愛なんか、知らない。 第2章⑨夕暮れの教室で
「そうなんだ、た、大変だね」
「で、私たち4人じゃ無理だから、後藤さん、こっちも手伝ってくれないかな」
「えっ。それって、教えるだけじゃなくて」
「うん。うちらと一緒に作ってほしいの。こっちの班は、かなり進んでるでしょ?」
「それはちょっと、葵ちゃんが大変すぎると思う。こっちでも教えながら作ってるから、うちらも葵ちゃんがいてくれないと困るし」
「じゃあ、一週間だけでもいいから。一緒に作ってくれない?」
明日花ちゃんが待ったをかけても、凛子さんは引かない。
「ええと……」