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女子高生×ミニチュアハウス

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後藤葵はミニチュア作りが大好きな女子高生。 つらいときも、悲しいときも、ミニチュアを作っていれば、すべてを忘れられる。 そんな葵のミニチュアが注目を集めて、人生が大きく動き出す。…
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#女子高生

愛なんか、知らない。 第3章⑨さよならの家

 翌日、私は泣きはらした目で学校に行った。  おばあちゃんは「今日は休めば?」と言ってく…

凪
4か月前
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愛なんか、知らない。 第3章 ⑧悲鳴

 コンテストの締め切りまで、後一週間になった。  30日にはミニチュアハウスを事務局に送ら…

凪
4か月前
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愛なんか、知らない。 第3章⑦二軒目のミニチュアハウス、完成

 冬休みに入り、古谷さんにミニチュアハウスを渡すために老人ホームを訪れた。 「こんにちは…

凪
4か月前
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愛なんか、知らない。 第3章 ⑥突然のオファー

 最後に望月さんに挨拶していこうと待っている間に、教室の隅に飾ってあるミニチュアハウスを…

凪
4か月前
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愛なんか、知らない。 第3章 ⑤トルソーに愛をこめて

 トルソーの本体は布を小さな型紙に沿って裁断して、縫い合わせて立体にしていく。家から持っ…

凪
4か月前
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愛なんか、知らない。 第3章④大切なひと時

 次の日、展示会で買ったミニチュアを学校に持って行くと、予想通り、みんな大興奮だった。 …

凪
4か月前
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愛なんか、知らない。 第3章③運命の出会い

 望月さんのブースは、かなり人が減ってきていた。  写真撮影している女の子たちを横目に、並んでいる作品を眺める。  ミニチュアハウスを制作して販売しているだけで、グッズは売ってない。しかも、その作品の値段は300万円や500万円と、とびきり高い。すべて売約済みのシールが貼ってある。すごい世界。。。  ミニチュアハウスは、まるで外国の絵本に出て来そうなかわいらしい家ばかり。  家の中を覗き込んで、釘付けになった。  すべての家が、ピンクがベースになっている。ピンクの壁紙、ピン

愛なんか、知らない。 第3章②ミニチュアの祭典

 興奮度マックスになった私は、次々とブースを見て回った。  伝統工芸の小さな家具を売って…

凪
5か月前
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愛なんか、知らない。 第3章さよならの家 ①新しい日々

 文化祭が終わって、一週間が過ぎた。  私はすぐには気持ちを切り替えられなくて、流される…

凪
5か月前
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愛なんか、知らない。 第2章 ⑬ここが、私の居場所

 文化祭二日目は、ミニチュアグッズを何とか500個ぐらいそろえて販売できるようにした。急い…

凪
5か月前
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愛なんか、知らない。 第2章⑫もう、戻れない家

 今、分かった。お父さんもお母さんも、「痛み」が分からないんだ。  子供のころ、学校でつ…

凪
5か月前
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愛なんか、知らない。 第2章⑪空はこんなに青いのに。

 お父さんと並んで歩くなんて、ものすっごい久しぶり。お父さんも、なんか、気まずそうにして…

凪
5か月前
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愛なんか、知らない。 第2章 ⑩文化祭、初日!

 そんなこんなで文化祭当日になった。  うちの班の作業は順調に進んだけど、やっぱり凛子さ…

凪
5か月前
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愛なんか、知らない。 第2章⑨夕暮れの教室で

「そうなんだ、た、大変だね」 「で、私たち4人じゃ無理だから、後藤さん、こっちも手伝ってくれないかな」 「えっ。それって、教えるだけじゃなくて」 「うん。うちらと一緒に作ってほしいの。こっちの班は、かなり進んでるでしょ?」 「それはちょっと、葵ちゃんが大変すぎると思う。こっちでも教えながら作ってるから、うちらも葵ちゃんがいてくれないと困るし」 「じゃあ、一週間だけでもいいから。一緒に作ってくれない?」  明日花ちゃんが待ったをかけても、凛子さんは引かない。 「ええと……」