『社会人大学人見知り学部 卒業見込み』オードリー若林正恭、初のエッセイ!M-1後の社会人生活を振り返る
サイレントマジョリティの叫びが詰まったエッセイ。
人嫌いじゃなくて、人見知り。
自分を客観視してしまって、色んなことが恥ずかしい。
自分のメンドクサイ性格に嫌気がさしたら、手に取ってほしい1冊です。
若林正恭が社会参加を実感し始めた、M-1準優勝以降を振り返る
『社会人大学人見知り学部 卒業見込み』は、文芸雑誌のダ・ヴィンチに連載されていたエッセイをまとめた1冊。
二〇〇八年の「M-1グランプリ」で二位になってからテレビの仕事が増え始めた。ぼくはその頃から初めて社会というものに自分が参加しているという感覚を味わった。一般的には高校や大学を出て働き始めてぐらいからを社会に参加しているというのだろう。しかし、ぼくがそういった感覚を味わい始めたのは三十歳になってからであった。
2008年のM-1グランプリ直後から、社会人1年生、2年生と数えていき、4年目を迎え、真社会人となるまでの日常のアレコレをつづった内容になっています。
社会人1年生のお話と、卒業論文というあとがきは、「完全版」と銘打たれた文庫本の書き下ろし。
若者らしく尖りつつ、コミュニケーションに悩む、人一倍繊細な内面を抱えて悩む姿には、きっと共感できる部分があるはず。
ユーモアに包まれた、自分に真摯な人間性にほっこり
若林さんは、この後も何冊かエッセイを出版されていて。私がそれらを読んでみて感じたのは、「自分の頭で考えて、自分なりの答えを見つけて実践する人」だなぁということ。そして、その自分なりの答えが興味深い。
「よくある悩みだけど、じっくり考えたことがなかったな」ということに、一歩踏み込んでみる。この本でも、そんな一面を垣間見ることができます。
ぼくのような人間が十二分に頑張っている人に「がんばってください」と言っていいのかと疑問に思ってしまうのだ。(中略)ぼくは考えた。「がんばれ」に代わる言葉を。
この後、5案出てくるんだけど、そこから1案に絞るために色々と考える話は、クスッとなること必至。
他にも、相方の春日俊彰への憧れを語ったエピソードは、なんだかほっこりしました。相方っていいな。
さてさて、今日はここまで。
人見知りを自覚している人、読んだらきっと、気持ちが楽になります。
あ!さいごに、エッセイ内で若林さんが紹介していたマキタスポーツさんの『一億総ツッコミ時代』も、めちゃくちゃ「わかる!」のオンパレードでした。
どいつもこいつも評論家ヅラ、ツッコミ過多の時代。ツッコミからボケに転身せよ!というパワーあふれる1冊。日常を楽しくしたい人、ぜひ読んでみて。
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