼滅の刃公式Twitter

おそらく、あのアニメのクオリティを出すためには、それ相応の時間がかかるからなんだろうな…とも思います。

最近、アプリでイラストを描いてますが、
相当な労力であることをしみじみ感じています。

ちょっとイラストを描くだけで、
1時間吹っ飛ぶ…。

気が遠くなるような作業の繰り返しなんだろうな…と。

アニメの制作会社、声優さんはじめ、

エンターテインメントを届けてくれる関係者の方々には頭が下がります。

もっともっと待遇が良くなったらいいな。

評価されるべき人がきちんと評価される社会にしたいな、と思うところです。

さて、最近さぼり気味だった「鬼滅で倫理」。
頑張って書いていこうかなと思います(^^)。

■水の呼吸のおさらい。

まずは水の呼吸のおさらいからいきましょう。

水の呼吸は主人公、竈門炭治郎(※)と水柱である冨岡義勇が使う呼吸法です。
※炭治郎は後に違う呼吸を習得します。

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水の呼吸の型は、その名の通り、どんな形にもなれる水のように変幻自在であることが特徴です。

そのため、どんな敵にも対応できる受けの型とも言えます。

型の数も多く、以下の11個の型が存在します。

壱ノ型   水面斬り(みなもぎり)
弐ノ型   水車(みずぐるま)
参ノ型   流流舞い(りゅうりゅうまい)
肆ノ型   打ち潮(うちしお)
伍ノ型   干天の慈雨(かんてんのじう)
陸ノ型   ねじれ渦(ねじれうず)
漆ノ型   雫波紋突き(しずくはもんづき)
捌ノ型   滝壺(たきつぼ)
玖ノ型  水流飛沫・乱
    (すいりゅうしぶき・らん)
拾ノ型  生生流転(せいせいるてん)
拾壱ノ型  凪(なぎ) 
     ※富岡義勇オリジナル技


技を高めるには「水面のように静かな心」も重要とされています。

主人公である炭治郎も、
自分の感情に左右されずに落ち着いて戦闘に向かっていこうとしている姿が何度も描かれていました。

個人的には、玖ノ型の水流飛沫・乱の言葉の響きが好きです(笑)。

■「水」に関連する2人の思想家 ~タレスと老子~

さっと解説をしていきましたが、ここで問いたいのは、

「なぜ『水』に注目して技が出来たのか」です。

ここで1コマ、水の呼吸の本質を捉えた鱗滝さんの言葉を紹介します。

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(漫画「鬼滅の刃」第3巻より転載)

言われてみれば、水はどんな風にも変わるな、、、と、私もこの場面を見て共感しました。

水の本質を端的にとらえた、
鱗滝さんの名言だと私は勝手に思っております(笑)。

作者の意図は分かりませんが、
水は古来から様々な例えに使われてきました。

水と聞いて思いつかべる思想家は以下の2人です。 

自然哲学者と呼ばれる「哲学の祖」、タレス

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(テオーリア最新倫理資料集 p23より転載)

中国思想の中でも独特の思想を打ち出した、
もはや仙人である老子

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(テオーリア最新倫理資料集 p78より転載)

2人を紹介すると長くなるので、
今日はタレスに絞ってお話します。

■あらゆるものの中心にあるのは「水である!」

タレスは今から2000以上前、紀元前624年頃に生まれた人物です。

それまで台風や落雷といった自然現象を、神話という物語ではなく、

自分の頭で考え、論理的に考察した最初の人物になります。

当時は神話が絶対で、「なんで雷が落ちるの?」「雷の神がいるからだよ」という風に、ごくごく当たり前に神話が価値観の中心でした。

しかし、タレスはその価値観から脱却します。

「自然現象は神の仕業ではなく、あらゆる万物が自らの力で起こしているのではないか?」

この疑問から、彼は、目に見えている世界に対する探究を始めます。

彼は神話から離れ、自分の頭で思考し始めたという点で、

のちに「哲学の祖」と言われるようになりました。

彼が探究した「世の中を動かす根本的な何か」のことを、

少し難しい言葉ですが
ギリシャ語で「アルケー(万物の根源)」と言います。

タレスは、このアルケーの正体が「水だ!」と考えました。

彼は、人間が食する「栄養物」をはじめ、
あらゆるすべてのものに湿気があることを発見し、アルケーは水だと考えたそうです。

さらに水は、人間が何もしなくても勝手に下の方へ流れていきます。

時期はかなり外れていますが、
流しそうめんで流す水を思い浮かべれば、イメージがわくと思います(笑)。

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その様子を観察して、
彼は「水は自ら(みずから)動いている。これこそが世の中を動かす根本なのではないか?」

という考えに至ります。

今の科学からすると、
世の中を動かしているのは「エネルギー」です。

現代人からしたら幼稚に思える考えかもしれません。

しかし、それまでの常識を疑い、客観的に、自分の頭で思考する彼の姿勢は見習うべきものがあると感じます。

特に災害時のデマに対する判断力。

東北で大きな地震があったときに、ニュースで、SNSでデマが流れていたことが報道されていました。

決して許せない行為ですが、個人的に、この報道は自分への「戒め」になりました。

鵜呑みにするか、ちょっと立ち止まって根拠を確かめるか。

それができるかどうかは、タレスのように自分の頭で思考できるかどうかにかかっているのかなと思います。

さて、タレスが「アルケーは水!」と言ってから、
その後次々に「アルケーは○○だ!」と主張した自然哲学者と呼ばれる哲学者が出てきます。

以下、一覧を載せます。

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上の画像をご覧になれば分かると思いますが、
「万物の根源は火である」といった人物もいます。ヘラクレイトスです。

火も、人間が何もしなくても刻一刻と形を変え、自ずから動いている存在と捉えることができます。

彼は、火がすべてを破壊し変化させる力を持つことから、
絶えず変化する世界の背後にあるアルケーを火と考えたそうです。

2000年以上前の人の考え方ではありますが、
今の私たちにも考えるきっかけを与えてくれる、鋭い思想だな…と感じるところです。

鬼滅の刃に話を戻しますが、鬼滅隊最強の剣士である柱には、
炎と水の呼吸は必ず入っていたという設定があります。

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なぜなのかな…とぼんやり思っていましたが、
2000以上前の人が「水」と「火」に注目して思想を深めていたほどなので、

火と水はそれだけ秘める力が強く、人を魅了するのだろうな…と頭の中で考察していました(笑)。

■熊本コソコソ噂話 ~熊本と「水」の深い関係~

長くなってしまいましたが、最後に1つだけ!

実は熊本市の水道は地下水100%。こんな都市はかなり珍しいそうです。

そのため、浄水器が要らないほど美味しいです。
その水で炊くお米も最高です(^^)

調べてみたら、
何と「2013国連“生命の水”最優秀賞」を受賞していました・・!(熊本市役所HP

その地下水の水源である白川水源というところにも行きましたが、

水が湧く様子に生命の力を感じました(^_^)/

ぜひ一度、熊本のお水を堪能してみて下さい🙇‍♂️


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