見出し画像

円形脱毛症体験記〈その弐〉

【梅花鍼と生姜でガンガン!】

   前回は、円形脱毛症を初めて自覚したお話。通っていたカルチャーセンターの気功体操講師(中国人女性)に相談したところ、「梅花鍼と生姜で治る」と断言されて、彼女に依頼することになったというところまで。↓

   さて、今回はそのつづき。
   いよいよ、センセイに施術してもらうことになった。
   センセイは気功体操の時間が終わったあと、
   「これ、あなた専用」と言って、【梅花鍼】と思われる金属製の道具と、タッパに入れた生(なま)生姜のスライスを取り出した。
   【梅花鍼】とは、アップした写真を見てわかるとおり、小さなハンマーのような形状で、先端にある直径約1.5㎝の円筒の円面両側に小さい針が着いている。「私専用」と言われたそれは、片側は9本、もう一方は4本の針がある。持ち手である柄の長さは15cmくらいだろうか。この9本の針の面を患部にコンコン!と叩いて治療する。普通の鍼治療のように差し込むのではない。しかし、その痛さと言ったら…。
   センセイはまず患部に生姜のスライスを当て、
   「ちょっと痛いネ。ガマン、ガマン。」と、生姜の上から【梅花鍼】でかなりの力をこめて叩き出した。
   「えっ!ち、ちょっとかなり痛いんですけど…!!」
   センセイは軽くコンコン!としているつもりでも、私にはかなりの力でガンガン!と打ちつけられているような感覚。生姜の効果なのか、被布の下に走る血液が沸騰したように、カアッと温度が上がっているのがわかる。
   「ガマン、ガマン。血出るくらい、ちょうど良いネ!じゃないと、効かないネ!」
   「・・・は、はーい。」(涙目)
 
    時間にして10分もかからなかっただろうか、第1回目の施術終了。生姜も何枚か使用した。その生姜だが…「紅生姜」に変身していた。予想はしていたけれども…。
   「OK、オッケー!血、これだけ出たネ!」
   センセイは私の血で薄い紅色に染まった生姜をティッシュにくるんでゴミ箱の中に入れながら言うと、おもむろに紙片を差し出した。
   「ハイ、リョシュショ。コジョ使うネ!」
   「…リョシュ?コジョ?…あ、領収書と医療費控除?…あ!そうそう、料金でしたね。はい、3000円です。」
   センセイは私の差し出した3枚の千円札を財布にしまいながら、
    「じゃ、来週も同じことやるヨ。頭ヒリヒリすぐになくなる。」
   「あ、ありがとうございました。」
   
   受け取った領収書には但し書きに『治療代として』とあり、センセイの名前が書かれ押印もあった。その年は同時に歯医者にも通っていて、奥歯2本に保険の利かない治療をしたので、足せばもしかしたら年間医療費10万円を越えるかもしれないと思った。

   さて、それはさておき…センセイの言ったとおり、頭のヒリヒリ感は家に帰り着く頃にはなくなっていた。帰宅して鏡を確認。患部は案の定少々赤くなっていた。触るとまだ少し熱をもっているような…。 大丈夫かなぁ…。やっぱり不安しかないよぉ。

   その参へつづく

   
   

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?