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円形脱毛症体験記〈その参〉

【まずは白髪出現!】

   梅花鍼と生姜スライスの荒療治も4~5回くらいになるとだんだん慣れてきて、ほんの少しだが剥げている肌の様子に変化が現れてきた。なんとなくだが、発症時の感触とは違ってきて、触るとあまりツルツルではない。そう、毛穴っぽさ?というのか、よくわからないが指先にふわりと感じるものがあった。
    そしてとうとう、施術開始から2ヶ月くらい経った頃、脱毛した一部分から白っぽい産毛が生えてきた!
  「あっ、白髪、生えたネ!」
   センセイはいつものとおり生姜スライスの上から患部に向けて梅花鍼を打ち付けながら、驚くべきことを言った。
  「え?し、白髪?」
  「対了(そうです)!」
  「え、でも白髪っていうのは、どういう…」と、私が困った顔をしていると、
  「ダイジョブ。白髪、黒くなるヨ。」
  「え?ホントですか?」
  「ヨカッタ、ヨカッタ!白髪出た、ダイジョブ。出ない、ダメ。ショウガとハリ、白髪早くする。」
   そうかぁ、円形脱毛症の治癒の最初の段階は白髪が出てくるかどうかで、それを早く生えさせる刺激が鍼と生姜なのかぁと、なんだか妙に納得してしまった。成分がどうとか、治癒のメカニズムなんて、この際どうでもよい!治ればよし!

   それから、さらに1ヶ月くらいして、患部には1㎝くらいの白髪がびっしりと生え、部分的には黒髪が出現するようになった。
   ここまで来ればあとは自然治癒の力にまかせるということで、施術は終了。センセイには本当になんとお礼を言ったらよいか、今でも感謝している。
   その後、無事に白髪から黒髪になり、発症から半年後にはすっかり元通りになっていた。もしかしたら、放っておいても治ったかもしれないが、やはり施術はしてよかったと思う。

   円形脱毛症が治癒してやっと美容院に行くことができるようになった。美容師が私の髪を梳かしながら、
  「うん?後頭部とか耳の後ろの髪なんですけど、この辺りだけ短い髪がいっぱい…。」
  「やっぱり、気になりますよね?それ、円形脱毛症だったところです」
  「ああ!なるほど!え、でもこんなに広範囲なのは初めて見ました。」
   そこで、私は発症から、どうやって治したのかをつぶさに説明して差し上げた。
   美容師は作業をしながら、ずいぶん興味深げに私の体験談に耳を傾けて、
   「いやぁ、スゴい。そんなやり方で治るもんなんですねぇ。あ、それで、そのセンセイさんとは、今は…?」
   「まったく、音信不通ですねぇ。梅花鍼いただいたので、今度またなったら、自分でやろうかと!」 

   施術終了後、私は転職した関係で気功体操に通えなくなり、そちらも終了。

~ついでの話~
   その10年後、再び円形脱毛症になった。二度目は範囲が小さく、軽症ですんだ。もちろん、センセイ秘伝?のやり方で、血が出るほど鍼を打ち付け、生姜スライスも使った。やはり、同じように最初に白髪が生え、しばらくすると黒髪になった。最初の発症より早く治すことができた。
   
   それにしてもだ。円形脱毛症を発症してしまう原因がやはり気になる。次回はその辺のお話を…。

円形脱毛症のお話〈その弐〉はこちら↓


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